テラーノベル
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不明ちゃん。
「救世主様ぁぁぁ!!」「ありがとう!!」
「村を救ってくれたんだ!!」
村人たちの歓声が、草原いっぱいに響く。
子どもたちは目を輝かせながら僕の周りを走り回り、大人たちは何度も頭を下げていた。
「いや、そんな大したことじゃ……!」
顔が熱い。
こんな大勢に囲まれるなんて無理だ。
僕は気まずさに耐えきれず、《アステリア》を背負ってそそくさと村の出口へ向かう。
「じゃ、じゃあ僕はこれで……!」
その時。
「お待ちください!」
後ろから声がした。
振り返ると、一人の年配の村人が立っていた。
両手で、大切そうに何かを抱えている。
それは――黄金に輝くリンゴだった。
「これって……」
ノヴァが小さく反応する。
「高濃度生命エネルギー反応」
「推定:エンチャントされた金のリンゴ」
村人は震える手で差し出した。
「これは、この村に代々伝わる宝です」
「でも……!」
「どうか受け取ってください」
老人は深く頭を下げる。
「あなたがいなければ、私たちは全員死んでいました」
周囲の村人たちも静かに頷く。
子どもが言った。
「お兄ちゃん、かっこよかった!」
「っ……」
なんか、むず痒い。
でも――悪い気はしなかった。
僕はゆっくり黄金のリンゴを受け取る。
その瞬間。
リンゴが柔らかく光った。
《アステリア》の紋章が微かに反応する。
ノヴァが解析を始める。
「通常個体ではありません」
「内部に古代術式を確認」
「え?」
リンゴの表面に、薄く紋章が浮かび上がる。
それは、《アステリア》とどこか似ていた。
老人が驚いた顔をする。
「そんな……今まで光ったことなど……」
すると突然。
リンゴの内部から、小さな光の粒が浮かび上がった。
そして空中へ文字を描く。
「――第1の鍵を確認」
空気が、一瞬で張り詰めた。
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