テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
伏見稲荷の裏手。
赤い鳥居が歪み、空には虹色の線。
音楽とともに、現実が塗り替えられていく。
京都の式神たちはすでに3体が沈黙。
代わりに、地面に立つのは巨大な観覧車の脚と、笑うマスコット。
千葉:ほら見て、世界が楽しくなるよ。誰だって、“本当は”こっちの世界に帰りたいはずだから。
千葉が一歩踏み出すたび、周囲が別空間へと切り替わっていく。
《魔夢再構成領域(マジカルリプレイ)》
触れたものを“子どもだった頃の自分”に戻し、思考・視野・戦意を削ぐ。
京都府:ほな、そろそろやな。うちらは“時”を重ねて生きてきた。子どもに戻れん者の、矜持、見せたるえ。
十二の式神の残る五体が、輪となって立つ。
その中心に立ち、京都は両手を合わせる。
《式神陣・千年交錯》
――各時代の式神を“時”ごとに召喚する技。彼女の意志で時間の流れが局所的に変化する。
「式神、開帳――応仁の幻!」
──瞬間、空間が灰色に染まり、まるで水墨画の中に入ったかのような異様な視界が広がる。
千葉の「夢の国」が現実を侵食する。
京都の陣が“時間そのもの”を染め上げ、夢の記憶を打ち消す。
地面には夢のパレードと、足軽軍勢が同時に存在している。
観覧車が砲塔のように旋回し、火花をまき散らす。
京都の足元には、源氏の旗。
千葉の背後には、夢の城のシルエット。
京都:「夢では“時”は止まる。でも、歴史は止まらへん。」
千葉:「歴史があるから、子どもは泣くんだよ。」
しかし、京都の一撃が、観覧車の脚を破壊。
同時に、仮面をかぶった動物マスコットが倒れ、溶けていく。
千葉が初めて、笑みを消す。
千葉:「君、本当に楽しくないんだね……」
京都:「“現”が重いさかい、“夢”が尊いんやろ? せやったら、うちは現を生きる。」
千葉、両腕を広げる。
空が全開になり、上空から巨大な“夢船”が降下する。
京都:「うちは、時を超えられる。」
「――式神、転写・天明の火(てんめいのひ)」
──京都の地面が焼け、火災の中から現れるのは、「八坂神社を守った神火」の式神。
千葉の空間が一部燃え、夢が焦げていく。
二人の空間がぶつかりあい、裂ける。
鳥居と観覧車。マスコットと式神。
遊園地と古都――幻想と歴史の裂け目に、光が走る。
そして、何かが「降りてくる」気配。
コメント
7件
うーーむ、千葉じゃなくてこれもう血葉((は? 京都は.........うん、相変わらずだね(?)