テラーノベル
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〜 side 小柳 〜
俺には『ミラン』という年下の幼馴染がいる
俺が幼稚園生だった頃から、公園や家の周りを走り回ってるとミランも着いて走り回っていた
俺には兄弟が居なかったからミランがとても可愛い存在だった
泣いて来ると慰め
虐められたと言われたら仇を討ち
笑ってる顔が見たくて俺は何でもした
ミランはとても優秀で、何でも出来る奴だった
だからだろう
中学になり人付き合いも増え‥‥ミランに彼女も出来た
優しそうな見た目と声
人付き合いの良さで学年でも人気者だったろう
そして初めてミランと彼女が歩いてる所を目撃して気づいた
俺はミランが好きだったんだと‥‥
胸の痛みと悲しさ
良かった早く気づけて
アイツだって小さい頃から一緒に居た俺なんかに好かれても困るだろう
ただの近所のお兄さんに戻るだけだ
と、今でも自分に言い聞かせている
ただ、ミランは変わった
別々の高校、大学に行きそしてアイツは消えた
この街からいなくなった
そして数年後
フラッと姿を現した
半グレになって‥‥‥‥
「ロウ君、ねぇ聞いてます?」
「‥‥聞いてるよ、相変わらずうるさいなぁ」
「だって返事がないんだもん」
「今無線してただろう?仕事してるんだからちょっと待てよ」
「ヤダヤダ!私といる時ぐらいは‥‥‥‥俺だけ見てよ、ロウ君」
「‥‥‥‥分かった分かった」
揺らいだ視線の先でミランが笑う
「優しいんだからロウ君ってば」
「小柳は俺にも優しいぞ。な、小柳」
「俺はローレンさんにもみんなにもいつも同じですよ」
「みんなと一緒ですって。私には特別優しいんですから」
「本当にお前はよく喋るなぁ。ローレンさんもミランの話に乗らないで下さいよ?」
「いーや、俺にも小柳は特別優しくしてくれてるの感じてるね」
「ローレンさん!呼ばれてますよ?早く行ってあげて下さいね。ミランはうるさいからもっとこっち来て」
「はーい」
何でこの街の留置所はこんなに賑やかなのか
ため息を吐きながらパッドを取り出し、違反切符を切り始める
「えーと、準強盗罪と公務執行妨害‥‥あとは‥‥‥‥」
「ねぇねぇロウ君、少しオマケして下さいよ」
「何を言っとるんだ。ここは市場じゃねーぞ」
「常連なんだからさぁ、良いじゃないですか?少しくらい!」
「‥‥ここには来るなよ」
「だってロウ君に会えるし」
俺だって会いたいよ、ミラン
この場所以外でなら‥‥
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コメント
5件
めっちゃいいー!こやさんとミランさんの絡み好きだ! 最近ミランさんの酔いどれの切り抜き多いから、もし!もし良ければ酔いどれを対応するストーリーなど、書いていただけないでしょうか
👏✨️✨