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第二話 miniature garden
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オリバー
「お前は」
「親がいないんだろ?」
階段の踊り場
なぜこの男に捕まってしまったのかわからない
逃げたい なんでこんなことに なんでどうして
その言葉が頭の中に連なる
次は何をされるのか
オリバー
「悪魔との戦争で死んだんだったんだな?」
オリバー、美しい金髪とそこによく映えるエメラルドの瞳
対してリアムは、黒髪に琥珀色の映えない瞳
リアム
「…だからなんだと言うんですか」
「まだ死体も見つかってない」
「亡命している可能性だって…」
オリバー
「…」
オリバーの眉がぴくりと反応する
オリバー
「…ははっ」
「まだそんなことを期待しているのか」
ガッ
リアム
「っ⁉︎」
オリバーの両手が、リアムの襟首を掴む
真後ろには階段
オリバー
「この寮学校は18になったら成人として追い出される」
“あァ、どうして”
オリバー
「二人で一緒に8年後まで」
“なぜ僕は”
オリバー
「遊び尽くそうな?」
“なぜこの男は”
ドンッ
リアムの体が宙に投げ出される
リアム
「ヒュッ」
喉奥から紙が擦れるような
乾いた息を飲む音が漏れる
“誰か”
“助けて”
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この箱庭は
理不尽と憔悴に満ちている