「一九九九年の七月、つまり、今年の七月に世界は終わるのよ」
近藤さなにとって、その言葉は福音だった。
暗い日常に閉じ込められた彼女にとって、苦しいだけの世界は、何の価値もないものだった。
手を差し伸べる者はいない。
先生も、近所のおばちゃんも、友だちも、誰も彼女のことなど顧みもしない。
殴られた傷が痛んで眠れなかった日も、閉じ込められた押入れが、暗くて、怖くて……、必死に助けを求めた日も。誰も、誰も、誰も……。
――だから、こんな苦しいだけの世界なんか終わってしまえと思った。
だけど、いつまで待っても、世界は終わらなかった。
予言された七月が終わり、夏休みが終わっても、まだ……。
ある日の、終末クラブの会合で、さなは、指導者である四ノ宮なゆに尋ねた。
「どうして、まだ世界は終わらないの? これってやっぱり、私が、大石先生をころせなかったから?」
夏休************************
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