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ここは、セオドアがプロトタイプによって運ばれてきた部屋。しばらくすると、ある女性が部屋に入ってきた。
「ええっと、前の資料はここに……って、え?!この子って、セオドアくん?なんでここにいるの?」
目の前には、床に倒れこんでいる男の子がいた。大声でいったので、他の職員たちも集まってきた。
「どうしたんですか?え、なんで子供がここに?」
「どこから入ってきたのかしら?」
「いえ…私にもわかりません。今、入ったらいたんです」
とにかく、ずっとここにいさせる訳にはいかない。一旦、スイート・ホームに連れていこう。
……ん?ここは…あっ、そうだ。ぼくはイマジナリーフレンドといっしょにいて…。
「やっと起きたのね!」
声のしたほうを見ると、何人かの職員が心配そうにのぞきこんでいた。どうやらここはスイート・ホームらしい。
「傷だらけで、怪我もたくさんしてるから、ケアもしないとね」
「ねぇ、なんであそこにいたの?できるだけでいいから、詳しく教えてくれる?」
「…イマジナリーフレンドさんが」
「え?今なんて?」
それ以上、話す気にはなれなかった。だって、イマジナリーフレンドのことを話しても、誰も真剣に聞いてくれない。この前だってそうだ。僕がイマジナリーフレンドと遊んでるっていってるのに、そこには誰もいないって。みんな、おかしいよ。
「ふふ。セオドアくんは、恥ずかしがり屋なのかな?大丈夫だよ。無理に話さなくていいから」
「また、何分か経ったら、ここに来るからね」
といって、職員たちは次々と外へ出ていってしまった。
よかった。これでいいんだ。1人になれて。また、イマジナリーフレンドさんに会える……。
プロトタイプがセオドアの前に現れるのは、2人きりでいれる時だけだそうだ。