最先端のファッションや、文化の発信地でもある渋谷。
その渋谷のシンボルとなっているハチ公前は、
今日も大勢の若者で溢れかえっていた。
「待ったー?」
「いまきたとこ!なあ、ちょっとピカリエよっていい?」
「先にカフェいこーよ!ほら、マクロコスモスでパンケーキとかよくない?」
笑顔を咲かせ、スクランブル交差点へと向かう若者達。
そんな楽しげな面々を、冷めた眼差しで眺める少年がひとり。
「…始めるとすっか」
パーカーのフードを目深にかぶった累(るい)は、
目だけで周囲を見渡すと、人波に体を潜り込ませた。
(ただ通りを歩いているだけなのに、いつも思うことがある…。
この中で、何人が俺のことに気づいているんだろうって。
いまこの瞬間も、Webに俺とのじこの卒アル写真がアップされ、
文集だけでなくテストの答案の裏に描いた絵まで流出している…。
…それなのに、俺に気づく人*************************
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