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俺とナマエさんの出会いは俺が新人の頃課長に無理やり連れていかれたキャバクラだった。
課長がナンバーワンの子を指名した時初めてナマエさんを見た、この一瞬で俺は恋に落ちた気がしたこれが一目惚れというのだろうか、
隅っこの方に座っていた俺のことも気にしてくれて、キャバクラにはいいイメージを持っていなかった俺もまたナマエさんに会いたくなるほどほんとにキャバ嬢なのかを疑ってしまうような優しい人だった、
なんとなくだが一二三が店に来る姫をどうしてあんなに大切にするのかがわかった気がする
あのキャバクラに行って数日経った時
どうしてもナマエさんに会いたくなって2回目のキャバクラ来店を果たした やはりナンバーワンが故に指名が難しかったがどうにか頑張ってナマエさんを指名した ナマエさんは俺のことを覚えてくれていて 俺のところに来た時、
「独歩さん!」
と明るい笑顔で言ってくれた、またもやこんなに優しい子がどうしてキャバ嬢をしているのか疑問に思った ナマエさんにはすぐ指名が入って10分ほどでいなくなってしまったが連絡先は交換できた 俺は今日死んでしまうのだろうかと思うくらい嬉しかった
ちゃんと使う金の量を決めて俺はナマエさんのいるキャバクラに通っていた
でも俺は何故か後ろめたさを感じてキャバクラに通っていることを一二三に伝えた一二三はケロッとした顔で
「いいんじゃね?俺っちもココ最近目が輝いてたからなんかあった?って聞くつもりだったし」
「俺っちは独歩ちんが夢中になれるもの見つけて地味に感動してる〜」
『なんか思ったより軽いな…』
「ちゃんどぽが楽しいならいっかなって思って?」
『そうなのか…?』
「んじゃとりま俺っちとちゃんどぽの間でのルールでも決めとく?」
『そうだな…』
二人で顔を傾けてキャバクラのことについてうーんと考えた
結論は俺が金銭的にやばいと感じたらすぐに行くのを辞めること、という答えを導き出した
俺はキャバクラに行ったせいで仕事に支障を出して一二三に迷惑をかけないようにとナマエさんに会うために仕事を頑張った、ナマエさんに会えるならどんな辛い残業も頑張れた
キャバクラに通って数ヶ月後 ナマエさんからメールが来た、ナマエさんからのメールは毎回嬉しくて飛び跳ねそうだった
だが今回のメールの内容は
「独歩さん、私今日でキャバ嬢辞めるの」
全身の力が抜けそうになった
俺はどうにか頑張って返信した
『今日は店にいるんですか?いたら最後に会いたいです。というか今から行きます』
ナマエさんの答えも聞かずにタクシーを拾ってキャバクラに行った、着いたら急いでタクシーから降りてとにかく店に走った
数秒で着く距離だが焦りと不安でとにかく息が上がっていた
キャバクラはいつもと変わらない五月蝿さだった だが今日は俺の呼吸の方が五月蝿く聞こえてしまった
黒服の「大丈夫ですか?」
という言葉も無視して
『ナマエさん指名で…!』
といるかどうかも分からないナマエさんを指名した
「かしこまりました」
黒服の承知の声を聞いて安心して全身の力が抜けその場に倒れ込みそうになった
ナマエさんはすぐに俺のところに来た。俺はナマエさんを見た瞬間に言いたかったことが意識をしなくても口から溢れ出た
『なんで、辞めるんですか…?』
「それは独歩さんでも秘密です、」
シーと口元に手を当てるナマエさんは色っぽかったが少し苦しそうな顔をしていた
今日は珍しくナマエさんの指名がひとつも来ずにナマエさんを独り占めできた
帰り際にナマエさんが
「実は今日独歩さんが来ることを期待してたんです。来てくれてありがとうございます」
俺はその言葉に応えるどころか口を開くことすらもできなかった
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