蟲縁の過去編
「母さん」
母『来ないで!』
だいたい母は俺のことを拒んだ、なぜかは知らない。
勝手に嫌ってるだけだと思ったし最初はなんも思わなかった。
毎回母はこの言葉をあたまえ家のように言う。
母『本当にキモイ』
僕はその言葉を覚えて育った。母は『女の癖に……男みたいな顔……本当にキモイ……』と侮辱する。
僕は女の子でだいたい勘違いされてるけど男みたいな顔をしているのは本当だった。
母『なんでこんな顔に生まれてきたの?』
母は男が対人恐怖症の対象だった、だから女が産まれてくるって言われた時は心底喜んだのだろう、でもやっぱり顔を見た瞬間絶望に落とされたのだろうか、俺の顔を見ただけでも吐き気がするような顔で拒む。
「……母さんは……俺の事どう思ってるんだろう……?」
僕は知らなかったんだ、きっと分かろうとしなかった、脳がそうさせた一種の防衛反応だと……
『はぁ……なんでこんな子を産んでしまったの……なんで……なんで……』
“なんで”と毎回呟く母に僕はどうも思わなかった、自分のことなのはちゃんとわかってる、自分がどんな姿なのかもわかってる。
だけど褒められることがどんだけ嬉しいのか頭を撫でられて感じる喜びを知らなかった。
なんで嬉しいのかも分からない。
だから頼もうと思った。
ダメだった。
叩かれた。
別にわかってたからなんも悲しくない。
時は過ぎて僕は高校生になった。
ある日母は首を吊って自殺していた。
なぜかはもうわかってる。
僕が醜い顔をしてるから。
遺書にはこう書き残してある。
________________________________________
あの子がなんで生まれてきたのかも分からない。
なんであんな子が生まれたの?
気色悪い、その言葉だけが思い浮かぶ。
本当になんで生まれてきたの?
私だけが苦しんで、なんで�����
�����こんなの�����じゃない。
あの子がいる生活なんてもう耐えられない。
バイバイ二度と私のところに来ないでね
________________________________________
最初はこの手紙を見てどうも思わなかった。
だけど時が過ぎていくうちにその手紙の意味がわかってきて
自分は産まれてくるべきだったのかも分からなくなってきて
存在意義
生きる意味
存在理由
何もかも分からなくなる
ありがとうなんて気持ちは無い。
産んでくれてありがとうなんて気持ちはこれっぽっちも無い
愛されてもないのにありがとうなんてどこのお人好しだ
「ほんとキモイ」
あーあ、だから言ったのに
じゃあね
����
蟲操術はスパイを蟲と捉え取り込める
蟲操術の強みは手数の多さ
今まで取り込んだのはざっと八千体
その取り込んだ蟲は異能力を使いその異能力はその取り込んだスパイの異能力と比例する。
胎内に取り込まれた蟲は完全に破壊されない限り再使用可能
この世界にとって蟲操術はレアな部類
他には傘化家相伝の月傑操術、照光操術
水玉家相伝水玉操術
火属性・氷属性のバグのような存在であり突然一般家庭に現れた氷燃操術
氷燃操術は氷と炎に別れており、氷は
氷織呪法
炎は
火燃呪法
変崎家相伝宝恵呪法
突如悪咲家に現れた煙呪法、森羅呪法
煙呪法は煙を操る、それだけじゃない煙呪法はその解釈の広さが重要
森羅呪法は植物自体を操る、その範囲の広さ、解釈の広さにより攻撃方法が豊富
異能力はその個人のひとつの能力に過ぎない、異能力の使い方によって異能力は進化する。
氷燃操術はその中でもバグだ
氷燃操術の逸話
________________________________________
それはある神々の話
氷の神それはペルセポネー
炎の神イフリート
このふたりが混ざりあってその炎と氷がお互いの存在を否定しあってそのまま混ざりあったんだ
その際にできた異能力は絶対溶けない氷と絶対消えない炎
それは氷燃呪法
幻の神異能力
________________________________________
僕は特別だ
大丈夫
僕は
殲滅部隊っていうのができて俺は少し興味を持った
入ってみたいとは思わない。
まだ二十歳だし、どうせなら人生エンジョイしたい。
だけどスパイをいっぱい取り込めて手数が多くなるなら結構こちらにとって有意義。
好き勝手殺されるよりかは抵抗した方がいいよな
まぁいい……外にでも散歩に行こう。
……
なんかいるな
誰かは知らないが……
……
霊気があるが……そこまで強くないか?
