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第12話相談
コンコンコン
『入れ』
「失礼します」
僕は今、黒崎様の御職場にいる
本当は、もっと違う所で話すべきなのだろうと思っていたのだが、舞や女将さんの采配で、職場に赴くことに
『女将から内容は聞いている』
『色々大変だったらしいな』
仕事だからか、いつものお茶目な姿は見られない
そりゃそうか、扉の近くに部下がいるもんな
ちなみに、黒崎様は街の治安を守る警備隊にいるらしい
黒崎様らしい、と心の何処かで思う
「それなら、話が早いですね」
「皆様の勧めで、こちらに参りました」
「…まあ、前置きはこのくらいに、」
「うちでは、どうにもできませんでした」
「どうしましょうか、?」
こんなこと、この方に相談しても…と、思うところはあるが、相談しないよりかは結果が期待できる
『どうしましょうか、と聞かれてもな…』
『まあ、できることはする』
『まずは、お前の昇格を邪魔してる奴らへカマをかけてみる』
『それから、圧力をかけて、発言を撤回させる、という流れだ』
「意外に単純なのですね」
まあ、お偉い方々のやることはそんなものだろうと思ってはいたが…
『いや?そうでもない』
『単純でも、思考を持ってかれると終わりだ』
『丸め込まれて、相手の手玉に取られてしまう』
『これは心理戦なんだよ』
心理戦…、僕は苦手なことだ
もう丸投げしてもいいかな
『あ、ちなみにお前も来いよ?』
『お前のことについてなんだから、当然だろ?』
ですよねー…、と心の中で落胆
「でも、うちが赴いても何もできないんじゃ…」
どうしても、面倒事に巻き込まれなくない
だから意地を張ってしまう
『いや、お前がいたほうが向こうの圧力にもなるだろう』
「…どういうことですか、?」
キっと、軽く睨む
『まあまあ、そう怖い顔になるな』
『利用するわけじゃない』
『まあ、行けばわかるさ』
吐き捨てられた言葉は酷く僕の背中にのしかかった気がした
行かないとわからない
そんな状況に僕はただ「はい」としか言えなかった
第13話杠朱雀
〘はぁ…〙
ここ最近、昇格したためか、人足が絶えない
喜ばしいことこの上ないのは当然だが、やはり忙しいのは性に合わない
そして、面倒なことにさくらちゃんをよく指名される黒崎様の護衛様が最近よく、うちに目をかけてくださる
それが理由なのかは知らないが、疲れがたまっている気がする
〘正直、あの方とは相性が合わない…〙
〘そもそも、さくらちゃん自身があの方を毛嫌いしているのか、身構えてしまっている…〙
〘だから、うちもどう接するのが正解かわからない、〙
と、廊下でぽつりと呟く
白い光が廊下を照らす
この静かな所には誰もいない
掃除されていないのか、そこら中に蜘蛛の巣などがある
〘……さて、ここはどこでしょうか…〙
迷ってしまったようです
先程まで考え事をしていたからなのか、何処から入ってきたのかすらわからない
古い建物のようで、軋む音が鳴り響く
少し怖い気もあるが、それ以上に不安でいっぱいだ
でも、そんなときこそ冷静に
今、さくらちゃんも黒崎様の御職場に行って頑張っている
〘うちも頑張らなくちゃ…!〙
と、気合を入れる
ギシッ_
〘きゃ…っ、!〙
自分の立っていた所の天井から大きな音が響き、思わず叫んでしまう
頭を抱え、身を縮ませる
ぶるぶると震える身体に温もりが伝わってきた
〈…どうしてここにいる、〉
恐る恐る顔を上げると、少し戸惑ったような表情の杠様が見えた
〘ぁ…、〙
恐怖からなのか、不安だったからなのか、声がうまくでない
〈…いい、無理に話すな〉
〈迷ったのか?〉
そう言い、着ていらした男性用の上着をうちに羽織る
杠様の問に、こくりと頷く
〈そうか、じゃあこっちだ〉
と、手を引いてくれる
〘ぁ…、お、お待ちください…っ、〙
だが、少し問題があった
〘さ、先程の大きな音で…、腰が抜けてしまって…〙
〘お恥ずかしい所を見せてしまい、すみません…〙
〘ですが、うちはもう大丈夫です〙
少し微笑んでみせる
〈……〉
無言の杠様は迫力があった
何を考えているのか
何を見つめているのか
長い前髪からは予想ができなかった
すると、急にしゃがんで
〘わっ…、//〙
うちの足に腕をくぐらせ、抱えてきた
……これは俗に言う姫抱きというのだろうか…
〘あっ、あの…っ、杠様…?〙
〘なにを…、〙
自分でも赤面していることが容易にわかった
それが恥ずかしくて、余計に赤面
俯き顔で言う
〈…黙って、〉
〈腰が抜けたんだろ、道がわからないのに何が大丈夫だ〉
〈…黙って連れられてくれ、〉
前だけ見て言う杠様は、何処か赤く見えた
夕陽の時間帯だからなのか
