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___神様。私は一体どこで道を間違えてしまったのでしょう。
___神様。もしも願いを叶えてくれるのなら、私を愛してくれないこんな世界から連れ出して。
___私のことを愛してくれる場所まで、連れ出して…!
そんな願い叶うはずもなく、願っても願っても退屈で辛い毎日が訪れるだけだった。
勿論いじめっ子達のことは恨んでいるし、祈っても助けてくれない神様のことも恨んでいる。
いじめの内容は陰湿なものばかり。ノートを破られるのは勿論。持ち物は全て捨てられる。その代わり下校は荷物が軽くて助かるのは事実だが…。両親に説明するのは面倒くさい。
いじめられているの?と聞かれたらもうおしまいだ。でも何も聞かれないのはそれはそれで少し困る。気づいているのかいないのかわからないから。
なんでこの世界に生まれてしまったのかわからない。もし知ってしまったら私が壊れてしまう気がした。
両親は見せかけだけ私と仲良くしている。子どもを授からなかった両親は私を養子に迎えたそう。でも迎えた一年後には妹も生まれた。正直私は居ても居なくても変わらない存在なんだ。
「お母さん、お父さん、コンビニ行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
「気をつけろよ。」
「はーい。」
リビングは両親と妹の団欒場所。血の繋がっている家族同士楽しく話したい時間もあるだろう。私はこの時間帯になると毎回外へ出て、三人だけの時間を作ってあげている。
本当に、私は邪魔者なのだ。そう確信したのは小学三年生の頃。クラスの子に私が養子だとバレてしまった時。言われたのだ。
“養子とか、血の繋がってる家族達からしたら迷惑だよね。気遣わないといけないし。”
この一言で私の何かが壊れたのを感じた。小学三年生の子どもに此処迄言われるとは思っていなかった。受け入れてくれると思っていたから。…でも、現実はそう甘くない。
考え事をしていたから気づかなかったが、後ろから誰かの叫ぶ声が聞こえてくる。この声は誰に向けたものかわからないけれど、少なくとも私へ向けたものではないことは確かだろう。
そんな甘い考えと、周りへの興味の無さがいけなかった。私は神様に頼んだ通りの世界を歩むことになってしまう。いや、頼んでいたよりも少し残酷で、どうすればいいかわからない世界…。と言った方が正しいだろう。
ふと我に帰った。周りを見ても此処が何処かわからなくて、綺麗な部屋に大きいベッド。一言で表せば、すっごい高級そうな部屋だった。
今までの私ではありえない、高級そうな部屋。それに動きづらいと思ったら、ドレスまで着ている。
本当に動きづらい。それに暑い。お腹のところが少し苦しいのはきっと世話役の人がきつく締めすぎたのだろう。
それよりも本当に此処は何処なのか。考えても考えても心当たりがない。私がさっきまで何をしていたのか、どんな景色を見ていたのかわからない。
ただ、絶対に此処に昔から住んでいたわけじゃないのはわかる。
もしかしたら…。異世界転生!?
いや、ありえない。だって私は…。私は、あれ何が言いたかったんだっけ。
終