コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「にん、げん……?」
「嗚呼。僕は機械じゃない」
人間なんだよ。
「そんな……じゃあ……僕らは……」
「君は悪くないよ」
「悪いのは、bunだ。あの組織だ」
「僕……は」
焦りが強くなる。
呼吸が早くなる。
僕は機械なのに。
「敦くん」
太宰さんに肩を掴まれ、正気に戻る。
「あ……すみません……」
「いいよ」
(そんな君が好きなのだから)
「……敵襲ですね」
「へ……」
言葉の意味を理解するより先に、
僕の片脚は無くなっていた。
「!」
「敦くん!」
「大丈夫かい!?」
「あ……大丈夫……です」
「部品を取り替えれば……」
オペレーターに連絡しようとした瞬間、
美しい蝶が目の前を通り過ぎた。
「君死給勿」
すると、みるみるうちに脚が再生する。
「……貴方の異能ですか?」
「嗚呼、そうだよ」
「機械にも人間にも効く、万能異能さ」
「へぇ……凄いですね」
「それより、今は敵襲だ」
はっとして、攻撃が来た方を見やる。
「ふむ…僕の攻撃を避けるとは……」
避けれては無いけどな、と心の中でツッコミながら、
黒の敵を睨み付ける。
「貴様が人虎か」
「へぁ?」
「羅生門」
「おわっ!?」
羅生門と呼ばれたソレは僕を縛り付けた。
「今から貴様を連れ帰る」
「はぁ!?!?」
「一寸、芥川くん、敦くんをどうするつもりだ?」
芥川……?
「太宰さん……しりあ……」
「僕は人虎を肉壁にするだけ」
「太宰さんには関係ありませぬ」
「いいや関係あるね。だって私は……」
なんか厭な予感が…………
「その子の恋人だからね!!!」
ほらぁ!
云うと思ったよ!この人なら!!
「なぬっ……!?」
「恋人、だと……」
あれ……?結構ダメージが……
あっ!なんか縛りが緩くなってる!
出よーっと!
「っ!?」
「貴様っっ!!」
「はい再起不能〜」
「うぐ……!?」
凄い……!何時の間に!
「じゃあね〜!」
「あの……太宰さん……さっきのやつ……」
「嗚呼……私の元弟子」
「弟子?」
「元、ね」
「今は君にしか興味無いよ」
「ちょっ、人前ですから……」
「ラブラブだねェ〜!」
「ヒューヒュー!」
「ほら……」
「君達、面白いね!」
「私、気に入っちゃった!」
「え?でも、太宰さん……」
「任務は失敗でいいでしょ!」
「駄目ですよ!」
「ちゃんと命令を聞かないと……」
「何、云っているんだい?」
「……え?」
太宰さんの表情は、
まるで氷の様な、冷たい顔だった。
「谷崎くんも云っていただろう?」
「bunは間違っている」
「bunは……間違って………」
「君は、洗脳されているんだよ」
今迄ずっと喋って居なかった谷崎さんがそう云った。
「洗脳……?」
「……いつか解るよ」
「それじゃあ、僕らの事は秘密にして下さいね」
「絶対に」