テラーノベル
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kana
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ラウが預言者をCOした。勿論ゲーム的にはラウを守った方が良い。ただ本当に死んでしまうかもしれないこの世界で、用心棒に守ってほしくない人など居ないだろう。
ラウへの嫉妬心。それは誰もが抱いている。
阿「他、対抗は?」
誰も手は上がらなかった。
阿「…今夜は、一旦ラウを守ってあげて欲しい。預言者を無くすのは痛い。」
佐「…ッ、阿部ちゃん…、」
阿「分かってる。皆、自分を守って欲しいよね。…分かってる、分かってるんだけど…、勝つ為には、こうする方が…。」
俺は村人陣営だ。だから俺は、村人陣営に貢献しなければならない。人狼陣営には申し訳ないけど…。
渡「そもそもこれ、本当に死ぬのかよ?」
突然翔太が突拍子もない事を言い出した。
宮「確かに、何かの…企画?とか。」
向「…そうやんな!」
それに続いて、皆も現実から目を背けていく。
岩「まぁ確かに、こんな大掛かりな事して誰も気付いてない、ってのもおかしい…。」
深「…そうだよ!だから本気にならなくても…。」
佐「てか処刑ってどんな演出何だろ〜!」
阿「で、でも、皆?もし…本当だったら?」
目「阿部ちゃん…、」
向「阿部ちゃん大丈夫やって!」
阿「えぇ、」
これが嘘だったら、何かのTVの企画だったら。皆信じたくないんだろう。勿論俺だって信じたくない。でも…、もし…、
岩「ま、良いんじゃね?後は各々自由にしよう。…でも、一応20時には1人決めといた方が良いのかもな。19時30分には大広間に集合で。」
…
それから俺は、部屋に引き篭った。怖かった。俺だってこれは嘘だ、って思いたい。…でも、ここまでして嘘、って有り得るのか?メンバーの中には人狼陣営が居るんだよね?そんな事を考えていたら、メンバーと合わせる顔なんてなかった。
阿「どうしたら、良いの泣?」
目の前で起こっているこの出来事は夢でも何でもなくて、現実で。逃げられないこの閉鎖的空間に、俺は飲まれそうだった。
コンコン、
阿「…え泣?」
コンコン、!
阿「誰…泣、」
泣いたのがバレないように、目を擦って扉を開けた。
ガチャ
目「…阿部ちゃん、」
阿「めめ、」
目「入って良い?」
阿「…うん、勿論。 」
…
阿「…どうしたの?急に、」
目「…、」
阿「…ねぇ、めめ?」
目「阿部ちゃん、泣いたのバレバレ。隠さなくて良いよ。」
阿「…ッ、」
そうだった。こんな事態になって頭から抜けていたけど、めめは誰よりも俺の気持ちを分かってくれる、優しい人だった。
目「阿部ちゃんが心配で、来ちゃった。阿部ちゃんの事だから、色々考え込んでるだろうな、って。 」
阿「…泣、」
目「ごめんね、こんな分際で、」
そう、めめは拉致られる2週間前、俺に告白してきた。めめの真っ直ぐな告白を受けて、心から嬉しかったし、俺もめめが好き、そう感じた。でも、自分に自信なんて持てなかったし、隣に立って良いのか、俺で良いのか。メンバーとか、メディアとか、色々考えていると口には出せなかった。…その返事を、俺はまだ返せないでいる。
目「それだけ、だから。じゃ、」
めめが出ていこうとする。その服の裾を引っ張って、引き止める。
阿「…もう少しだけ、そばに居て。」
目「…分かった。」
めめへの返事もまともにせずに俺はなんて事をしているのだろう。めめだって苦しいはずなのに…。好き、大好きだよ。そう、声に出したい。でも勇気が出ない。
阿「…めめ、」
目「下の名前が良いな?」
阿「…蓮、」
目「…、」
めめの顔が近付いてきて、唇が俺の唇にそっと触れる。
阿「…ごめん、」
目「ううん、俺がしたかっただけ。じゃ、帰るね。」
阿「…うん、」
めめに俺の気持ちは伝わってるのかな。いつか、ちゃんと口で伝えなきゃ。…この建物から出れたら、ちゃんと伝えよう。
…
