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【ヒナミ】「うぅ…はっ!?あれ…?夜中だ…。」
キャパオーバーを起こした私は気を失い、そのまま寝てしまっていたらしい。
【ヒナミ】「あっ…アズマくん…。」
体を起こして横を見ると、アズマくんがスヤスヤ眠っていた。
【ヒナミ】「かわいい…。忌み子に恋したなんて…みんなから反対されちゃうかな…。これからも一緒にいたい…でも許されないかも…。」
【ヒナミ】「あとアズマくんは鬼の血が混ざってたとしても…人間だもんね…。私たちみたいに寿命もそんなに長くないんだよね…。」
【ヒナミ】「嫌だ…嫌だよ…。ずっと一緒にいたいのに…。もう明日なんて来なければいいのに…。」
私は神様である自分が少し嫌だった。人間のみんなみたいにいっぱい友達作りたいし、いっぱい好きなこと話したい。
【ヒナミ】「せっかく…やっとできた友達なのに…嫌だよ…。どこにも行かないでよ…。忌み子でもいいから…ずっと傍に居てよ…。」
私はアズマくんの顔に触れながら、1人で泣いていた。いつか別れが来るなんて、想像しただけでも嫌だった。
【ヒナミ】(冷たい…寂しい…嫌だ…。)
【アズマ】「ヒナミ。」
【ヒナミ】「…!」
突然声をかけられ前を見ると、アズマくんが目を覚ましていた。
【ヒナミ】「ご…ごめんなさい…。起こしちゃった…?」
【アズマ】「いや…ずっと起きてた。俺に近づいてきたと思ったら…オマエが泣き始めたから…心配になっちまって。」
【ヒナミ】「ごめんなさい…。神様なのに…情けないな…私…。」
【アズマ】「はぁ…俺がいなくなるの嫌か?」
【ヒナミ】「うん…嫌だ…。消えてほしくない…ずっと一緒に話したい…。だけどみんなは私よりも早く…消えちゃったから…!仕方ないのは分かってる…だけどツラいの…嫌なの…!」
私は数百年も抱え続けた思いを口にした。誰にも打ち明けれなかった思いが、出会ったばかりの男の子の前で零れ出す。
【ヒナミ】「うっ…太陽なんて出なければ…明日なんて来ない…。もういい…私はもう外に出ない!」
【アズマ】「おい!?ヒナミ!」
私はアズマくんみたいな優しい人たちをたくさん見てきた。だけどみんなすぐにいなくなってしまう。ならいっそのこと、太陽なんて出ないようにすればいいんだと思った。
私は外へ飛び出し、とある小さな洞窟へ閉じこもった。
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