再起動
ん、、、
博士
博士、みて、レポート、まとめました。あなたのいう通り、人外の子の生態について、まとめました。なにか、なにか不足した点がありますか?
「不足じゃない。むしろ、足されてしまったんだ」
足された?
「そして、その部分は、ロボットにはいらないプログラムなんだ」
一体何が?
「君には、”感情”がインストールされてしまったようだね」
感情?
感情ってなんですか?
「君自信が感じたり、思ったりすることだよ。そしてそれは、不思議なことにプログラムには全く組み込まれていないんだ。」
感情、感情。聞きなれない単語。
「君は君自信が見たことなどを、自動で脳内で文字変換してレポートを作成するAIロボットだ。それが、君から転送されたレポート、途中から、まるで人間が書いたみたいになっているんだ。」
人間。
そうだ、私人間に、なりたかったんだ。
「気がついたかい。君はきっと、人間になりたかったんだ。そして、その思いのあまり人間を模倣しようとプログラムの書き換えが起きたんだろうな。機械的な文章から、だんだん感情的で人間らしい文章になっていっていたよ。」
では、感情は、なぜついてしまったんですか?
「心当たりがないのかい。きっとその、人外の子のせいだろう」
人外の子
そうだ
私、彼に何も言ってない
自分の正体も明かしてない
私は彼に日本語を教えた。林檎の味を教えた。笑顔を教えた。
彼に何も言えないで、このままじゃ終われない。
役目を終えても、彼に伝えなければ意味がない。
私は、彼に、教えているつもりが、教わっていたのかもしれません。
「おや、何をだね?」
______博士。もう1日だけ、私が稼働する許可を出していただけませんか。
「何をするつもりだね」
彼に、伝えなきゃいけないんです。絶対に、このままで終われません。どうしても、あと一度だけでも、会いたい、会って、伝えなきゃ、伝えなきゃ!!
「君は、だいぶ感情的になってしまったね」
お許しください、博士のプログラムに背くことを。こんな気持ち、初めてなんです。ああそうか、これが感情か。なかなか悪いものではないな。
非合理的だ。馬鹿げている。ただ、感情に従って身体を動かすのって 存外 いや
めっちゃ
楽しい!
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