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ss 題”おやすみの前に”
「アルハイゼン。」
「……うん、俺はここにいるよ」
鼻をずび、と鳴らしながらカーヴェはアルハイゼンの胸元へ顔を埋めていた。
そんなカーヴェの頭を優しく撫でてやる。
「どこにもいかないでくれ……僕をひとりにしないで…」
端麗な眉毛を情けなく下げながら蚊の鳴くような声でカーヴェは囁く。
まったく…これが先輩?信じ難いな、
「君が望むなら、どこにもいかないさ。それに、俺が消えたら君のツケが誰も払えないだろう。」
「……最後の流れは、今、この状況でいるのか?」
「…?勿論。俺は事実を述べただけだよ」
くす、と小さくアルハイゼンは微笑んだ。カーヴェの目元を哀しく濡らす涙を手で拭ってやる。すり、と軽く頭を押し付けてくるカーヴェの髪にキスをひとつ落とした。
「おやすみ、カーヴェ」
「…あぁ、おやすみ。アルハイゼン。」
さぁ、俺はどこにも行かないから早く寝ればいい、安心しろ。
もう俺自身が君から離れられないんだから。