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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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さて、今日も見回りに行こう。『はぁ〜やっと少しずつ涼しくなってきたなぁ〜。』

今のところはまだ暑いけど、少しマシにはなってきた。

『ほんと、暑かったですよね。』

皆と話しながら歩く。

と、

『あぁ、困ったなぁ〜。どこへ行ったんだぁ?』

そこに、困っていそうなおばあさんがいた。

『何か、お困りでしょうか?』

島田さんが訊く。

『あのねぇ?財布を落としてしまったみたいで、見当たらなくて困っとるんじゃ。助けてくれんかのぉ?』

財布か。

早く見つけた方が良いだろう。

『孫が写った写真が入っておる、茶色で、こんな財布じゃあ。』

おばあさんが手で、大きさなどを表してくれる。

『失くされる頃あたりで、どこをを通ったかや、行ったお店などを教えていただけませんか?』

『そうじゃのぉ、え〜と、そうじゃ、あれじゃ!あのお店じゃ!』

あのお店…

手で、何かを表しているようだが、

何一つわからない…

『どんなお店ですか?』

僕も訊いてみる。

『いぬやじゃったか…』

いぬや?

『いぬ…もしかして、ペットショップでしょうか?』

いぬって、犬のことか。

『そんなじゃったかのぉ…きにしとらんかったのぉ。』

違うのかな?

『何か、買ったものはありますか?』

『売り切れてて、何も買ってこなかったのぉ。』

確かに、何も持っていなかった。

『何を買う予定だったのですか?』

『ジョンの餌じゃ。』

『ジ、ジョン?』

『そうじゃ、ジョンじゃ。』

ジョンって何だ?

『ジョンは、ペットだったりしますか?』

ペット?

ペットの名前ってことかな?

『ジョンはペットボトルじゃなくて、犬よ。』

おばあさんが笑った。

なるほど、犬か。

『わかりました。では、どこを通ったか教えていただけませんか?』

『そうじゃなぁ、確か…あっちをああ行って、こっちに曲がって、むこうを…どう行ったかな…あ、確かあっちじゃ。』

わからない…

あっちとかこっちとか言われてもなぁ…

『ちゃうちゃう、そっちじゃった!』

『そ、そうですか…』

皆、困っている。

『と、とりあえず探してみようぜ。』

そうするしかないな。

『なら、こっちは近くのペットショップを見てくるわ。』

皆と別れ、

手分けして探す。

が、

それらしきものは、なかなか見つからない。

そのまま、島田さんと合流した。

『こっちにはありませんでした。』

『こっちも、見当たらなかった。確か、あっちにホームセンターがあった。そこを見てみよう。』

次はお店の中を見てみる。

でも、ない。

『お忙しいところ申し訳ございません、茶色の財布を預かったりしてませんでしょうか?』

島田さんは、お店の店員さんに訊いている。

けど、

『申し訳ございませんが、現在そういったものは預かっておりません。』

見つからない。

『交番を見てみようか。』

交番、

この島には、交番はある。

でも、

『特徴と一致するものは、こちらにはございませんでした。』

なかった…

皆と合流する。

『こっちも、ないって…』

見つからず、

ここら辺は、見たはずだ。

でも、ない。

『・・・』

盗まれたのだろうか…

『その、失礼ではございますが、財布を家に置いてきているということはありませんでしょうか?』

家に?

『わからんのぉ、見てこよか。』 

え、

ということで、見に行くことに…

歩いて少し、

一つの家に着いた。

おばあさんが、家の中に入っていく。

犬の鳴き声が聞こえる。

ジョン、かな?

しばらく待つ。

と、

出てきた。

『見つかったよぉ!なんとねぇ、テーブルの上にあったのよぉ!』

おばあさんは笑っていた。

『あ、ああ…』

無事に見つかったならよかった。

『それはよかったです。』

島田さんも、にっこりと笑っていた。

『皆さん探してくれて、どうもありがとうねぇ〜お金、これくらいでええかの?』

おばあさんが財布から、お金を取り出し、こちらに差し出した。

『いえ、私たちは剣士でして、人の安全を守ること、幸せにすることが仕事なので、気にしないでください。』

島田さんが戸惑いながら両手を振り、断る。

『なら、お菓子あるから食べていきな。コーヒーもあるよぉ。』

『お気遣いありがとうございます。ですが、お仕事中ですので、これで失礼させていただきますね。』

気遣いは嬉しいけど、今は仕事中だ。

財布は無事見つかったので、もう行こう。


嘘をつかない人狼 (狼は寂し くならないように、夜空を見上げる)第3章

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