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咲乃ルイ
#バトル
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選挙の次の日、不破主席は首相に指名された。不破新首相は早速、社会主義システムに以降した上で独裁体制を敷いた。国民からは不安も溜まったが、選挙直後だったので特に市民活動は起こらなかった。 しかし、共産党内での汚職が発覚したり、徴兵令が発令されると国内情勢は一転。不破首相への反発は止まらずに、支持率は急降下していった。
僕と暗夢は透明薬を使い、首相官邸に侵入していた。
「首相、政策への反発が止まりません!どうされますか?」
秘書が慌てた様子で首相に問う。
「そんなことで騒ぐな。全て殺せば良いじゃないか。私に反発する者は粛清しろ。」
この妖怪はスターリン的思想だった。粛清の再来。この時僕は、コイツを現実で首相にしてはいけないと、本能で感じた。
「暗夢、あれヤバいでしょ。」
「え?何が?」
そういえば暗夢も同類だった。
「まあ白夜くんの言いたいことも分かる。それを使うんだよ。」
そう言って暗夢は官邸を飛び出した。着いたのは官庁街の裏路地の建物だった。
「ここでもう一度市民革命を起こすよ。夢の中の粛清に反発する市民と一緒に官邸を襲うの。」
「暗夢一人じゃダメなの?」
「正直言うと、アイツの頭を潰す前に存在がバレて夢の主導権を握られる。まだ夢鉄は夢だと気づいてないから、現実の反乱だと勘違いさせて混乱させるんだ。」
「酷すぎる。」
「まあ怖いなら白夜くんは透明薬で空から見守っててよ。」
三日後。革命実行の日となった。裏路地には大量の市民が集まった。暗夢は如何にも「武装した市民」という感じの格好だった。不破首相に存在がバレないよう覆面していた。
「夢鉄にこのまま権力を握らせて良いのかー?」
暗夢が問いかけると市民集団は
「NO!」
と返事をする。
「人間の命を簡単に扱って良いのかー?」
「NO!」
「自分にしか興味ない者に、日本を任せて良いのかー?」
「NO!」
「我ら市民民主連合軍、武器を持てー!」
「オー!」
連合軍は官邸に突入した。
「夢鉄を出せー!」
そう叫びながら、連合軍は官邸を探し回った。
一方、首相が居る部屋は焦りが漏れていた。
「首相、どうするんですかこの反乱は?」
「クソー、国防軍総力を挙げて鎮圧しろ!」
残念、連合軍はその国防軍も味方につけていました。
その時、部屋の扉が開いた。覆面マスクを被る暗夢が入ってきた。暗夢が頭を潰そうとしたその瞬間、暗夢の動きが止まった。
「暗夢か、お前だったんだな。雰囲気が隠しきれてないぞ。」
動きを止めていたのは不破首相…いや、夢の支配権を握った夢鉄だった。
「夢鉄、いつから気づいてたの?」
「ただの感覚だ。お前も恐ろしいぜ。扉が開くまで気づかなかったんだが、入ってきた時に若干の同族の雰囲気を感じた。」
ヤバいぞ暗夢。どうするんだ。
「ちょうど夢の支配権は俺になった。もう分かるな?」
「最期に、正直にはっきり聞かせて。なんで政治家やってるの?そしたら殺していいから。」
「俺は権力が欲しい。それだけだ。俺達は現実で力は持てない。だが、政治家になれば全てを手に入れられる!人を従える!権力がある!だから俺は共産党に入党し議員となって、全ての力を手に入れ、全ての種族の上に立つんだ。」
夢鉄は叫ぶように語り、暗夢に近づいた。
「理解したか。ではお前をこの世から消し去…」
「えい。」
暗夢は夢鉄の肩を、力を振り絞って叩いた。
夢鉄は、夢から覚めた。
「は。ここは、まさか!」
夢鉄は本会議場の席に座っていた。席の周りには国会議員の規律を審査する懲罰委員会の人たちが集まっていた。
「不破議員、会議中の居眠りだけではなく、大声での不規則発言、あれは一体なんだ!不破議員、あなたは除名だ!議事堂から出ていけ。」
「警察です。先ほどの発言を証拠として国家転覆未遂の容疑で起訴します。議員じゃなくなったので、もう不逮捕特権はないですよ。」
「何だと!俺は何も…まさか!」
暗夢は天井から、「そのまさかだよ。」と言わんばかりに、嘲笑した目で夢鉄を見つめる。
「暗夢、今回はどんな手品を使ったの?」
「【寝言】ってあるでしょ。夢鉄に夢の中であんなに大きく本音を話してくれれば、会議場全体に響くくらいの寝言になると思ったの。それを賭けたうえで、何とか支配に抵抗して、夢鉄の肩に触れて夢から覚ましたの。」
「あぁ、お疲れ様。でも逮捕するだけで大丈夫なの?妖怪なら頑張れば脱獄もできそうだし…。」
「まあ、見ててよ。」
三日後。僕たちは透明薬を飲み、夢鉄のいる留置場に侵入した。
「何あれ、もう生気を失ってる…。」
「だって、夢鉄はもう三日も魂を食べてないんだよ。流石に人間殺す隙もないしさ。多分明日には妖力失って死ぬよ。」
「なんか凄い遠回りな…。」
「これしか勝ち方は無かったんだよ。勝てば正義。」
悔しいが僕には思いつかない方法だった。暗夢が数学が得意なのは、ずる賢く合理的な方法を咄嗟に判断できるからだ。