【attention】
・なぜノベルにしたのか分からないままノベルにしました(?)
・作者が多忙すぎてクリスマスの存在を忘れており、又ストーリーを書く時間が深夜にしかなく、クオリティを期待されてしまうと殺しますのでご了承ください
・26日もクリスマスみたいなものです。私の冬休みは5日間です。はい。深夜投稿失礼します。
・皆様、ご存知でしょうか。
…クリスマスっつーもんはカップルの為の行事じゃねえってことをよォ!!!!!!!!!!!
神代→🍷
煙管→🍪
琴葉→🍋
愛華→🍰
真陽→🥧
マスター(千歳 一)→🍸
【🍷視点】
バン!!
🍷「…っあー、もうっ!!」
突然カウンターに両手を叩きつけて怒鳴り散らかした成人&人生詰み済み酒クズ教主は
この私、神代である。
因みに気にしてはいないものの、
周囲の視線は鋭い。
母の葬式ほどではないが。
🍸「……」
はあ、こんな迷惑な客もいるっていうのに、黙々と氷を切り、お酒を作るだけのマスターはどんなメンタルをしているのだろうか(自分)。
本当に私が情けなくなりますね。
🍷「…マスター、同じものもう1つお願いします」
🍸「かしこまりました」
喉が焼けたように焦がれていてやけに体が熱いのは、アルコールの効果の他にも理由がある。
🍷「………っ」
それは、
今日がクリスマスだということだ。
ガタッ
🍷「なんで今日クリスマスなんですか!」
🍸「……」
まあそりゃなんも言えんよな。
25日は種族関係なく平等に来るものである。
普通に生きてさえいれば。
おかしいだろう。
周りを見渡すと男女で洒落腐ったブランデーなんてものを共通のグラスで飲んでいたり、
酔いつぶれた女性がもろ撓垂れ掛かるように男性の肩に身を委ねていたり、
今日プロポーズするつもりなのか男性がテーブルの隅に指輪ひとつ入っていそうな小さな箱を置いて女性の表情を見て幸せそうに笑っていたり。
なんだその高そうな指輪は。百均のプラスチック製の玩具の指輪と交換してやる。所詮お前らの愛の価値などそんなものだろう。
?「……お客様、こちら西洋風赤ワインのジュンベリーレインになります」
マスター貴方だけだ私の気持ちをわかってくださるのは。崇拝します(虚像の偶像
🍷「……マスター、今いいですか」
🍸「…? たった今注文なされたばかりでは…」
私は苦笑して首を横に振る。
🍷「違いますよ、少し話がしたいのです」
🍸「…なるほど」
マスターは深い藤色の瞳の奥に、
何かを察したような光を灯す。
🍸「ちょうどオーダーが落ち着いてきたところですので、お話ならゆっくりお聞きしますよ」
🍷「ありがとうございます…」
🍷「…私……、」
想い浮かべるだけでワインがよく火照る。
🍷「……好きな人がいまして」
【🍪視点】
🍰「琴葉!煙管さん!えへへ…
メリークリスマスですっ!」
🍋「メリクリ、2人とも!」
🍪「…………メリークルシミマス」
🍰🍋「いやどうした????」
私は無邪気にプレゼントを交換し合う二人を見て、溜息をつく。
🍪「……愛華様って、琴葉様のこと大好きですよね?」
私の酷く落ち込んだような問いかけに、彼女は綺麗な紫色の目をきらきらと輝かせて頷く。
🍰「当たり前じゃないですかぁ!✨」
🍋「あはは、いつもなら恥ずかしがるのに珍しいね、愛華」
🍰「なっ!?
は、はじゅ、はずかっ、恥ずかしがってないもん!!」
一瞬で真っ赤になって必死に弁解する愛華様と、そんな彼女の頭をぽんぽんするイケメン琴葉様。
あー、やっぱり愛し合ってる…!