はーあ……キモ
化け物〘あ?ガキか〙
「あんまり騒ぎを起こさないで欲しいな」
まぁ聞かないとは思うが……
「あのねぇ、スパイは憑从影と区別するために使われてる名であって、君らは憑从影とはほぼ同じ種類だよ」
化け物〘調子に乗るなよガキが〙
「おー怖」
「スパイを取り込む異能力それが蟲操術さ」
化け物〘がっガガガガききききききがかが〙
シュルルルルルル
「はい、終わり」
「もう大丈夫ですよニコッ」
一般人〖あ、ありがとうございます!〗
一般人〖あなたは命の恩人だ!〗
「いえいえ」
一般人〖本当にありがとうございます!〗
「貴方たちが無事で良かったです」
「それでは」
¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯✂️
蝶霞 蟲縁様
あなたは殲滅部隊に任命されました。
貴方には異能力の才能があります。
ぜひ殲滅部隊に入ってください。
殲滅部隊より
¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯✂️
「すげー素直」
だけど興味あるんだよな〜……
入ってみるか〜?
¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯✂️
殲滅部隊〈ここが殲滅部隊本部になります〉
「うん」
殲滅部隊〈これからよろしくお願いします〉
「うん……」
あまり説明されてもなんかすごい道入り組んでるし……
方向音痴なんだけど……
ぼくは家に帰ってしばらくクローゼットを開けて調べた。
そしたら見慣れない服が出てきた
恐竜か……?しかも大人サイズ……
母はこんな服きていなかったし……
父はいない……母は結婚していない
自分がどんな風に産まれてきたのかはもうわかってる。
でももしもその行為が……母が無理やりさせられてたのなら……俺は母を責めれないかもしれない。
……
手紙?
なんだ?
¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯✂️
愛する我が子へ
この服を見つけたら来てくれたら嬉しいな
貴方が立派な大人になって人をいっぱい助けたら私はプレゼントをあげたい
どんなプレゼントがいいのか聞いてあげて沢山買ってあげるからね
あなたのおかげできっと私は幸せをしれたんだと思う。
ありがとう。
¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯¯✂️
……
なんも幸せをしれてないじ
ゃないか
「何一つ教えてくれなかった癖に……」
母は学生の時に孕んだ。
周りに相談できる相手が居なかったのだろう。
俺の名前の由来はもう聞いた。
『幸せとは無縁な子、愛情とは無縁な子、あとは……』
「愛してくれなかった癖に……」
せっかくだから着ちゃおう
他に服がない。
ある日黒髪の人に出会った。
???「君新しく入った……蝶霞くん?」
「すごい綺麗な名前だね!」
蟲縁「え……あ……うん……」
この名前が一度もいいとは思わなかった
だけどこの人はそんなことを淡々と言ってくれた。
???「僕は悪咲 異薔薇!」
「よろしくね蝶霞くん!」
蟲縁「……」
「別に……下の名前でもいいけど……」
異薔薇「え?」
「君その名前嫌じゃないの?」
蟲縁「え?」
異薔薇「あっ!ごめん……最初戸惑ってたから……嫌なのかなって……」
なんでそんな些細な行動でわかるんだ……
だけど……
蟲縁「別にいいよ」
「まぁ……君に関係ある人達だけだけど……」
異薔薇「よろしくね!蟲縁くん!」
蟲縁「君付けやめて」
ユウマ「おはようございま……っ!?」
異薔薇「いだだだだだだ!」
蟲縁「はーい、いーち、にーい」
異薔薇「イッでぇぇえええ!」
蟲縁「あ……おはよ」
異薔薇「ちょっ!ユウマくん見てないで……っ!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…ッ」
ユウマ「何してるんですか……?」
蟲縁「ストレッチ」
異薔薇「ォ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ汗」
ユウマ「拷問か?……」
コメント
2件
リクエスト受けたわりました!異薔薇くん絶対喜んでますね!多分壊瑠くんがびっくりして楽器出してる(?) コメントありがとうございました!
そんなに文考えれるのすごい…尊敬でしかない…ほんと毎回神ってる…次も楽しみにしてます!あとリクエストなんですけど異薔薇×ナギさんとかできますか?ハルナギ系でいうと異薔薇攻めナギさん受け的な感じで。異薔薇さんって確かナギさんより身長高かったからそんなえっっとはいきませんけどまあできたら異薔薇×ナギさんやって欲しいです!よろしくお願いします!次も楽しみにしてますね!