※ wki×omr
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大森元貴 / Motoki Ohmori
今日はなんだか寂しい日
午前2:09 2025年5月9日
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Overlook:
「今日はなんだか寂しい日」
通知欄に、そのひとことが滲んだ。
──深夜2時9分。
いつもなら、寝ている時間だ。
若井のスマホの画面が、暗い部屋を青白く照らしていた。
ベッドの中。電気は落としたまま、外の街はすっかり眠りについている。
“今日はなんだか寂しい日”
それは元貴の投稿だった。
たった、それだけの投稿だったのに、
画面を見つめたまま、
若井は胸の奥がきゅっと締めつけられた。
元貴は──
また、思考の渦に呑まれている。
誰にも言えないまま、黙って沈んでいく、あの目。
元貴は、いつも何も言わない。
「さみしい」なんて、
元貴の口から聞ける機会はほとんどない。
SNSに投稿するなんて、なおさらだ。
──本当に、限界なのかもしれない。
「……っ」
そう思った瞬間、若井の心臓が跳ねた。
喉元に熱がこみ上げる。
思考より先に、体が動いていた。
俺は部屋の電気は点けないまま、
Tシャツの上にパーカーを羽織り、
目についたジーンズを掴んだ。
明日はスケジュールが詰まってる。
たしか・・・
元貴は朝から現場で、そのあとは打ち合わせもあるはずだ。
きっと、寝ないままじゃ、もたない。
迷惑かもしれない。
……でも。
どんな理屈よりも、
今、元貴のそばにいたいという気持ちのほうが、
ずっと、ずっと、強かった。
「ひとりにしたくない」
エレベーターを待つ間、若井は一人呟いた。
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コメント
22件
わぁぁぁぁもう大好き…… 絵画を聴きながら読むと読まないとで全然違いますね本当に…… 大森さんのたった一言の寂しいという呟きを見て、理屈なんかより大森さんのそばにいたいという気持ちを大事にしてすぐに向かう若井さんがもう本当に…… どこまでも、大森さんの体調や予定を誰よりも心配している優しい若井さんが大好き……
絵画を聴きながら読んで欲しい作品です。 by作者
うわぁ…また良さそうなのを…… ところどころ絵画の歌詞を感じる部分があったり、雰囲気もあの曲のような夜明けに近い夜に一人寂しくなっているようなそんな感じがします…! どうなっていくか楽しみです…!!