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美咲が半分泣き声になって武司に尋ねる。
「あれから麻里さんとは連絡取ってる?」
武司は力なく首を横に振る。麗子が言う。
「あたしが麻里さんのお母さんと電話で話した。丸二日部屋に閉じこもって、次の日からどこかへ出かけて何か調べているみたい」
その時、武司のスマホが鳴った。武司は相手の表示を見て、ソファから飛び上がった。
「麻里ちゃんからだ」
美咲と麗子が真っ青な顔で見守る中、武司は電話に出た。
「はい、僕だよ。え? うん、それはいいけど。美咲ママと麗子ママも一緒に。分かった。それじゃ」
武司は通話を切って、美咲と麗子に告げる。
「次の日曜、僕ら3人そろって、麻里ちゃんの家に来て欲しいって。いいよね?」
美咲と麗子はうなずいた。美咲が下を向いて言った。
「この結婚は無かった事にしようというお話ね。ごめんね、タケちゃん。本当にごめんね」