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「ごめんね…体弱くて…」
と、ベッドで寝転んでぬいぐるみを抱いているレイが言う。僕は夢に見たことを言う。いつも思っていた、レイを助けるにはこれしかない。と思っていたが今の母を捨てるのが怖かった。
「異種族だったらいいのにね、僕らが」
と言葉に発した時。レイは微笑んで、そうだね。と返してくれた。
「僕ら能力ないからさ、前のママに捨てられたけど」
「僕らが異種族で、能力者だったら」
「レイもこんなにゴホンゴホンしなくて済んだのかなって」
と続けると、レイは優しく僕の名前を呼んでくれた。
「それか医者になれたらなぁ…」
「まぁ、今は能力社会、無理だろうね」
と言うと。レイは今度は力強く
「なれるよ!レミィなら!ゲッホ」
と咳き込みしながらも言ってくれて、僕は素直に感謝した。しかし、今度はレイの声が聞こえない。寝てしまったのだろうか?レイの名前を呼びながら振り返ると。レイは息をしていなかった。
そして急に目の前に女が現れた。
「弟を助けたい???」
悪魔の姿だった。でも悪魔でもなんでもいい!弟を助けられるなら!レイを助けられるなら!僕は悪魔になってもいいと思った。
「なら着いておいで、私がその子起こしてあげる」
と言って僕の手を引いた。 「ほんと?」と問いかけると。この悪魔は子供じみたように「うん」と返した
「ようこそ、邪神の世界へ」
と共に、弟と僕はこの世界から消えた。
次に目を開けると、もうそこは異世界だった。