下に行ってみると…
クルルたちは仰天した。
「この子は私の子でしょ?!」
「違うわ!私の子よ!」
「いいやワタクシの子でざます!」
女同士が掴み合っているではありませんか。
クルルがグルの背中をぶっ叩くと
グルは「ハッハッハ」と笑った。
「やっぱこうなるか。女は怖いな(笑)」
「女は怖いな(笑)じゃないですよ!
知っててやったんですか?!」
クルルが頬を膨らませて言う。
それにグルは笑いながら言った。
「そうさ。何方にせよ後はどうにかなるし
俺等はもう帰るぞ。ぜーんぶ終わった。」
「だからハブ毒も要らん。
キッチンで倒れてるサーフィー運んで帰るぞ。」
「?!」
クルルがキッチンを見てみると
ボコボコにされたサーフィーが居た。
多分だが女喧嘩に巻き込まれたのだろう…。
仕方なくクルルとグルで持ち上げて
その場をサーッと車で逃走した。
男はその後どうなったのかは分からない。
もしかするとボッコボッコのグチャグチャに
されているのかもしれないし
されていないのかもしれない。
だが言える真実は「女ほど怖いものはない」
ということだろうか。恐らくサーフィーも
それを体感したのであろう。
「よし。やっと着いた。」
グルが息を吐き
車を停めると自分の店に入っていった。
「疲れたぁー…ってメール送られてますよ。」
椅子に座りパソコンを開くと
一通のメールが送られていた。
【 … … … … … … 】
初めの一文は空白。
どんどん下へ行くと一言書かれていた。
【差別についてどう思われますか?】
差別について…と聞かれたとき
クルルがうつ向いた。
「…」
グルはそれに反応したかのように
パソコンのキーボードに指を重ねる。
パチパチパチ…静かな店内に音が響いた。
文章を確認して送信すると
しばらく返事を待った。
5分ほど経って返信が来る。
【分かりました。今、空いてますでしょうか?】
【はい。空いてますよ。】
【そうですか。今から行きます。】
【ご来店待っています。】
グルが送信していると
サーフィーが起き上がった。
「ごめんなさぁぁい?!」
「…って…ここ、何処?」
サーフィーがキョロキョロと周囲を見回す。
そして、理解したかのように安心のため息をついた。
「散々だよ。カメラで打たれた。」
「あの女、殺す気だ!」
グチグチ文句を言いながら
近くの薬箱から薬を取り出し、顔に塗っていた。
「サーフィー、怪我してること悪いが
依頼受けてくれないか?クルルと一緒に。」
「…え?いいけど。」
サーフィーがポカンとした顔で答えると
グルがパソコンをサーフィーに預け、
店を出ていった。






