「今日からこの学校に通う事になりました、初兎といいます。よろしくおねがいします。」
俺の名前は初兎。Ω。
この世界はα、β、Ωに分かれている。
αは基本的に何でもこなす完璧主義者。
βはこの世で最も多い。いたって普通。
Ωは、”発情期”というものが存在する。発情期になると、Ω特有のフェロモンをだし、αはそれをくらうと”ラット”という状態になる。
俺は皆にΩだとばれるのが嫌だ。
だから、今までずっと隠し続けていた。しかし、前の学校ではそのことがバレてしまい、転校してきた。
「ねぇ、初兎くんって、αなの?」
「…いや、βだよ?なんで?」
「なんとなく。顔めっちゃ私のタイプだから。かっこいいじゃん?言われない?絶対モテるって!」
嫌だ。モテるとか。今回は絶対に平凡に過ごすって決めたんだ。
「そんなことないよ、彼女もおらんし。」
「てか、関西弁なんだねー、かわいい。」
「席につけー、授業を始めるぞ!」
かわいい…?授業か、単位落とさないようにしっかり聞かないと。
「ほら、授業始まるって。」
「あ、うん。」
「〜で、あるからして、ここは〜。」
…なんだろう、思っていたより簡単やな。
「〜で、じゃあここを…、ほとけ!答えてみろ。」
「ふぇ⁉あ、はい!…え、どこ?あ、ごめん、答え教えて?」
は?いやこんな堂々と答え聞くやつ始めて見たんやけど⁉こいつ、ほとけって言うん…?Ω、いやβか?
「…57。」
「57です!」
「正解だ、流石に簡単だったか?初兎。」
「せんせー?答えたの僕なんですけどー?」
いや、お前は答えを聞いてそのまま言っただけやんな?答えたわけではないやんな?
「いや、お前は問題すらわかってなかったからな。」
ほら、言われとる。
「すごいよなー、あれでαなんだぜ?ほとけ。」
「それなー。」
は?こいつαなん?…ありえん。
「ありがと!」
「いや、別に…。」
キーンコーンカーンコーン
「お、もうこんな時間か。じゃあ終わるぞ、今回の宿題は、ワーク45ページまですすめておくこと!」
45か、1ページもやってない俺にとってめっちゃ大変なんやけど?まぁええか、時間ならあるし。
「あ、さっきはごめんねー、うちのお兄ちゃんが迷惑かけて。」
…誰だ?
「あー、ごめん、名乗ってなかったね。俺はりうら。ほとけっちと双子。一応ほとけっちがお兄ちゃんなんだよ!よろしくね!」
「あ、?うん。よろしく…?」
なんで兄なのに”ほとけっち”って言ってるん?
「ところでさ、昼休みに校舎案内してあげるからさ、一緒に回ろ?」
案内してくれるのか、それはありがたい。
「じゃあよろしく。」
「うん!」
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フォロー失礼します! 神作ですね、、、!
フォロー失礼します!