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――夕方。
花屋。
店内には、ほんのり花の香り。
愛空「……ここ好き」(周りを見ながら)
樹里「ありがと」(花を整えながら)
愛空「落ち着く」
樹里「そう言ってくれる人、結構いるよ」
愛空「樹里さんっぽい」
樹里「どういう意味?」
愛空「強そうだけど、優しい感じ」
樹里「……強くなんてないよ」
愛空「あるって」(即答)
――少しの沈黙。
愛空は、ふと口を開く。
愛空「……ウチさ」
樹里「うん」
愛空「好きになった」
樹里「…えっと…高良さん?」
愛空「うん」
樹里「そっか」
愛空「最悪でしょ」(笑う)
樹里「……うん、まあね」
愛空「共感はして、否定しないんだ」
樹里「しないよ」
愛空「優しいね」
樹里「優しくないよ」(小さく笑う)
――その顔は、どこか寂しそうだった。
愛空「……樹里さんってさ」
樹里「なに」
愛空「恋、してる?」
樹里「……してるよ」
愛空「蓮くん?」
樹里「……うん」(少しだけ間)
愛空「……」
樹里「でもね」
愛空「?」
樹里「ちゃんとしてない恋だよ」
愛空「……どういうこと」
樹里「……結婚してるの、私」
愛空「……え」(固まる)
樹里「旦那がいる」
愛空「……」
樹里「でも、うまくいってない、浮気されちゃってね…」
樹里「昔はすごく仲良かったんだけどね」
樹里「今は……もう、なんか違う」
愛空「……」
樹里「最低でしょ、私」(笑う)
愛空「……別に」
樹里「え?」
愛空「人ってそんなもんじゃない?」
樹里「……」(少し驚く)
愛空「好きになっちゃうのは仕方ないし」
愛空「どうしようもないじゃん」
樹里「……そうだね」(静かに)
――2人の間に、妙な共通点が生まれる。
愛空「……似てるね、ウチら」
樹里「……似てるね」