テラーノベル
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屋敷を出て、裏山に行った。
アタシの目の前に現れたのは、白く輝くこの世の者と思えないモノ。
『フルーレ、どうするのかしら?』
一緒に天使狩りに来ているのは、フルーレ・ガレシアという執事。
「まず…こちらの本を持っていただけませんか?」
手に持ってみると、ずっしりと感じる重い本。
「その本を開いて…文字がありますよね?それをなぞってください」
日本語ではない文字が綴られていた。
『はーい。なぞったわよ』
「言葉が浮かび上がってくるはずなので…読み上げてみてください」
これも日本語じゃないが、何故か読めた。
いや、アタシの脳どうなってるのよ。
さっきのは読めなくて何でこっちは読めるのよ。おかしいじゃない。
…まぁ、そんな事に首突っ込んでたらめんどくさいわ。
今はとにかく、この邪魔な虫さんを殺らないと。
『来たれ闇の盟友よ、我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約によりフルーレの力を解放しなさいっ!』
その後フルーレは、天使を素早くころし……殺ったわ♡
もう…アタシの方がなんかすごい力解放して天使殺すかと思ったのに。
アタシも鍛えたらフルーレ守れるかしら…?
『フルーレ。お疲れ様。疲れたでしょ?アタシがよしよししてあげる』
「あ、主様…恥ずかしいですよ…」
何だか後輩ちゃんが頑張ってるみたいで、アタシ…見てるだけじゃ足んないから。
こうして…なでなですることにした。
え?褒められるの好きってさっき言ってたじゃんって?
そ、それとこれとは話が違うわよん!
やっぱりちょっとは年上さを出したいじゃない?
それに…たまに褒めたいのよ。人を。
『フルーレ〜!かっこよかったわよん!アタシときめいちゃうとこだったわ〜』
「あ、ありがとう…ございます?」
うん。後輩ちゃんね。
反応も…表情も似てる。
可愛…あら、これは禁句禁句。
ふと、上を見あげると何か落ちてくるのが見えた。
『ん?フルーレ、 何か落ちてきてるわ』
小さくてよく見えない。
「見に行ってみましょうか主様」
気になるので、仕方なく撫でるのをやめて箱が落ちているところに行った。
『あら、箱ね〜』
「箱ですね」
開けていいのかしら。
天使とか入ってない?
『ねぇフルーレ。開けていいかしら』
少し、不安そうな目をしているフルーレ。
『大丈夫よ!アタシが開けるわ!』
「いやいやいや!俺が開けます!」
…最後までアタシ何にもしてない…。
悲しいわ〜。
「あ、開けますよ…」
ガチャと箱が空く音がし、蓋を開けると、そこにいたのは……。
『あらぁん!猫ちゃんだわ〜!』
もふもふしてる可愛い黒猫ちゃんがいた。
「んん、?あれ…ここはどこですか…?」
眠そうな目でアタシ達を見つめる。
『あら。起きた?おいで〜…ふふ、すっごいもふもふ〜 』
もふもふなその物体を抱きしめる。
「え、えっと…とりあえず屋敷に連れて帰りましょうか」
『ふふ、そうねまずご飯よご飯〜!』
ついさっきまで、天使がいたとは思わないほど、綺麗な背景。
ザッと、一歩を踏み出して、そこを後にした。
「このささみ美味しいです〜!」
『ふふ、まだまだあるからお食べ〜ムーちゃん』
ベリアンに、この猫ちゃん…ムーちゃんを飼いたいと言ったらすぐ了承してくれた。
『ありがとね。ベリアン。こんなアタシのわがまま叶えてもらっちゃって』
何だか急に申し訳なく思えてきた。
「いえいえ、主様が嬉しいのであれば…私も嬉しいです」
にこ。と控えめに微笑む。
『…だーかーら!アンタ可愛すぎなのよ!』
つい、本音が大決壊。
もちろん理性で「だめ!だめよ!」って止めようとしたわ。
でも無理なの。
ベリアンが可愛すぎて。
「あ、主様…?な、何故、私の頭を撫でるのですか…?」
あぁ…照れ顔可愛いわ…。
おくす……やめなさい。
抑えるのよアタシ。なでなでだけで。
『……あぁ〜ん!もうダメっ!抱きしめちゃうわ〜!』
これが29歳?ありえない。
「あ、主様っ…!」
『ん……あら、やだん!?大丈夫?ベリアン。急に抱きしめちゃってごめんなさいね』
よしよし。とまた頭を撫でる。
こんな最初から関係発展していいかしら…?
と思いながら抑えられない。
あぁ…ダメね抑える練習しないと。
そう考えてると、急にベリアンの方から抱きしめてきた。
『っ…あら?どうしたの?ベリアン』
そんな事されたらドキドキしちゃうわ〜。とか冗談言ってると
「ありがとうございます。主様…ふふ、今度は私の番ですね」
そう言って、アタシの頭を一定のテンポで撫でてくれる。
おまけに、先程の天使狩りを労る気持ちなのか、よーしよーし。とかご無事で何よりです。とか…わざとじゃないと思うけど、耳元で話してるせいで吐息が耳に当たっちゃう。
…っ、やだ…ほんとに、 冗談じゃなくなったじゃない。
ふと、ムーちゃんの方を見ると、前足でお目目隠してた。けれど、時折ちらっと見てくる。
……乙女ねムーちゃん。
そうしていると、あっという間に夜になった。
『そろそろ寝る時間ねぇほらムーちゃんおいで〜』
「主様〜!」
元気にアタシの胸に飛びついてくる。
『一緒におねんねしましょうね〜』
今日は、それで終わった。
ムーちゃん抱っこしてると…安眠できるわ。
「おやすみなさいませ主様!」
『えぇおやすみ』
コメント
16件
フルーレ出てうれしい
オネエが理想のオネエしてて最高すぎる 乙女ムーちゃん可愛い