めめが出ていって2分後、俺の部屋のモニターが突然ついた。そこに表示されているのは、
『あなたは恋人に選ばれました。』
阿「…恋人、」
忘れていた。そうだ、今回は恋人が居るんだ。しかも相方は共有されない。ここに来て第3の陣営が動き始めたのか。
相方が村人なら、このままで良い。その人が死なないようにだけ気を付けていれば大丈夫。…でももし、人狼だったら。人狼側に、勝たせないといけない。村人を人狼陣営を同数になるまで、減らさないと。
阿「相方を、探らないと。」
恋人なんてした事ない。分からないけど、今は生き残る事を考えなきゃ。…めめに、思いを伝えるために。
…
―目side―
目「阿部ちゃん…、」
俺はデビューした時からずっと阿部ちゃんに恋をしてきた。そして最近、やっと告白したんだ。でも、返事は貰えなかった。
それでも諦めなんてつかなくて、阿部ちゃんの部屋に足が進んでいた。阿部ちゃんは優しいから、メンバーを傷付けないように、自分で背負っちゃう癖がある。そんな阿部ちゃんを、隣で支えたい。
そんな思いが溢れて、阿部ちゃんにキスをしてしまった。あれが、俺の初キス。…阿部ちゃんは、嫌がってなかったかな?阿部ちゃんに謝らせてしまったし…。
目「何してんだ、俺。」
そう自分に言い聞かせて、ある人の元へ向かった。
…
目「しょっぴー、」
渡「何だよ、」
しょっぴーとは仲が良くて、一緒に居る事が多い。俺の恋愛事情も知っている。予想通り、しょっぴーは1人で大きな窓のある渡り廊下で、外を眺めていた。さっき通った時、しょっぴーならここに来ると思ってたんだよね。
渡「お前、人狼?」
目「…ううん。」
渡「恋人だろ。」
目「…ううん。」
渡「俺がキューピット。」
目「…ううん。…えっ!?」
渡「俺が、お前達を選んだ。」
目「…何で、俺?」
渡「さぁな、ま、頑張れよ。」
目「…相方は?」
渡「言ったら面白くねぇだろ。」
目「…分かった。」
渡「で、お前は人狼?」
目「…んな訳ないじゃん笑、」
しょっぴーがキューピット、か。さっき阿部ちゃんの部屋から帰ってきた時にモニターに写った『恋人』の文字は現実だったんだ…。という事は、しょっぴーは今、村人。…良かった、流れに任せて本当は俺が人狼だって言わなくて。どうやって立ち回れば良いの…?分かんない…。
目「…、」
渡「で、阿部ちゃんとは話したのかよ?」
目「…えっ、と…、」
渡「不安そうだから話しかけに行くって言ってただろ。」
目「…行った。」
渡「そ、で?」
目「…不安そうだった。」
渡「それだけ笑?好きなんだろ?」
目「大好きだよ。」
渡「嬉しいと思ってるよ、」
目「…、」
渡「きっと、阿部ちゃんも。阿部ちゃん、お前と居る時、何か明るいし、楽しそうだし。脈ナシじゃないぞ、きっと。」
目「うん、ありがとう。」
キスした事は、言わなかった。俺と、阿部ちゃんの秘密。ちゃんと阿部ちゃんから返事が貰えてから、話そう。しょっぴーは口は悪いし冷たいけど、ちゃんと俺に寄り添ってくれる、良い友達だ。
…
―宮side―
目「大好きだよ。」
渡「嬉しいと思ってるよ、」
聞いてしまった。目黒と翔太が居たから、隠れて聞いていたけど、嫌なものを聞いてしまった。やっぱり、目黒と翔太、好き同士なんだ…。
宮「失恋、か…。」
俺はずっと翔太が好きだった。でも幼馴染だから、この関係を壊したくなくて、ずっと思いを伝えられないでいる。
めめの告白。翔太は嬉しいって…。
…悔しい。でも、しょうがないよね。翔太には、目黒がお似合いだよ…。
コメント
2件
おい舘様ーー!!! 勘違いしないで😭😭😭 めめとあべちゃんの幸せを願っています💞
第3話、読み終わりました…! 阿部ちゃんの不安と、めめの優しさにじんわりきました。キスのあとの「ごめん」と「俺がしたかっただけ」、もう切なくて…お互いを想い合ってるのにすれ違う感じ、胸が苦しかったです。 しょっぴーがキューピットだったのも驚き。宮くんの片思いの切なさにも、はっとさせられました。 人狼と恋愛、どっちも気になって続きが待ちきれません…!