窓から差し込む赤光に紛れて一瞬しか見えなかったけれど
〘……はい、〙
軽く返事
今だけは、この方に心を許してもいいかもしれない
杠side
ここ最近、自分の様子がおかしい
何故なのかはわからない
こんなこと初めてだから
それに、何故か彼女のことをやたらと目で追うようになった
昇格をした彼女は、前のように軽々しくは会えなくなった
それに、人気ものになった
彼女が他の奴らと夜に話していると思うと、虫の居所が悪くなる
まだこの気持ちが何なのか分からないほどに、俺は未熟だ
仕事中にも関わらず、やたらとそわそわする
そんな状態の俺を見て、黒崎様が
『はあぁぁ…』
『杠、一旦仕事休め』
『そして、気持ちを整理してこい』
〈っ…、なっ、何故ですか…っ!?〉
理由がわからなかった
でも、何故か黒崎様には全てを見透かされているようで、御得意の饒舌が発揮されなかった
『それはお前が一番よくわかってるだろ』
と、呆れ顔
そんな黒崎様に対し、俺は〈はい〉と、頷くことしかできなかった
黒崎様の執務室を出てから、何をしようかと思いを巡らせたが、何も出てこない
家の用事もないし、やることもない
仕事の休みなど、ほとんど無かったから
取り敢えず、散歩をしようと本部を出る
この仕事場は港がよく見える山の中腹にある
〈綺麗だ…〉
と、何気なくぽつり
いつもは景色などゆっくり見るなんて滅多にないから
〈こんなに綺麗だったんだな、〉
これはこれでいいかもしれない、と思う
無心で、歩き続ける
その中で仕事の疲れや、先程まで気にかけていたことなどが浄化されていくようだった
気がつけば、遊郭のあの店に来ていた
危うく敷地に入るところだった足をとめて、また歩き出す
館を過ぎる…ところだった
中から、誰かの叫び声が聞こえた気がした
……いや、館の中じゃない
館の隣の、もう使われていない別館らしきところからだ
確信をへて、別館の中へ入る
入ってすぐの階段の目の前に、白山がいた
叫び声の主は君だったのか、と内心驚く
〈…どうしてここにいる、〉
心無しか、顔が引きつったかもしれない
君がここにいたから
顔を上げた君が少し涙目だったから
〘ぁ…、〙
何かに驚いたのか、声が出ていない
〈…いい、無理に話すな〉
〈迷ったのか?〉
そうだろうな、と思いつつも一応聞いてみる
埃を少し被った服装を見て、護衛服の上着をかけてやる
しゃがみながら、こくりと頷く白山を見て、何故か可愛らしく思えてしまった
自分より小さくて、すぐに壊れてしまいそうで
その身体に触れようとした手を、本能で連れ戻す
〈そうか、じゃあこっちだ〉
と、先程入ってきた玄関のほうを見て、手を引く
〘ぁ…、お、お待ちください…っ、〙
引いた手を戻されるように、握られる
こんな時でも、どきっと心臓が跳ねる音がした
〘さ、先程の大きな音で…、腰が抜けてしまって…〙
〘お恥ずかしい所を見せてしまい、すみません…〙
〘ですが、うちはもう大丈夫です〙
そう言い、微笑む彼女を見て、少しばかり腹が立った
意地悪をしてやろうと思った
少し、魔が差しただけだ
ぐいっ、
〘わっ…、//〙
照れているのか、一気に耳まで赤くなる
〘あっ、あの…っ、杠様…?〙
〘なにを…、〙
そう、戸惑う彼女を見て満足気に微笑んでしまう
〈…黙って、〉
〈腰が抜けたんだろ、道がわからないのに何が大丈夫だ〉
〈…黙って連れられてくれ、〉
自分でしたはいいが、やはり恥ずかしい
鍛えているからか、彼女の身体はとても軽く感じた
女性を抱き抱えることなど初めてで、どういうのが正解なのかわからない
…が、〘はい〙と答える彼女の赤面した様子を見て、これでいいのだと思い、心無しか安堵した
そして、休みをくださった黒崎様に感謝をした
紅く染まる廊下を歩く
(俺は、白山が好き、なんだな…、)
こんなことで実感するのか、と耳が赤くなる
言い訳をしたいが、彼女が好きではないと言える大きな根拠はない
逆に、惹かれることが多すぎた
いつも冷静な姿と比べ、時折見せる幼い笑顔も
強気で、真っすぐと向かってくるところも
この腕のなかで大人しく抱えられている可愛らしい姿も
全てが愛おしく、手放せないと思うほどに
俺はもうとっくに、白山に堕ちていたらしい
紅い光が、この情けない表情を誤魔化してくれる
どうか、彼女に悟られませんように、と、ただただ願っていた
……ww
なんか、黒崎とさくらの方短すぎましたね、w
ごめんね💦
本当スランプで…、w
The恋愛系のほうがかけそうだったから、次の自分に丸投げしちゃった☆
まあ、こっちのほうが好きな人もいるでしょ、!?w
…主人公のほうではないが、((
次回第14話➫♡80突撃
コメント
9件

これだけみれてなかった..... いや、みないほうが楽だったのか((( うん、恥ずい
朱雀!