テラーノベル
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「あーもう骨が折れる。どんだけ重いんだ!」
倒れ込んだ人物をそのままにしておけずとりあえず店内まで移動させ、仰向けにした。
恐らく血であろう、赤黒いものがこびりついていて分かりにくいが綺麗な紫色の髪をしている。
「おーい。青少年ー?」
ぺちぺちと頬を叩き刺激してみる。
「うぅ…」
呻き声を上げながら顔を顰めている。生きているようだ。
「…反応ありっと…そのまま起きてくれると助かるんだが…」
つんつんとほっぺたをつつく。
「…ん」
また反応はあるものの今度は寝息を立てて寝始めた。
「………まずは綺麗にするか!」
重すぎて湯船には運べない為、とりあえず汚れても大丈夫、且つ、近場の部屋へと運んだ。
「この部屋なら水を使っても大丈夫だ。」
店で使うために育てている植物たちがある部屋。そこにある水場までなんとか引きづってきた。
擦り傷を作ってしまう可能性はあったがあのままにしておけずとりあえず移動させた。
「…綺麗にするため。すまん。剥くぞ。」
身につけていた服はどれも汚れており、所々破けていた。
全て剥き終わり、服はまとめて後で洗浄&修繕だ。
「さっ!ちゃちゃっと綺麗にしようか」
こびり付いた汚れを水で洗い流しながら、布で拭き取り、全身にある浅い傷も処置していく。
「一つ一つは浅いが…よく気絶せずここまで来れたな…」
黙々と作業を続け遂に完遂した…!!
「あ゛〜疲れた…」
尚も寝息をたてて眠っている青年。
「流石にここで寝かせるのは…また引きずるか…」
毛布を体の下に敷き、それを持ってズルズルと移動させた。
「それにしてもよく眠れるな…」
目的の部屋に到着。床に来客用の寝具を敷き、そこに転がす。
「流石に仕事の後だと疲れるな…」
すやすやと寝ている事を確認し自身も寝る準備をする為部屋を離れた。
「あ〜やっぱり風呂は気持ちがいい…さっぱりしたな」
寝巻きに着替え寝室へと向かう。
「………気になるから覗いてから寝よ。」
コンコン。一応ノックしてみるが反応はない。
「うぅ…」
微かに呻き声が聞こえる。
大きな体を縮こませ、ギュッと毛布を握りながら、険しい表情を浮かべていた。
「…怖いのか?」
近くにしゃがみ込み、顔を覗き込む。
「…けて…」
なにか言葉を喋っている。
聞き取ろうと更に顔を近づける。
するとパッと目を開いた。山吹色の瞳が煌めく。
「たすけて」
悲しげな表情をしながらそう呟く。
あまりにも必死で切なげな表情。
手を伸ばし頭を撫でる。
「ここにいる限りは助けてやろう」
そう話すと安心したのかゆっくりと目を閉じた。
すう…すう…とまた穏やかに寝息をたてはじめた。
「よしよし…寝たようだな」
頭から手を離し立ち上がろうとしたが今度はその手を行き良いよく引っ張られる。
「わっと…?!」
変な声と共に青年に後ろからギュッとぬいぐるみのように抱きしめられていた。
ぐぐぐと力を込めて抜け出そうとするが無理だった。
「……ッ!こいつ…めちゃ力強いな…」
疲れるだけだと判断し抵抗はやめた。
「暖かいしまぁいいか。目が覚めたら雑用決定だな。」
ふぁ…
欠伸をしながらゆるゆると眠りについた。
本当に今日はつかれた…
コメント
1件
うわ、雨草さん、続き読んだよ……! なんかもう、いきなり重たい雰囲気から始まったけど、主人公が「とりあえず助ける」ってサラッと動いてるところ、めっちゃ良いよね。泥まみれの未知の相手にここまで手を貸せるの、すごく優しい世界だなって思った。 それに、寝てる間に「助けて」って言われて、ちゃんと「助ける」って返すシーン、心臓ぎゅってなった。ここにいる限りは、っていう距離感も好き。最後に無理やり抱きしめられてるのも、なんだかんだ許してる感じがほっこりしたよ〜。 次、どうなるんだろう。続きが気になる!
n217(エヌ・ニイナ)
しめさば
#ファンタジー