🦊「 、、俺そんな風に思われてたんだ… 」
小さい声でブツブツと喋るヨンジュンさんは僕の横に並んで歩いている
1歩踏み出す度に揺れるピアスが怖い
🐰「 あ、えと…僕、家ここなので… 」
🦊「 …ん?あ、奇遇じゃん。俺もここ! 」
嘘でしょ?
同じアパートに住んでるなんて聞いてない
🐰「 僕、ここなので… 」
🦊「 俺この隣だよ 」
しかもお隣さんだなんて…!!!
最悪だ…
なんで今まで気付かなかったんだ
馬鹿だな僕は
まあ、この人よりも早く学校に行って早く帰ればいい話
よし、そうしよう
🦊「 スビナ 」
🐰「 は、はいっ…! 」
🦊「 明日一緒に行こ。おやすみ 」
家に入ろうとした僕を呼び止めたヨンジュンさんはそれだけ言って僕の返事も待たずに自分の家に帰って行った
🐰「 えっ、ぇ…? 」
どうしよう…勝手に約束されちゃった…
これ破ったら殺されるよね絶対…
🐰「 はあ… 」
なんか疲れた。今日はもうお風呂に入って寝よう
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カーテンの隙間からさす太陽の光が
朝だということを僕に教える
🐰「 ん、…?いまなんじ… 」
時計を見ると6:30
まだ学校まで時間はあるが、何をしようか…
特にすることも無いので傍に置いてあったスマホを手に取って画面を付ける
夢中になりすぎていたのか気付くと
8:00を過ぎていた
🐰「 ?!やばっ 」
急いで準備をして玄関を出る
扉の鍵を閉めた所で昨日の約束を思い出した
🐰「 …もう行ってるかな? 」
いや、あっちから約束したんだから
置いていくことは無いだろう
🐰「 … 」
少し怖いが意を決してインターホンを鳴らす
…..も、一向に返事は来ない
まだ寝てるのかな?
倒れてたらどうしよう?
どうしても心配でドアノブに手をかけた
すると鍵は閉まってなく、扉は簡単に開いた
🐰「 …嘘でしょ 」
鍵閉め忘れてた?一日中開いてたってこと?
こんなのいつ不審者が入ってもおかしくない
僕は恐る恐る中を覗く
🐰「 ヨンジュンさーん…? 」
返事は無し。
チラッと靴箱を見るとその上には1枚の紙が置いてあった
そこには
『スビナ
俺起きれないから起こしてね』
と書かれていた
🐰「 ああ…そういうこと 」
僕は早足でヨンジュンさんの部屋に行く
そして扉を開け ぽこっと膨れている
シーツを優しくポンポン、と叩く
🦊「 んー、… 」
🐰「 ヨンジュンさん…朝ですよ。起きてください 」
🦊「 あさ、んん…あと5分… 」
ヨンジュンさん、朝弱いのか…
チラッと部屋に飾られている時計を見れば
残り15分しかないということを示していた
🐰「 駄目ですっ!あと15分しかないです!起きてくださいっ 」
この人が早く起きないと僕まで遅刻してしまう
🦊「 んぇ!?やばっ!遅刻するっ!! 」
そう言ってガバッと起き上がったヨンジュンさんの頭は寝癖がピョンピョン跳ねていて可愛い
…ん?可愛い?
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
🦊「 はあ…はあ…間に合った… 」
全速力で学校へと走っていった僕達は
何とか間に合った
🦊「 はあ…本当ごめん…朝弱いって伝えるの忘れてた… 」
🐰「 いえ…あっ、HR始まっちゃいますよ 」
🦊「 あっ!そうじゃん!じゃあまた!お昼そっち行くから待っててね! 」
そう言って自分の教室に走っていった
なんて忙しい人なんだ…
てか、またヨンジュンさんと一緒なのか
…なんでだろう。嫌じゃない
昨日までは嫌いだったのに。
🐰「 …?まあいいや 」
僕も急いで自分の教室へと戻って行った。
昼を知らせるチャイムが鳴り、
一気に教室が騒がしくなる
そんな中僕は自分で作ったお弁当をカバンから取り出しヨンジュンさんを待つ。
キャーキャーと急に女子が騒ぎ出したので
チラッと女子達の方を見ると
🦊「 ごめん、スビンって子このクラスだったよね? 」
👩🏻 は、はい…そうですっ!
🦊「 ありがとう 」
そう言ってニコッと笑顔を見せると
女子達はさらに騒がしくなった
👩🏻 あ、あの…かっこいいですね… //
🦊「 ん、俺?ありがとね 」
モヤッ。
?…なんだ、今のは。
なんでこんなに心がモヤモヤするんだろう
🦊「 …!あっ、スビナ! 」
ヨンジュンさんは僕を見つけれて嬉しいのか
ニコニコで手を振っている
女子からの視線に耐えれないので
早くこの教室を出たい。
僕はそそくさと弁当を持ちヨンジュンさんの所へ向かった。
🦊「 はー…つかれた!ここ来て正解! 」
僕達が向かったのは屋上。
ヨンジュンさん曰く
ここに入るのは禁止されているらしいけど
いつも入ってるから大丈夫、らしい。
🐰「 ヨンジュンさんってモテモテなんですね 」
🦊「 そうなの?俺そういうのわかんない 」
ヨンジュンさんは菓子パンを頬張りながら
そう言った
無自覚沼男か。見た目からでは決して想像できない中身だな…
🦊「 てかヨンジュンさんってなんか嫌だ。ヒョンって呼んでよ 」
🐰「 えぇ…それは… 」
🦊「 なんでぇ。俺の事まだ怖い? 」
🐰「 …はい、ちょっとだけ…。 」
🦊「 んー…いつになったら心開いてくれるのぉ… 」
口を尖らせながら喋る彼は
アヒルみたいで可愛い
怖いというのは嘘で、今は全く怖くない。
🐰「 ふふ、嘘ですよ。もう怖くないです 」
🦊「 ほんと?!心開いてくれたの?? 」
🐰「 はい 」
🦊「 やった…じゃあ連絡先っ!交換しよ!あとヒョンって呼んでね! 」
🐰「 ヒョンって朝弱いんですね 」
🦊「 そうなんだよぉ…だからいつも遅刻してる 」
帰り道 僕より少し低い位置にある
ふわふわとした髪の毛に声を落とす
🐰「 じゃあ今日は僕のおかげですね 」
🦊「 明日も起こしてね? 」
🐰「 はい。毎日起こしてあげますよ 」
🦊「 へへっ 」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今日もヒョンの家に行き、
まだ寝ているヒョンを起こしに行く。
🐰「 ヒョン、起きてくださ〜い。朝ですよ 」
🦊「 ん、ゃ…むり、おきなぃ… 」
🐰「 あ、こら 」
うにゃうにゃしながら布団の中に潜っていくヒョンを阻止する
🦊「 やーぁ、さむい…! 」
🐰「 ラーメン作ってきました。食べますか? 」
🦊「 …!ラーメン、!たべるっ 」
ヒョンはラーメンが大好物らしい
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