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なんでそんなに可愛いんだろう。
ふわふわの髪型?反吐が出そうになるその小鳥みたいな口?オラオラしてるくせにびっくりした時とか女の子みたいになっちゃうところ?SNSにあげる用の動画で、可愛い振り付けだと恥ずかしくなっちゃって覚悟決められないところ?
わかんないけど、わかんないけどとりあえず、
最近の仁人はかわいい。
いじられた時にするムッとした顔だったり、踊る時にふわっと舞う髪だったり、俺を見る時上目遣いになるとことか、悔しいけど可愛いと思ってしまう。
別に仁人以外にも、メンバーの言動に可愛いと思うことなんてあるし、ライブとか気分が上がった時には尚更そう思う。でも、いま仁人に対して抱く可愛いはそれとはちょっと違う気がする。だけどそれがどう違うのかは分からない。
「だからって俺に聞くな!そんなこと!」
「いや、本人に直接聞くのがはやいかなーと思いまして」
「知らん!」
「えー、可愛さの秘訣とかあるんでしょ?なに?恋してんの?好きな子できた?」
「それを言うなら貴方なんじゃないの」
「は?俺が仁人を?仁人に恋してるって言いたいの?やだなーそんなそんな、そんな可愛いとは違いますよそりゃあなに、確かに他のメンバーと比べると仁人に可愛いって思うこと多いけどそれはちょっと、自意識過剰すぎるんじゃないんですかね?吉田さんよ」
「一発殴っていい?」
そんな物騒なことを言いながら、ストローを持ってちゅーと飲み物を吸うところも可愛いなぁなんて思う。
あ、また口元にご飯粒なんか付けちゃって、
「可愛い」
「え」
「いま俺のこと可愛いって思ったんだろ」
口角を上げ米粒を取りながらそう言う仁人はちょっと色っぽくて、なんだかそわそわする。
「思ってねーよ、ぶりっ子すんなよって思っただけで」
「ふーん?佐野くんは素直じゃないねぇ」
またもぐもぐと食事に戻る仁人には悪いけど、俺は何故か恥ずかしさで耐えられなくなってはやく帰りたいなーとか、思って、でも言い出せないからいつもみたいに無駄に仁人に絡んでまたかわいいと思うの繰り返しで意味がない。
目ん玉にぶっ刺さる強いひかりで目覚めた。
あれ、俺なにしてんだろ。てかここどこ?
「起きた?」
なんでなにも着てないの、なにこの匂い、とか色々考えてるとさっきまで一緒にご飯を食べてた仁人がバスローブを着て登場する。その瞬間に、ああここはそういうことをするホテルなんだと察する。
「はは、そんなかたまんなくていいのに。」
「いや、なんで、こんなとこに、いんの俺ら」
「うーん、色々あるけど、いちばんの理由は、勇斗が俺のこと抱きたいって言ったから?」
「なっ、言ってねーよそんなこと!」
まじでどうなってんの。俺思い出して今すぐ!
そのまま横に座る仁人の鎖骨には、薄いアザのようなものがあって、もしかしてそれ俺が付けたのかと思ったら、まじで俺はメンバーのこいつに欲情したのかとか、俺以外の人が付けたのを見たらどうなってしまうんだろうとか色々複雑な気持ちになった。咄嗟に俺にも付いてないかと自分の全身を見回すと、仁人は悪戯げに笑って
「まだちゃんとはしてないよ」
と零す。
ちゃんととは。キスマークは付けたくせにまだ本番はしてないってことなのか。それとも仁人に付けられたキスマークは俺以外の誰か、仁人の恋人?だったり、その、寝る友達?だとかが付けたもので、俺と仁人はまだ身体を重ねる前ってことなのか。
「っちょ、やめろって」
やわやわと突然俺のそれを触り出す仁人は妙にエロくて、正直結構クるものがある。
「ねー、どうすんの。勇斗」
「……なにがだよ」
「俺のこと抱くの?抱かないの?どっち」
「……黙れよ」
「おー、怖いねぇ佐野くん」
「……」
「おれのからだ、そんな安くないよ」
いま、俺はメンバーに自分の、ち、……ちんこを舐められている。
なんでこんなことになってるんだろう。俺が仁人を可愛いと思ってしまったことが間違えだったのか。
ちらりと下に目線をやると、一生懸命に俺のを舐める仁人と目が合う。
気持ちいい?と言いたげな顔をする仁人はやっぱり可愛い。
「そんなとこ舐めて、キモくないの?」
「勇斗は長年のメンバーに自分の舐められてるの見てキモイとおもった?」
