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僕らは双子だった、でもね。弟は何故か体が弱かった。原因不明の病…呪いかと思うまでその病は酷かった。最初は喘息かと思われたが。喘息とも違うらしい。僕らは二人で独りなのだ。前の両親はどうやら僕らが要らなかったらしい。どちらの能力も受け継がなかったからだ。そもそも、弟に能力なんか継がせられない。僕はまだ希望があったが。弟を守るために共に家を出た。
新たな母は僕らを受け入れてくれた。とても幸せだった。しかし、弟の病気はますます悪くなる一方だった。
「レイ!見てみて!あそこ!虹が出てるよ!」
虹を見せようと、湿気の多い茂みまで来た。弟はゆっくり歩いてくるが。僕が走ったからか、弟も走ろうとする。
「レミィ…まっ…ゲホッゴッホ」
と、息を切らし咳をしながら来ていた。僕はカバンから吸入器を出して弟の口元に付ける。
「これ、吸って」
と言うと、弟は吸っていた。でも泣いているせいでうまく吸えていない。「ごめんなさいごめんなさい」と言い続ける弟を僕はどこか鬱陶しく思っていたが。守ると決めたからには。この子が一人で生きれるまで守ると決めた。
「もしもし、ママ?レイが…うん、吸った」
携帯を出すまでは早かった。いつもの事だもう慣れてしまった自分が怖く感じている。電話をしていると帰ってこいと言われた。母はそこから早かった。帰った頃には既に準備が整っていた。あとは弟を見守るだけだ。母は僕の頭を優しく撫でてくれた。