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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222
路郎「雲雪様。部屋の外で何をしていらっしゃるのですか?」
祓い屋に電話したあと、あの別館を調べようと考えた快晴。その時、御札の部屋から旅館のオーナーである路郎が出てきて、快晴に歩み寄る。
快晴「音奈ちゃんは?」
路郎「安心したようで、眠りました」
快晴「そうですか。あの、オーナーさん」
路郎「はい?」
快晴「さっき、ハラマタ屋に電話したんですが、呪いは無かったって聞きました」
路郎「ッ!?またご冗談を…!!私共は、どれだけ呪いを見てきたと…!!」
今までずっと温厚だった路郎が、怒りの表情をして今この場所にいないハラマタ屋に怒りの言葉を吐いていた。
路郎「影野様の手首についたアレは…!父親の呪いじゃないなら何だと言うんです…!?」
快晴「僕、明日別館に行っても良いですか?」
路郎「おやめ下さい!影野様と同じように呪われてしまいますよ!」
快晴「この旅館は女の子しか呪わないんでしょ?僕は男ですし、フウちゃんって言う盾がありますんで問題ありません」
路郎「……わかりました。何かあれば私に連絡をお願いします。お客様に何かあれば、責任問題になりますので」
快晴「すみません、ありがとうございます」
快晴は路郎に自分の連絡先を教えた。路郎も快晴に連絡先を教える。
快晴「お祓い屋の人が言うには、誰かが呪いに見せているらしいんです。僕とフウちゃんは明日、それを調べようと思います」
路郎「わかりました。お昼なら明るいので、まだ家の中が見えると思います。ですが、床や壁はボロボロですので、くれぐれも怪我をしないように」
快晴「はい」
路郎の心配を含ませる言葉に快晴は淡々と返事をした。その頃には二人のアドレス交換を終えて、オーナー室へ入って行った。
~~~~
真夜中の時間。
皆が寝静まった中、一人で別館に向かう人物がいた。白いカーディガン、インナーにベージュのTシャツを着ている女子高生の音奈。
音奈はスマホの懐中電灯を頼りに、暗闇にある別館へと足を運んでいた。
音奈「(ここに、呪いが解ける方法が…)」
音奈の右手に持っている手紙には、『別館にて、呪いを解く方法がある。和水始』と書かれていた。
音奈「(和水始…って、確かオーナーさんのお父さんだったよね。オーナーさんが悩んでいる呪いの原因の…)」
音奈はそこまで考えを巡らせながら自ら別館に入ると、そのまま中に入っていった。音奈を「逃がさない」とでも言うように、別館の扉の鍵の閉まる音が、闇夜の空に響き渡った。
~~~~
路郎「雲雪様!轟雷様!起きてください!影野様のお姿が何処にも…!!」
朝。快晴と風太の部屋に慌ただしく入ってきたのは、ナゴミヤ旅館オーナーの路郎。
快晴と風太は寝起きが良い方なので、路郎の言っている事は直ぐに理解できた。
風太「音奈が行方不明!?」
快晴「なんで?昨日まで一緒におったよな?」
路郎「はい…。昨日はあのまま御札室で寝かせたハズなのですが…どうして?」
冷や汗をかいて心配そうな表情をする路郎。そんな路郎を見て、快晴と風太は「流石にヤバい状況」と感じて冷や汗をかく。
快晴「取り敢えず、御札室に入っても?」
路郎「はい」
快晴は借りている部屋から出て御札室へと向かった。風太と路郎も快晴に続いて御札室へ向かった。
~~~~
御札室。
御札室に入ると、昨晩呪いを受けてここで眠っていたハズの音奈の姿が無かった。
快晴「音奈ちゃん!」
快晴は少し声をあげてこの部屋の中にいる筈の音奈を探すが、何処にも居なかった。
風太「何処行ってんホンマ…!!」
路郎「館内を探しましょう」
風太「俺他の奴ら起こしてくるわ!!」
路郎「お願いします」
風太は志土の部屋から向かった。
風太「おい志土!!音奈がおらんようなった!!一緒に探してくれ!!」
風太がドンドンと扉を叩くが、扉の中は無反応だった。
風太「志土!?まさかアイツまでおらんようなったんちゃうやろうな!?」
音奈が行方不明になっているので、志土も行方不明になったと思った風太は、また扉をこじ開けようとした。
志土「おいドア壊すな!!」
志土がやって来たのは下の階段から。
風太「起きとったんかお前!?」
志土「ああ。医療室に行ってた。スゲェ慌ててるけどどうした?」
風太「音奈おらへんねん!!」
志土「音奈…影野か?え!?」
聞いた事のある名前を名字変換してから驚いた志土。
志土「俺も探す!!」
風太「おん頼むわ!!(最初路郎さんにイチャモンつけてた奴とは思えんわホンマ…)」
志土は慌てたようにそう言うと、風太はキリッとした顔から懐かしいような顔をしていた。
美虹「風太君!どうしたの?」
一階の風呂場がある廊下の方から、快晴の職場の先輩の美虹が歩いて来た。
風太「美虹先輩!!音奈がどっこもおらへんねん!!」
美虹「え!?嘘でしょ!?」
美虹は驚いた顔をしてから心配そうな面持ちになる。
美虹「私も探すわ!!」
風太「お願いします!!あとは莉來!!」
風太は莉來の部屋に行って、ドンドン扉を叩いた。だが、中から莉來の返事はなかった。
風太「おい莉來!!まさかアイツも行方不明!?」
美虹「昨日オーナー室で寝てたわよ!!オーナー室も見てって!!」
風太「わかった!!」
風太が莉來の部屋の扉を叩いていたのを見た美虹が、冷や汗をかき慌ただしくそう言うと、風太は素直に返事をしてオーナー室へ向かった。
オーナー室の扉をノックしてから開けると、路郎が使っているベットの上に莉來がいた。
莉來「どうしたの?」
風太「音奈がどっこもおらへん!!」
莉來「え!?探しに…ッ!痛ッ!!」
音奈が行方不明と聞いて、莉來は立ち上がろうとしたが、昨晩別館で捻挫した足に響いて立てそうに無かった。
風太「大丈夫か!?」
莉來「立てないから探して来て!!」
風太「おう!!わかった!!」
風太はオーナー室から出て、バタバタとこの場所から去り、音奈を探した。