🍪「なんで今日クリスマスなんですか!」
昨日が24日だったのだから当たり前である。
しかも昨日はクリスマスイブであり、本来ならクリスマスイブの夜に何か…
何かの進展を、と思っていたのだがタイミングが掴めずズルズルと引きずり、もう25日…
そう、
クリスマスの夕刻である。
🍋「……あ分かった!神代さんと喧k」
🍰「琴葉?????????」
🍋「スイマセン」
🍰「…煙管さん、仲直りした方がいいですよ?」
🍋「って、愛華も言ってるじゃんっ」
🍰「てへ」
🍪「喧嘩してませんってもうっ!!」
🍋「じゃあ何、ふられたの?」
🍪「ちがいますっ!!!!」
🍋「…え、じゃあ、大丈夫じゃ…」
🍪「怖いんですっ……!」
声が震える。
…あ。まずい。
🍰「……怖い…?」
🍋「そ、それ、どういうこと…」
…言ってしまった。
🍪「……忘れてください」
🍰🍋(いや無理なんだよなぁ…)
🍪「少し風にあたってきます」
🍰「…はぁ〜い」
🍋「風邪ひかないでね」
🍪「………」
【🍷視点】
🍷「誘ってくれないんですよ一回も!昨日から!ずっと!永遠に!」
🍸「永遠は嘘でしょう…」
🍷「ごもっとも!!!!」
ありったけ喚き散らかす。
🍸「といいますか…
お客様から誘おうという発想には至らなかったのですか」
🍷「え」
恋灼けた頬から血の気が引いていく。
🍷「なっななななん、なっなん、な、何のことでしょうか」
🍸「えぇ……?」
圧倒的に冷静沈着に受け答えたのだが、マスターはひそかに眉間に皺を寄せる。
心做しか「お前も誘ってねえじゃん」という目で見られているような気もする。
まあ気の所為だろうけれど。
🍷「………だって俺なんかが人を愛したら…
…っどうしよう、また…怒られる…」
アルコールが頻りに回り、酷く視界がぐらついて慌ててカウンターに手を突く。
どうやらハメを外しすぎたようだ。
気付けば傍らには乱暴に飲み干された空のグラスが転がっている。
手を突いて倒れそうになるのをこらえる。
自分が無様だった。
🍸「…お客様…、」
🍷「……はは、
いつもこうなんです、ご心配なさらず」
🍸「そうですね、
それに私が心配する必要は無さそうですから」
🍷「……え?」
カランカラン───
ドアベルと共に流れ込んできた冷たい風は、
それだけで私の酔いを少し冷ましていった…
【🥧視点】
🥧「………?」
ふと顔を上げると少し先に少女のような影が見えた。
🥧「あれは───」
神代の恋人の煙管様ではないか…?
🥧「……あの」
🍪「わわわわ私、怪しいものではっ」
🍪「……って、アヒルさんじゃないですか」
🥧「真陽です」
🍪「どうしたんですこんな聖なる夜に」
🥧「正式には聖なる夜は昨日です」
🍪「あひるさんは恋人いないんですか」
🥧「真陽です。…居ると思いました?」
🍪「いるわけねえ」
🥧「そろそろ怒りますよ」
無気力気味にすみません、と笑う煙管様は、
どこか思い悩んでいるようだった。
🥧「……何を悩んでいるかは知りませんが…」
と言いかけると煙管様は酷く驚いた顔をする。
予感的中か。
🥧「…………後悔はないように。では」
🍪「…!」
踵を返して俺は、
───また、歩き出した。
【🍷視点】
🍷「……!!」
🍪「…………神代」
煙管さんが、いた。
店内のジャズとお酒の香りにびっくりしたのか、
少々怖気づきながらも、そこに立っていた。
🍷「き……煙管さん!?」
🍪「……迎えに来た、よ」
🍷「ど、どうして…」
🍪「…馬鹿!」
🍷「え?」
🍪「クリスマスぐらいっ…
い、一緒にいさせてよ…!」
ガラス窓越しに外を見ると、
すっかり暗くなった空に雪が舞い散っていた。
雪の中…
急いで来てくれたのだろうか?
🍷「……ふふ、すみません」
🍪「さ、寂しかったんだからね!」
🍷「すみません、寂しい思いをさせてしまって…」
🍪「…な、さ、寂しくないし!」
🍷「え、今寂しいっt」
🍪「言ってない!!!」
私は席を立ってマスターに笑いかける。
マスターもごく小さく口元をほころばせて頷く。
🍷「マスター、
御会計…お願いします」
【🍪視点】
🍪「…。一緒にお酒飲みたかったのに」
🍷「今言われましても」
🍪「いいよ、帰ってから一緒に飲も?」
🍷「……そうですね、ちょうど香りが良い赤が開いてますし。
…ですが、煙管さん…その前に」
🍪「………?」
…あ。
私はそこで気付いた。
互いに目を伏せる。
…神代の口元からは芳醇な花のような香りがした。
それと同時にふわりと心地よい酩酊が共有される。
ん?待ってこれ普段の神代なら絶対やらn
………………
………
🍷「……なんで下向いてるんですか」
🍪「〜〜っ…恥ずかしいから!」
🍷「あら、可愛い」
🍪「…………うっせ、殺す」
🍪「……いい匂いした。…お酒から?」
🍷「もしかして、花の香りですか」
🍪「あ、そうそう、お花みたいな…」
🍷「…──『Pétales de lierre』という、
濃度高めのブランデーです。
直訳すると『アイビーの花びら』…」
🍪「……アイビー…?」
🍷「ああ、深く考えないでください、
私はどうせ花言葉にもカクテル言葉にも疎いですし」
🍪「そっか」
🍷「メリークリスマスです、煙管さん」
🍪「……メリークリスマス。神代」
銀白色の小雪には、
二人の咲け灼けた心ともども凍らせることは
到底できない───。
end.
コメント
2件
ノベルでこういうのマジ大好き 神代さんは行かんのか思ってたら言われました
深夜投稿にはなりませんでしたね 寝ました、5時に。睡眠とは