本当に馬鹿なことをしている自覚はある。それにこの時間だし…
僕は今、壁をつたって歩いている。いや、ぶら下がって進んでいるという方が正しいか?足場はわずか3cm、僕の身長は169cm。体重は47kg。足場が崩れないのが奇跡だと思う。そんなことを考えてるうちに、真白の病室についた。
『コンコンコン』
僕は窓をならした。正直恐怖心は一切湧いていないけど、足が震えそうになる。真白と会うのが少し怖い。
“来ないで”と言われたから…
真白がカーテンを開いた。僕は器用にヒラヒラと手を振った。器用にではなく、死に物狂いで笑顔を取り繕って…だけど。
真白は驚いた顔をしていた。
(………可愛い)
いや、そんなことを考えてる場合ではない。真白が窓を開く。
「ヒーローみたいでしょ」
真白はぼそっと言った。
「こんなヒーロー駄目でしょ…」
呆れ気味に、けど少し嬉しそうな顔だった。真白は少し俯いたあとに、何か決心したかのように口を開いた。
「どーして来たの…?」
嗚呼、やっぱりそうだよな。気になるよなぁ…
でも、僕の言うことは決まっている。前からずっとこれを大切にしてきたのだから。
「だって僕は君の彼氏だから」
真白の目に涙がたまる。僕はそっと顔に手を添えた。
花の香りがした。
僕は初めて君にキスをした
コメント
4件
やだイケメンやの てか169cmで40㌔代って軽すぎんか...?