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るめ
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スイレン🩵🪽 不定期浮上
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#きょうだい児
「え…..?」
思わずそんな声が出てしまう。今日、なんならさっきチームの一員となって、いきなりリーダーと戦わせられるブラック組織がこの世にどれだけあるものか。さすがにふざけているのだろうと思い、何度か聞き返すが、「冗談じゃないですよ?」と、逆に俺がおかしいぐらいのテンションで返してくるから、さすがに状況を飲み込むしか無さそうだった。
「さて、どうします?iemnさん武器は何がいいですか?」
無駄に広いコンクリートの部屋の中央のあたりに着くと、mmさんがこちらにくるりと振り返り、聞いてくる。ただ、武器と言っても俺は戦ったことすらないわけで、何がいいと言われてもなんとも言えないのだ。
「あ〜…そうですよね、いきなり言われても困りますよね」
そう言うと、mmさんはどこからがナイフを取り出すと、俺に投げ渡してくる。
それをギリギリでキャッチし、くるくると回してみる。
「どうです?それ、手に馴染みやすいでしょ」
「確かに…..! 」
そう言ってナイフを見ていると、今度はmmさんがポケットからおもちゃのナイフを取り出し、俺に見せてきた。
「じゃあ私はこれでやりますね」
「へ…?」
それを見て、さすがに驚いて変な声が出てしまう。俺は普通のナイフを扱うのに、mmさんだけおもちゃはさすがに不公平だろう。
「へ…?じゃなくて、私強いので大丈夫ですよ」
別に俺だって、mmさんの強さをバカにしている訳ではない。ただ、ただのプラスチックのナイフと、鉄のナイフじゃあ全然別物なのだ。
慌てて説得しようとするが、「私が相手の時点ですんごくチートなので」とか訳の分からないことの一点張りで全く話を聞き入れてはくれなかった。そうとなればもうやるしかないので、フェアな勝負になると信じてナイフを握る。
「あら、やっと覚悟を決めたんですね」
内心、あなたが譲らないからなんですけどね、とツッコミを入れながらもナイフを構え、深呼吸をする。
「iemnさんからどうぞ」
相変わらず余裕のありそうな顔で俺を挑発し、おもちゃのナイフを構えるmmさん。
どこにそこまでの自信があるのか聞きたいぐらいだが、そこまでされたらもう俺だって黙ってたっている訳にはいかない。しっかり俺だって戦えるということを証明しないといけない。
「覚悟してくださいっ!!」
一歩でmmさんの懐に体を滑り込ませ、ナイフの峰でmmさんの手首を打っておもちゃのナイフを離させようとする。
「思ったよりもやりますね」
そう言われてハッとする。まだmmさんは余裕を崩していない、ということは…
「でもまだ甘いです」
「…..っ!!」
次の瞬間、俺はナイフを持った手を掴まれて地面に押し倒されていた。必死にもがいて拘束を解こうとするが、おもちゃのナイフを首に当てられる。
「はい、チェックメイトですね」
mmさんはニコッと笑うと俺の手を離し、すごいすごい、と俺のことを褒めていた。
為す術なく負けた後にそんなことを言われても、全然褒められている気はしなかったのだが、まあ勝者の言うことだからということで黙って受け入れることにする。
「どうです?私強かったでしょ?」
褒めて欲しいとでも言うようにこちらを見てくるので、とりあえず褒め倒しておく。というか凄いと思ったのは本当な訳だが。
俺も研究施設にいた時に戦闘訓練はある程度させられた記憶がある。それのお陰で今の俺はmmさんに太刀打ちできるだけの実力があると思っていたのだが、ただの思い上がりだったと終わったあとの今なら確実に言える。
「思っていた数百倍強かったです…」
そう言いながら服に着いたほこりを払い、立ち上がる。
