コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
──昨日でたスキコイ読んだ〜?
──まだ読んでない〜
──買うの忘れてた!
──帰りに本屋寄ろ〜
そんな風に溢れ返る漫画の話。宮女で今流行ってる漫画だ。確か少女漫画だったか。男子がいない為、少女漫画が流行りやすいのだ。
「まふゆは読んでないんだっけ」
「うん。スキコイだっけ」
「そう、『好きから恋が始まるんです!』」
「へぇ〜……」
好きと恋を取って、好き恋か。勿論興味はないので、買ってもらう気はないし、例え言ったとしても買ってはくれないだろう。お小遣いで買う気もない。
「まふゆにも貸してあげるよ。丁度友達に貸したのが返ってきたから」
「え、いいよ。なんだか申し訳ないし」
「絶対ハマるから、まふゆも読んで!」
本を押し付けられたので、仕方なく受け取る。
これとこれも。と、二巻と三巻も渡され苦笑する。心情が関わってくるようなものは感想を伝えにくいのだが。
「どんな内容なの?」
「ヒロインの音寧ちゃんがね、クールな天才イケメン夏に告白するところから始まるの!」
そして、天才は告白を了承。しかし、一月たっても恋人同士であるのに好きも何も伝えない、それだけでなく行動を起こさない天才に違和感を持ち、問いかける。どうやら恋愛感情というものが分からないらしく、今までそれが理由で別れてきた。ならば私が恋愛感情を教えてあげようとヒロインが言って始まる物語だという。
「これが一話。どう、興味持ってもらえた?」
「……うん。読んでみようかな」
「やった。絶対面白いって思うから、読んで読んで」
「うん、ありがとう」
恋愛感情、か。
別にそれが知りたいわけではないが、少しはきっかけになるのかもしれない。漫画を通して何かを学べたら幸運だろう。そう思って、私は漫画を借りることにした。