テラーノベル
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その日、スタジオの空気は微妙だった。
いつもなら和気あいあいとしているはずの収録前。
でも今日のりうらとIfの間には、目に見えない火花が散っていた。
「おはよ、しょーちゃん」
りうらが自然体の笑顔で初兎に声をかける。
「……おはよう」
その直後、Ifが少し低い声で同じく挨拶をする。
(あれ……なんか空気、ピリついてる……?)
初兎は間に挟まれて、視線を泳がせた。
そして収録の合間、事件は起こった。
「しょーちゃん、喉乾いてない?これ、あげる」
りうらが初兎にドリンクを差し出す。
「ありがと~!」
にこにこ受け取る初兎の頭を、優しくぽんぽん撫でるりうら。
その瞬間——
「……あんまり触りすぎないでくんない?」
Ifの声が低く響いた。
「え?」
「それ、俺も今朝やろうと思ってたし。……先に取られたけどね」
「なんだよ、別に触るくらい、普通でしょ」
りうらが一歩前に出る。表情は柔らかいけど、目が笑ってない。
「“普通”かどうかは、初兎が決めることだろ」
Ifも一歩、距離を詰める。
「ちょ、ちょっと待って!?えっ、なになに!?なんで雰囲気こわいの!?俺何した!?」
初兎が両手をぶんぶん振って止めに入るが、二人の視線は逸れない。
「りうら、さ。お前、最近ずるくない?」
「それはまろもでしょ」
「俺は……ずっと、初兎の“あざといとこ”も、“本音”も、全部好きでいたんだよ」
「……だったらもっと早く言えばよかったのに」
初兎は完全にパニック状態。
(やばい……俺のせいで……修羅場、始まってる……!?)
でもその時。
「待って!!!二人とも、落ち着いて!!!」
初兎が声を張る。
それに驚いたのか、二人の動きが止まる。
「俺は……二人とも、大事だし……どっちも好きなの!!だから、ケンカしないで……!」
沈黙。
「「……どっちも?」」
Ifとりうらが同時に口にする。
「そ、そういう“好き”じゃなくて!いや、そういうのもあるけど!いや、違くて!うわああああ!!」
顔を真っ赤にしてうずくまる初兎。
その姿を見て、りうらとIfは、同時にふっと笑った。
「……やっぱ可愛いな、しょーちゃんは」
「ほんまにな」
そして次の瞬間には、二人が左右から同時に、初兎の頭に手を置く。
「これから毎回どっちになつくかで争奪戦だね?」
「もちろん、俺が勝つけどな」
「やめて~~~~!!!」
こうして、”いれいす三角関係ラブコメ(修羅場つき)”は幕を開けたのであった——。
コメント
2件
私も大好きなので、喜んでもらえて何よりです(๑•̀ㅂ•́)و✧
白様愛され・・・・・新作をありがとうございます・・・ これで私は明日からも生きていけます・・・・ゴブッ₎₎吐血 (´;ω;`)ウッ…