それを聞いたmmさんは満更でもなさそうな顔で笑い、俺の手を引いて体を支えてくれる。
「まあでも、iemnさんも強かったですよ?多分、少し訓練すれば十分あの四人とも渡り合えるでしょう」
そう言われやはり少し安堵する。あの四人も全員mmさんと同じぐらい強かったら、完全に俺がお荷物になる所だったのだ。
「それじゃあ…実力は分かったので、作戦会議とでもいきましょうか」
「作戦会議….?」
突然出てきた言葉に首を傾げ、目を細める。今さっきボコボコにされて、すでにお腹いっぱいなわけだが、まだ何かやることがあるらしい。
当然抵抗できるはずもなく、そのままずるずると引きずられるようにリビングへと連れていかれたのであった。
⬛︎
「….おっ、どうだった?」
リビングへ戻ると、まるで俺がmmさんにボコボコにされるのを最初から知っていたぐらいのテンションのmtwさんに迎えられた。
「結構良かったですよ」
そう返したmmさんに連れられて、リビングのテーブルの横に置いてある椅子に座らせられる。
どうやら俺たちが最後だったらしく、他の四人はすでに席に着いて各々別のことをやっていた。
「mmさんに結構良いって言わせるなんて…!」
俺が来たのに気づくと、upさんは手入れをしていたナイフをカバンに入れ、興奮気味に身を乗り出してきた。
upさんの反応的に、mmさんが人を褒めるのは珍しいことなのだろうか、と少し胸を張りそうになっている自分を抑え込み姿勢を整える。
「えっと…それでは、作戦会議を始めましょうか」
そうmmさんが言葉を発した瞬間、場の空気が変わったと俺でもわかった。四人全員が今までしていたことの手を止め、mmさんに注目する。まるで、次の言葉を、指示を待っているように。
「ではまず…今回行く場所から」
そう言いmmさんが取り出した地図には、ここら辺の地形が書かれていた。
「愛知県….?しかもここら辺じゃん」
upさんが地図を眺め、目を細めて呟いた。
「ええ、私たちがまだ見つけていなかったところに、そこそこ大きな施設が残っていまして」
地図を見てみると、そこは大きな工場が立ち並ぶような場所で、きっとその中に研修施設が紛れていたのだろう。木を隠すなら森の中、建物を隠すのなら同じく建物が密集している場所なのだろう。
「ここを、明後日深夜0時半に潜入し、叩きます」
「潜入口は東側、いつも通り裏口から行きます」
そう情報を淡々と喋りながら、mmさんは地図にメモを書き込んでいく。
「それと…この時間帯は基本的に警備の手は薄いと思われますが、万が一の場合は南側の物資の搬入口から逃げます」
そのmmさんの説明を聞いている四人も各々その情報を一つ残らず頭に入れようと、耳を傾けているのが分かる。もちろん俺も、置いていかれまいと必死にその情報を一つずつ丁寧に頭に入れていく。
「znkpsさんはこの南東方向の高台からいつも通り援護をお願いします」
その言葉にznkpsさんもうんうんと頷く。
ここのメンバーにはそれぞれ役割が元々決められているようで、俺以外はそれぞれの持ち場の話をされ、各々メモを取っていた。
「ところで……iemnさんの持ち場はどうするんですか….?」
黙って話を聞いていたznkpsさんが口を開いた。その言葉に五人の視線が俺に向き、mmさんは顎に手を当てて少し考えるような動作をした後、ぽん、と手を叩いた。
「iemnさん、普通に強かったので前線に行ってもらいましょうか!」
思わず「は?」と声が出そうになったが、それは他の四人も同じようで、ずっと黙っていたItさんも「いや、おかしいだろ」と呟いていた。
だが、当の本人は気にする様子もなく、満足気に頷きながら地図にペンを走らせるのであった…..
コメント
1件
mmさんとの戦闘シーン、おもちゃのナイフであそこまで余裕なのがカッコよすぎる…!「思ったよりもやりますね」からの即チェックメイト、痺れました。作戦会議でiemnくんが前線に抜擢される流れも、他のメンバーの反応含めてすごく面白かったです。チームの空気感が一気に変わるところ、ゾクゾクしました…!次の潜入が楽しみすぎます🌙