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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
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ねむ
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音奈が消えたと風太からの伝言で館内にいる人達に伝わり、足を捻挫している莉來以外は彼女の捜索に向かっていた。
美虹「トイレと風呂場にはいないわ!」
快晴「トイレとお風呂場いけたんスか?」
美虹「いや流石に個室の外から音奈ちゃん呼んだけど!!」
冷や汗をかき必死の形相で両手を前に出してそう言う美虹。そんな美虹を快晴はジッと見ていた。
快晴「……。まぁええか、緊急時やし。僕も音奈ちゃんが借りてる部屋と、御札部屋行ったけど居ませんでした」
風太「お前ソレ探しとるついでに何か調べたやろ?」
快晴「ちゃんと探してから調査したから」
風太「他探せや!!俺は一階から屋上まで全部探した!!」
快晴「お前それ各階行ってそのデッカイ声で音奈ちゃん呼んだだけやろ。ちゃんと探せやアホ」
路郎「私は、関係者しか入れない場所を探しましたが何処にも…」
志土「俺も路郎と一緒に探したけど居なかった」
美虹「どうして一緒に?」
志土「関係者以外立ち入り禁止区域部屋が一番居そうな場所だと思ったからだ」
路郎「そう思われても仕方があませんね。私が羽渡様の立場ならそう言います」
志土「まァ、結局スタッフしか入れねェ部屋にはいなかったがな」
路郎「はい。私に疑いがかかると言っても、まだそこに居てくれた方が良かったですよ。本当に何処に行ってしまわれたんでしょう影野様…」
快晴「羽渡君って、案外頭良い?」
志土「んな訳ねェよ」
快晴「フウちゃんより頭ええのは確かやで」
風太「せやからわざわざ俺を出すな!!」
快晴「オーナーさん、別館を探したいのですが良いでしょうか?」
路郎「はい。朝なら足場が見えやすいので大丈夫だとは思いますが、何かあれば連絡を…。貴方まで消えられたら…」
快晴「僕は男ですから問題ありません。それより、誰か音奈ちゃんから連絡着ましたか?」
志土「アド交換してねェ」
美虹「私は着ていない」
風太「俺もだ!!」
路郎「私も…」
快晴「わかりました。僕とフウちゃんが別館に行っている時に、音奈ちゃんから連絡着た又は帰ってきたら電話ください」
路郎「はい!」
美虹「ええ!」
風太「おい!アッサリ俺入れよった!!」
美虹「緊急よフウちゃん!頑張って!」
風太「別嬪さんから応援!?頑張れるわ!!」
幽霊や呪いの類いが苦手な風太。路郎の父親の呪いがある別館に行くのは恐怖を感じたが、美虹の美しい笑みを見て俄然やる気になり、恐怖心も何処か吹き飛んでしまった。
志土「俺ァ風太に連絡する」
風太「おん!!頼んだで志土!!」
快晴「フウちゃん行くで」
風太「おん!」
路郎「風太君!私の連絡先教えます!何かあったら呼んでください!」
風太「おん!!ありがとうな!!」
路郎「別館の鍵は別館内にありますので、鍵があれば好きなだけ使ってください」
快晴「はい」
路郎の言葉を聞いて、快晴は静かに返事をしてから別館へと向かった。
~~~~
快晴と風太が別館に行くと、不気味な雰囲気を晒しながら佇んでいた。
風太「アカン、怖なって来た……」
快晴「フウちゃんのその恐怖心はどこから来とん?」
風太「いやなんでお前怖ないねん?」
昨夜の別館で、音奈の手首に黒い手形の呪いの件があったせいか、ナゴミヤ旅館とは違う雰囲気をしているように見える別館。そんな別館を前に恐怖心を抱く風太。
恐怖心が出てくるのがわからない快晴は、そんな風太を呆れた顔で見て淡々と質問をした。だが返答したのは、顔を青くして快晴を化け物を見るみたいに見返していくる風太の目だった。
風太「ああああ怖い怖い!!」
快晴「音奈ちゃんがどうなっても?」
風太「良ぉあるかいアホォ!!」
風太は別館から醸し出される恐怖と戦いながら、別館の扉を開けた。
快晴「男らしいでフウちゃん」
人の為なら恐怖を克服しようとしている風太の姿勢を見て、快晴は口元を緩ませて風太を褒めた。
風太「快晴お化けおらへん!?中おらへん!?」
快晴「今ここに立ってる所から見渡せる限りはおらん」
扉を開けた風太だが、半泣きになりながら扉の向こうに幽霊がいないかどうかを快晴に聞いていた。快晴はごく素直に応えると、二人は別館の中へ入って行った。
~~~~
別館の中はナゴミヤ旅館と違い、随分ボロボロだった。
快晴「床が抜けとる…」
風太「ホンマやな…。てか、路郎さんが小さい頃にここに住んどったってガチで信じられへんわ」
快晴「何年間も手ェ付けへんかったら家って直ぐに汚ななるよなー」
風太「掃除大事や思うやろ?」
快晴「それはホンマに思わへん」
風太「なんでやねん!?てか、お前今年の年末こそちゃんと掃除せぇよ!?タダでさえ週一で掃除せぇへんのによ!!」
快晴「オカンかお前」
厳つい顔して割とこまめに掃除をしている風太と、細身で陰キャのオタクそうな風貌の快晴。外見を見ると快晴の方がこまめに掃除をしているように見えるが、どうやら風太の方がこまめに掃除をするタイプのようだった。
快晴と風太は別館の中に入り、音奈の名前を呼びながら彼女を探していた。