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2 - 第2話 橙色に染まって

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2025年09月03日

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・照月

・学園もの



「魅上〜、お前、今日の掃除当番代わってくんね?w」

3のB教室で、普段か行の悪い男子生徒グループに絡まれ構えていたが、掃除当番を代われだって?


こいつら、よく気が弱い生徒や真面目なやつをターゲットに掃除当番を押し付けている。そして普段の学校生活でも態度が悪い。

きっと、私も断れないであろうとでも思ったのだろうか。でも、こういう奴にはハッキリ言ったほうがいい


「お前ら

「いや、僕がやるよ」


え?


気づくと、そこには夜神月がいた。


「用事があるんだろう?掃除なんて15分程度で終わるさ。僕がやるよ。」

不良たちは予想外の展開にぽかんとしたが

「あ…ああ。じゃ、じゃあwよろしくな」

なんで急にこんなことを?


「僕は掃除しとくから、魅上は行って大丈夫だよ。」

ハッとしてみると、すでにロッカーから道具を出し始めている。

さすがに彼ひとりに掃除を任せるわけにはいかず、私もやると言うと「ああ、ありがとうな」と返された。



夕日に照らされた静かな教室。

私は気まずい沈黙に耐えきれなくなって気になっていることを問う。

「えっと…なんで掃除当番を受けおろうと?」

恐る恐る聞くと、彼は「ああ」と振り向いて微笑む。

「ああいうのに絡まれて断ったりすると、何されるかわからないだろう?魅上が心配だったのだよ」


心配?嘘だ。

「夜神君の観察力から見ても私はそこまで弱いと?」


彼の読み取れない言葉に、目が鋭くなる。


私は、常に被害者を守る立場にいた。

たとえ加害者に攻撃されようと、悪は見逃せない。

彼の要領の良さは、その観察力から来ているのだろうと思うほどだというのだから、私の意思も感じているはずだ。彼はいつも、話さなくても観察はしていると見れた。

「ハハッ、別にただ心配なだけだよ。」

そう言うと少し黙り込む。


「……やっぱり魅上は優秀だな。」

そして表情を緩めた。


その顔に、私は驚いてしまった。

彼がいつも笑うときの表情ではなく、気を許したような、穏やかな顔だった。もしかして、これが素の彼なのだろうか。


「じゃ、じゃあ本当の理由は…?」

「…あの時、ひとりで当番をうけおったら、お前は正義感が強いし、見過ごせなくなると思って、な。」

夜神月は、窓の外に目を向ける。

「……そうしたら…また話せるかと思ってな。」

意外な返答に目を見開く「だってお前」


「最近僕のこと避けてただろ。この前話してから1週間…話す時間を探してたのに。」


その事実を言われてしまい、言葉に詰まる。


私はあの日から、必要以上に彼に近づかないようにしていた。

人気者で注目を浴びている彼といると、他の人に目をつけられるなんてことが彼と話した日にあってからは、なるべく話さないようにしていた。

「僕のこと…嫌いか?」


そんなことは断じてない。

確かに話しかけられた時は多少驚いたが、彼と話すのは楽しかったし、小説のことを話せたのは初めてだった。

「そんなことはないです。この前は楽しかったんですけど…周り視線が怖くて…」

「なら今好きなだけ話せるよ。だから…




随分と話し込んだ。


友達との会話がこんなに弾むなんて、いつぶりだろう。


そんな時間も、下校時間を知らすチャイムによって終わる。

「あ…そろそろ帰らないとか。」


帰りたくない。


心はそう叫ぶ。

夜神月はそんな私に気づいたのか気付いてないのか分からないが、「ライン繋がない?」と聞いてくれた。



「じゃあ、また明日」

ラインも繋ぎ、昇降口でそう口にする。

「ああ、またな。」

「あ、あとな…魅上。」

その場で立ち止まる。


「僕が魅上のことを心配しているのは嘘じゃない。だから、無理はしないでくれ。」


どういうこと、と言いかけたが「そろそろ帰れよ〜」と教師の声にかき消される。

「…じゃあ、またな」


彼は気づいたら去っていた。

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