「最近、主様の口調や態度が変わっていて…何があったのでしょうか…」
「最初は私って言ってたのに、今は俺って言ってるもんな。口調もなんか、男の人っぽくて…」
「…主様の世界で、何かあったのだろうか…」
「ルカスさん、話してなかったのですね………」
「何?何か知ってるの?」
「そうだね。これを聞いたのは一昨日なんだけれど…」
どこから話そうか…そうだね、私達は任務の帰りで3人で帰って居たんだけど、どこからか啜り泣く声が聞こえてね。気になってラムリとナックで様子を見に行ったら、主様が居たんだ。
「主様、泣いておられるんですか?」
「っルカス…何言ってんの?俺泣いてねーよ!気のせいじゃね?」
「でも主様、目が赤いですよ」
「…いや、それは……か、花粉症でな、目が痒くて擦ってたんだよ」
「喋りたくないと…無理にとは言いません。主様が話したくなったら私にでも話してください。愚痴でもなんでも、吐いてしまえば少しは楽になりますよ。」
「…そうだな。楽になれるかもな…な、つまんない話だけど…聞いてくれるか?」
「ええ、もちろんです。」
「主様!僕も、僕もいいですか?」
「私も良かったら聞いてもよろしいですか?」
「そうだな、ありがとう。」
そうして、主様は話し始めた。
「ホントにつまんないんだけどな…今日、久しぶりに昔の友人と会ったんよ。話し掛けたらたらな、こう言われたんだよ。“あんたみたいなブッサイク、友達じゃない。話し掛けてこないで。”って言われてな。なんで、って聞いたら“男ばっかと遊んでてキモいし。私は好きな子と話せなかったのに。話し掛けてすら貰えなかったのにあんたは話し掛けて貰えて。一緒に遊んで。大っ嫌いだったのよ!性格も男みたいだし。あんたなんか女じゃない。口調も変だし、あんたが私って言ってると鳥肌立つからやめてもらえる?”ってさ。だから全部変えた。そしたらさ、“気持ち悪い”って冷え切った目で言われたよ。な?つまんないだろ。忘れていいよ」
正直、この話を聞いて殺意しか湧いてこなかった。私にもこんな感情があったなんて驚いたよ。
「…ごめんな。こんな俺で。やっぱ俺なんかがルカス達の主なんて、恥ず…」
主様が続き言おうとしていたが、ラムリが抱き付いて驚いた顔をして固まっていたよ。
「主様、それ以上言わないでください。聞きたくないです。僕は、主様じゃなきゃやだ。主様だから、優様だから良いんです。僕の大切な人を悪く言わないでください!」
「ラムリ…?」
「そうですよ、主様…いえ、優様。私達は優様でなければこんな事言いませんよ。誰にでも優しく、平等に接してくれるあんず様だからこそ、私達は心の底から忠誠を誓えるのです。」
「ナック…」
「ふふ。私のセリフを全て取られてしまったね。優様、あまりご自分を卑下なさらないでください。優様は、ご自身が思っているよりも素敵な方なのですよ。」
「ルカス…」
泣き疲れたのか、主様はありがとう。と言って眠ってしまってね。そして寝てしまった主様を起こさないようソッと抱き上げ主様のお部屋へ向かって、主様をベッドへ横わせたら音を立てないようにしてドアを閉めたんだよ。主様が起こしちゃ駄目だからね。
「ルカス様。僕その女許せないんだけど。」
「もう殺生はしないと決めたのですが…少し揺らいでしまいますね」
「ああ、そうだね。僕も腸が煮えくり返りそうだよ。…他の階の執事達にもこの事を伝えよう。」
「ラトさんが聞いたらその人を壊しかねないですね…無駄な証拠を残さなければ良いのですが。」
__次のニュースです。○県○○市で行方不明になっていた女性の遺体が発見されました。
*おまけ*
「ところで、今までその事を私達は知らなかったのですが。他の階の執事達にも伝えるんじゃなかったんですか?」
「あっ!確かに。なんで今になって言ってきたんだ?」
「…………」
「ルカスさん?」
「忘れていたよ(´>ω∂`)☆」
「おい」
「あらら…」
「何やってんすか……」
コメント
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ルカスの「忘れていたよ(´>ω∂`)☆」で不覚にも大爆笑してしまった…wさっきの雰囲気どこ行った!?