「お邪魔します、って本当に料理作ってもらって良かったの?」
はいデザートに、と渡されたものを受け取りながら適当に座っててと促す。
ごめん大森くん、料理というほどのものではないし、これから食べられちゃうのは君です、と心の中で謝っておく。
「あんまりお店だとゆっくり話とか出来ないかなって···あ、お酒用意してるんだけど1杯だけでもどう?」
ここで断られると計画は失敗してしまう···祈るような気持ちで見つめる俺に大森くんはほんの少し目を見開く。
「じゃあ、1杯だけ」
良かった···ほっとしてグラスについで、大森くんにあれ取ってくれる?なんてお願いして見ていないうちに薬を入れる。
あとは楽しむだけ···無事に出来たパスタを美味しいねぇ、と言いながら食べる姿も可愛らしい。
あの薬はすぐに効果が出てくる、それに本当に効いた。
なんで知ってるかというと自分でも試したからだ。
感度が上がって、何回もいってようやく収まって、そのあとは気づいたら寝ていたくらい···大森くんのそんな姿が見れると思うとそれだけで背中がゾクリ、としてしまう。
なのにどうしてか、お酒も進みやっぱりもう1杯貰おうかな、なんて大森くんの顔色はちっとも変わらない。
「風磨くん、酔った?顔赤いね」
「うぇ···?」
テーブル越しに大森くんの指が伸びてきて、俺の頬を撫でる。
「んっ···!」
ヘンな声がでて、思わず口を押さえる。なんで顔が熱い?なんで少し触れられただけで心臓がバクバクして、下半身が熱くて···これ、まるで薬飲んだ時みたいな···。
「ごめん、酔ったかもしれない···っていうか大森くんって、お酒弱いんじゃないの···?」
「ん?俺、飲まないだけで飲めないわけじゃないし弱くもないよ?」
んふふ、と残りのお酒を煽り、ごちそうさまでした、とお行儀良く手を合わせるその表情は本当にいつも通りで。
「ふーまくんさぁ、俺に何飲ませようとしたの?」
「は、え···っ」
「グラス、交換しておいて良かった。別に風磨くんを疑ってたわけじゃないけど、そういうカン みたいなのが昔から効くんだよね」
マジで?嘘でしょ?上手くやったと思っていたのは俺だけでお見通しだったってこと?それに薬飲んだのは俺?
頭がぼんやりして身体が熱くて上手く考えが纏まらない。
「なんか挙動不審だし、お酒なんか勧めてきて、薬入れたあと?なんかホッとしてたよね?ふふ、分かりやすいの可愛い」
向かい合ったテーブルのした、大森くんの足が俺の下半身に伸びで硬くなったそこに足をぎゅっと押し付けた。
「んあっ···!や、めて···あ、だめ···」
「めちゃくちゃ反応してる、かわい」
器用に撫でるように押しながら上下に足を動かされてそれだけですごい刺激でいきそうになる。
足を押さえながら、けど気持ちよさに力が上手く入らない。
「ごめん、媚薬···入れたつもりだった、大森くんにヘンな気持ちになってほしくて···あの日キスなんか、俺にするから···!」
「ふぅん、そうだったの?なんにも言わないから俺になんか興味ないのかとおもってた···ごめんね、気づかなくて」
「だからやめろってぇ···」
「薬なんかなくても充分風磨くん見てるとヘンな気持ちになるよ、良かったね、嬉しい?」
嬉しそうに笑って優しい言葉が並ぶのに足の力は強くなって器用に俺のを挟んでぐりぐり、と刺激する。
ヘンな気持ちになる?
大森くんこんな俺のこと嫌じゃない?
嬉しいけどこれ以上は無理と椅子をひいて立ち上がろうとした瞬間を大森くんは見逃してくれなくて···ぐりぃ、と強く押された瞬間に自分のがぬるぬるとして足の刺激とで、頭が真っ白になった。
「んんぁっ、だめだって···!」
ビクビクとそこが震えてパンツの中が温かくなって机に身体を預けてしまう。
「あれ?風磨くんもしかしてイッちゃった?」
わざとらしく心配するような声を出しながら俺の隣に立つと顔をぐい、とそちらに向けられる。
「んふ、かわいい。けどまだまだ出来るよね?」
舌を絡めるようなキスをされて、ちゅ、と音が鳴る。
耳を触られながらのキスにまたそこに血が集まるのを感じた。
俺はこれからどうなる?
大森くんの口元はニッコリと口角が上がっているのに、その瞳は獲物を見つめるように熱くてギラリと光っていた。
コメント
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あちゃー⋯飲ませるつもりが、逆に媚薬を飲まされちゃったのか。どうなることやら?