思わねーから困ってんだよ。なんで気持ち悪くないんだろう。むしろ可愛いとか思っちゃってる。
「かわいい?」
「は、?」
「おれ、かわいい?」
「……うん、はい、まあ」
「……ふふ、そっかぁ、よかった」
何がいいんだ。
俺は全然良くないっていうのに。
でもやっぱ、にこにこと嬉しそうに笑う仁人は可愛くて仕方がなかった。ふわふわした唇が、まだ仁人のナカに触れたことはないのにそれを連想させられてどきどきする。
「あっ、やぁ、」
「お前が動かしてんだろ」
「だって、んっ、きもち、いい、も……んぅ」
目線も汗も涙も唇も、腰の動きも揺れる太ももも全部が甘い毒になって俺を魅了させる。
「煽んなって」
「あおって、なぁ、い……やだ、ぉくいや♡」
「ちょっ、そんな締めんなって!」
「は、やとっ、♡」
そんな甘い声で俺の名前を呼ぶな。仁人の目はとろんとしていて、まるでハートが浮かんでるみたい。俺しか見えてない、俺だけが好きみたいなそんな目がずるい。
ああ、なんだか、すごく、キスがしたい。
俺のために健気に腰を振る仁人が可愛くて仕方ない。口を閉じることなんてなく、はぁはぁと息を吐く。時々覗くその赤い舌が愛おしくて今すぐに吸い付きたくなる。
動きが鈍くなってきた仁人に目をやると、
「は、や、と……ちゅーしたい……」
なんてとても可愛いことを言う。俺はそう思ったことを顔に出さないようにして「うん」とだけ返すと、仁人はめいっぱい嬉しそうな顔をして唇を俺のそれに近づけてきた。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、と子どもらしい音を立てて口付ける。
「ん、きす、っはぁ……すき」
突然出てきた「すき」という言葉に酷く動揺してしまう。別に俺のことが好きって言ったわけじゃないのに。今してるこの行為にしか考えてないのかとイライラしてきた。
「あっ、はやいっ!……んぅ♡まっ、てよ…♡」
「待たない。おまえがわるい」
「んっ♡あうっ、やぁ……」
「おれをどうしたいの、じんとはさ!」
「あっ♡……んっ、んん♡はっ、すき……!はぁ、と、すき!」
「テキトー言ってんじゃねぇよ!」
「あ゛っ♡」
むかつく。むかつく。好きとか言ってれば俺が気持ちよくしてくれるって思ってんのかな。仁人のくせにどこでそんなビッチみたいな行動覚えてくんの。可愛い可愛いじんちゃんのままでいいのに。
仁人のものはもう何も出てない。ナカだけがずっと震えてる。男の体ってこんなことできるんだと何故か冷静に考えてしまう。
今ここで仁人の乳首を摘んだらどうなるんだろう。怒られそうだらやらないけど。
「はぁ、と、は、や……と♡……も、いってよぉ……」
「うん、じんとのなかでイッていい?じんとのふわっふわのとろっとろのナカにおれの出していい?」
「うんっ、だして!はやく!」
「煽ってんじゃねーよ、クソビッチ」
「びっちじゃな……♡あう゛っ♡」
どくどくとじんとの中におれのが入っていく感覚がする。じんとのなかから抜くと、それが流れ落ちてくるのがエロい。
じんとがかわいい指でそれを一生懸命流れないようにしてるのがかわいいけど、からだに悪そうだから止める。不機嫌そうに唇をとがらせ、やだ!と喚く姿はもうただの赤ちゃんにしか見えない。
「どー?おれ、かわいい?」
「うん。めちゃくちゃ可愛いよ」
「そ、っかー、よかった……」
とろんとまぶたを落とす仁人の頬を撫でると、猫のように擦り寄せて微笑む。まいっちゃうよ、こんなんじゃ。こんなはずじゃなかったのに。
仁人を可愛がりたい。俺の手で可愛い仁人を、もっと可愛くしたい。そしてそれを俺だけのものにしたい。そんな汚い欲求が出てきて、ほんとう、どうしてくれんだよ。
張本人はもう夢の中。白くて甘そうなその頬にキスをして、俺も眠りの姿勢に入る。愛おしいあの子の口角が上がったことになんて気づきもせず。
コメント
7件
コメント失礼します。 凄い好きですこの作品、、他の作品も拝見したのですが、もう好みにどストライクでピッタリハマりすぎてて、なんでコメントないんだろうって不思議なくらいにはシチュエーションも言葉選びも最高すぎてます、、ほんと最高過ぎて寝る前に最高な物を見せていただいて感謝過ぎて、、次の作品も楽しみに待ってます😿💖💖 忙しいとは思いますが気長に待たせて下さい🤲💖💖