テラーノベル
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夢みたいね。
昨日まで、死ぬかと思うぐらい仕事してたのに。
今は…変な屋敷に居るんだから。
ベリアンさん…という人からここの世界の状況等を聞いた。
世界は今、天使という存在に滅ぼされかけている。
その天使をぶっころ……間違えたわ。
抹殺するのが、悪魔執事らしい。
悪魔執事達の本業は、天使を抹殺することだが、ほとんどは貴族の依頼を解決する…所謂便利屋のような扱いらしい。
こんっっなイケメン達を仕事させるなんてどんな神経してんだ……間違えたわ。
どんな神経してるのかしら…今すぐ見つけて潰してあげたいわ。
あと…アタシがはめてるこの金の指輪…どうやら外すと、現実世界に戻るらしい。
いや、ぜっっっったい戻らないわよ。
あんなアタシだけ不遇世界一生戻んないっ!
『へー、なるほどね…色々教えてくれてありがとねベリアンさん』
ちなみに…ベリアンさんの年齢は、29歳。
アタシは、24歳。
完全に敬語使わなきゃいけない相手なのに…何故か敬語を使うと
「私に敬称は不要ですよ」
と、 言って微笑む。
…………何よその笑顔。
可愛いじゃない。
色々説明を受けていた時、ガチャとドアが開く音がした。
「おや、主様かな?」
コツコツと、靴音を鳴らして近づく。
「ルカスさん…えぇ、主様ですよ。」
へぇ〜。と納得した声で言ったあと、アタシの方に顔を向けた。
「こんにちは主様。私は、ルカス・トンプシーと申します」
ねっとりした優しい声で話すルカス。
『ルカスって言うのね。アタシは藤野春よ』
「…主様はもしかしてオネエさんなのかな?」
『あらぁん!わかるぅ?そうなのよ!』
初めてオネエを分かってくれそうな人と出会えて、飛び上がるくらい嬉しい。
「ふふ…可愛いね主様」
急にそう言われドキッとしてしまう。
「ルカスさん?」
「あぁ…つい、本音が漏れてしまってね」
ごめんね。と謝ってくれるが…正直言って、嬉しかった。
『…う、うれし、かったわよ…ありがと。ルカス』
言葉にするのは、正直照れる。
けれど、それ以上に…嬉しい、わね。
「おやおや…」
「ふふ…可愛らしいですね主様」
二人に笑顔で見つめられて、ふと思った。
アタシ…褒められたいのね!と。
昔、興味本位で近づいてきた女の子と付き合っていた時があった。
その時は、年下のその女の子をべた褒めしていたが…今は、すっごい褒められたい!
何よこの気持ち…。
「主様…?どうかいたしましたか?」
優しい声で、問いかけるベリアン。
…そうよね。
出会ったばかりだもの…こんなこと言えないわ。
『ふふ、何でもないわよ』
初めて、微笑んだ気がする。
その時、うわぁぁぁぁ!!!と叫ぶ声が聞こえた。
と、思ったら、ドアが開き誰かが入ってきた。
「やべぇっ!ハウレスに見つかっちまう…」
「ハウレスさんだ。ロノ」
「うげぇっ!?ハウレス!?」
執事二人が入って来た。
「こらこら…ロノ君ハウレス君…主様の前ですよ」
そう言うと、二人はすぐアタシの方を見て、謝罪してきた。
『い、いやいや…いいのよアタシに謝らなくても…』
二人とも…ほんとうに良い顔立ち。
アタシよりね。
「あ、俺はハウレス・クリフォードですよろしくお願いしますね」
「俺はロノ・フォンティーヌって言います!」
冷静なハウレスとは、対象的に元気なロノ。
見ているだけで…後輩ちゃんと同期の子の絡み思い出すわ。
何だか微笑ましい。
『アタシは藤野春よ。よろしく。ハウレス、ロノ』
「春様ですね!よろしくお願いします!」
『様は付けなくていいんだけど……ふふ、まぁいいわ』
出会ったばっかなのに…こんなに優しくしてくれるなんて…。
どうしてなのよ……。
その時、大きな音が耳に響いた。
『っ、何っ!?』
警報が止むと、周りの雰囲気が一気に変わる。
何かただ事じゃないことを察した。
「主様…突然ですが……主様のお力を貸していただけませんか?」
桜色の瞳を細めて、アタシを見つめる。
そんな目で見つめられちゃったら…どんな頼み事でも、受けちゃうわよ…おばか。
『いいわよ…天使狩りとか言うやつね分かったわ』
コメント
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やばいマジでギャリーで脳内再生されてしまう!!! 偏見かもだけどオネエって全員顔立ち良いって思ってるんだけど
見たわようん感想は、ギャリーみたいなオネエだぁわぁ(?)と思っただけよ