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「あら、今日も来たのね」
『う、うん…』
レミリアと紗奈は親密な仲だった
それと同時に、ヒミツな仲でもあった
「さっそくだけど…いいかしら?」
『うん…』
レミリアはそう言うと紗奈が纏っていた服を少し脱ぐ
そして…
『…っ』
ガブッと紗奈の肩に噛み付く
そしてジュルジュルとレミリアは紗奈の血を吸っていく
「…ふふっ。もう何十回以上来ているのにまだ慣れないのね」
レミリアは少食だ
だが、紗奈の血なら吸えきれる程飲めるという
紗奈はレミリアにとって何よりも大切な食べ物なのだ
けれど、それ以上にレミリアは紗奈に依存していた
「ねぇ、何で私以外の奴に血なんかあげたのかしら?」
『ご、ごめっ…!っ!』
ある日、紗奈は人里に行っていた
そして倒れている人を見つけた
その人は貧血状態で医者に運ばれる寸前だったそう
そして、その人には同じ血液型の人の血をあげないと生きれないという
紗奈は偶然同じ血液型だったので血をあげた。という
「その人間は生き残ったの?」
『う、うん…』
レミリアは紗奈を紅い瞳でじっと見つめた
「ふふっ。その人間には紗奈の血がまだ流れているんでしょう?」
『わ、分からないけど…多分…』
紗奈はこの時点でとても嫌な予想をしていた
「だったらその人間を殺せば、幻想郷内で私だけ紗奈の血をもらっているってことになるわね」
『…っ!まさかっ!』
紗奈の予想は当たっていた
「…だぁいじょうぶよ。私は紗奈以外の血なんか一滴足りとも吸わないからね」
レミリアはそう言うと優しく微笑んだ
『レ、レミリア…本当に殺すつもりなの…?』
「だからそう言ってるじゃない?…まさか、その人間に”恋”でもしているのかしら?」
『ち、違う!』
「そう?ならいいじゃない、もう紗奈には関係ない人間でしょう?」
『っ!』
吸血鬼と人間の感覚はズレている
人間は関係が無くなればそれだけ。それ以上もそれ以下もない
『だ、だけど…っ』
「…紗奈はここに来てまだ短いものね。大丈夫よ」
「幻想郷はとっても怖いの…。紅魔館にいてくれれば、完璧なメイドや可愛い妹…そして私がいるわよ?」
「紗奈だって、私が居なければどうせ生きれないんでしょ?」
とても図星を突かれているような気がした
確かに、紗奈はレミリアがいなければもう死んでいた状況がたくさんあった
『…ごめん。紅魔館には居るからその人は殺さないで…』
「居てくれるのね…。なら良かったわ」
少しレミリアの声が明るくなる
「ふふっ。後で咲夜に紅茶を淹れてもらうわね。いやその前に部屋を提供するべきかしら?…いや、私の部屋で十分ね、私と一緒に寝れるなんてそうないわよ?」
紗奈はそれに圧倒されていた
なぜなら
レミリアの瞳はとても紅く…狂気的に光っていたからだ
「そう心配する事ないわ」
「どうせ、どんどん染まっていくんだから」
ーEND