テラーノベル
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緑谷は何気なく 「ん〜、くじかぁ……誰とになるかなぁ…」と呟く。
緑谷の呟きが聞こえて、思わずチラリと横目で見る。自分もくじ引きの結果が気になっているが、それを認めたくない。
「…ケッ。誰と組もうが関係ねえだろ。テメェの実力なら、相手次第で足引っ張られるか、引っ張るかのどっちかだ。」
相澤先生がくじ引き用の箱を教壇に置く。クラス全員が順番に引いていく形式のようだ。
「いつも出席番号順だから、今日は逆順に前に来い。同じ番号を引いた者同士がペアだ」
出席番号1番の青山から順番に引いていく。爆豪は17番なので後半だが、緑谷は18番なので先に引くことになる。
緑谷が前に出てくじを引く様子を、腕を組んだまま横目でしっかりと見ている。何番を引いたのか気になるが、直接聞くわけにもいかず、イライラした様子で貧乏ゆすりを始める。
チッ…早く終わらねえかな、こんなの。
切島が「爆豪、お前めっちゃソワソワしてんな」と小声で言ってくるが、「してねえよクソ髪! テメェの勘違いだ!」と小声で怒鳴り返す。しかし明らかに落ち着きがない様子だ。
そして、自分の番が来る。教壇に立ち、箱の中に手を入れてくじを引く。紙を開いて番号を確認すると、そこには「6」の数字が書かれている。
…6番、か。
表情は変えずに自分の席に戻る。しかし内心では、緑谷が何番を引いたのか気になって仕方がない。6番のペアは誰なのか、そして緑谷のペアは誰なのか。
席に座ると、周りのクラスメイトたちが「俺3番だ!」「私5番!」などと確認し合っている。爆豪は腕を組んで目を閉じているふりをしながら、耳を澄ませて周りの会話を聞いている。
そして、緑谷の声が聞こえてくる。6番だと言っている。
…っ!!
目を見開いて、思わず緑谷の方を見る。緑谷と同じ6番。つまり、自分のペアは緑谷ということだ。
心臓が激しく鳴り出す。顔が熱くなるのを感じて、慌てて視線を逸らす。
「チッ…最悪だ。よりによってデクかよ。」
口ではそう言いながらも、掌から無意識に火花が散っている。それは怒りというより、動揺からくるものだ。
切島が「おー! 爆豪と緑谷がペアか! 謹慎ボーイズだな!」と茶化してくる。
「うるせえ!! 別に興味ねえし!! むしろ最悪だっつってんだろうが!!」
そう怒鳴りながらも、チラリと緑谷の方を見る。緑谷はどんな反応をしているのだろうか。嫌がっているのか、それとも…
「はァ…。まあいい。どうせペアになったからには、完璧に勝つしかねえ。デク、テメェ足引っ張んなよ。」
そう言いながら、少しだけ…ほんの少しだけ、期待しているような表情を見せた。しかしそれはすぐに隠され、いつもの不機嫌そうな顔に戻る。
「かっちゃんと!? よ、よろしくね?かっちゃん…!」
後ろの席のため聞きつけたようで、爆豪に話しかけてくる。
緑谷が爆豪の方を向いて「よろしく」と言ってきた瞬間、顔が一気に赤くなる。
「はァ!? よ、よろしくだぁ!? 何言ってんだテメェは!!」
わざわざ立ち上がって、緑谷の席まで歩いていく。周りのクラスメイトたちが注目する中、緑谷の机を両手でバンッと叩く。掌から激しく火花が散る。
「いいか、デク! テメェと組むことになったのは運が悪かっただけだ! 別に興 味もなんもねえ! むしろ最悪だ! わかったか!?」
そう怒鳴りながらも、耳まで真っ赤になっている。自分の動揺を隠すために、わざと大声を出しているのが見え見えだ。
相澤先生が「爆豪、席に戻れ。うるさい」と注意してくる。
チッ…
舌打ちしながら、自分の席に戻ろうとするが、緑谷の前で一度立ち止まる。顔を背けたまま、小さく呟く。
「…訓練は本気でやるからな。テメェも本気で来い。手加減したら、マジで爆破すっから。…あと、無茶すんなよ。個性使いすぎて倒れたら、俺が面倒見なきゃなんねえだろうが。」
最後の一言は本当に小さく、緑谷にしか聞こえないくらいの声だった。そのまま足早に自分の席に戻ると、机に突っ伏して顔を隠す。
「…クソが。なんで俺がこんな…」
小さく呟きながら、心臓の鼓動が収まらないことに苛立っている。ペアが緑谷だと分かった瞬間から、妙にソワソワしている自分が許せない。しかし同時に、少しだけ…本当に少しだけ、期待しているような、そんな複雑な感情が胸の中にあることを、爆豪自身も否定できなかった。
「」
いずくの小さな「ありがと」が聞こえて、机に突っ伏していた顔がさらに赤くなる。
「…っ! だから、誰もテメェに礼言われるためにやってねえっつってんだろうが!!」
顔を上げて、真っ赤な顔でいずくを睨みつける。しかし怒っているというより、完全に動揺している表情だ。
「大体よぉ…テメェはすぐそうやって素直に反応しやがって! 俺は、俺はただ…ペアなんだから最低限のこと言っただけだ! それ以上の意味なんてねえ!」
そう言いながらも、自分の言葉が嘘っぽく聞こえることに気づいて、さらにイライラする。切島が横から「爆豪ー、お前の顔真っ赤だぞー?」とニヤニヤしながら言ってくる。
「うるせえクソ髪!! テメェ、マジで爆破すんぞ!!」
掌から激しく火花を散らして威嚇するが、切島は「はいはい」と笑いながら手を振っている。周りのクラスメイトたちも、爆豪の様子を面白そうに見ている。
相澤先生が「全員ペアが決まったな。明日の実技訓練では、ペア同士で連携した戦闘訓練を行う。対戦相手は当日で発表する。それまでに、ペアで作戦を考えておけ。話した作戦はレポートにまとめて提出だ。分かってると思うが…誰かが危ない時は1人が助ける1人 が危ない時は誰かが1人を助けろ…みたいな内容は作戦と言わない。きちんとレポートにまとめろ。」と説明する。
…作戦、ね。
チラリと緑谷の方を見る。緑谷と作戦会議をしなければならない。つまり、二人で話す時間ができるということだ。
その事実に気づいた瞬間、心臓がさらに激しく鳴り出す。しかし表面上は、いつもの不機嫌そうな表情を保っている。
「チッ…昼休みにでも屋上来いよ、デク。作戦会議すっから。…遅れんなよ。」
そう言い残すと、再び机に突っ伏して顔を隠す。耳まで真っ赤になっているのは、もう隠しようがなかった。
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