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「こんにちは、常磐 理仁さん」
「君は……」
「この前はどうも~。来ちゃいました。お誘いありがとうございます」
「あ、ああ」
普段よりもオシャレして、化粧もバッチリ。理仁さんにどう思われてるのか聞いてみたい。
「やっぱり理仁さんは常磐グループの御曹司だったんですね。色々なスクールに電話して、ここにいるってわかりました~。インストラクターお願いしますね。私にピッタリの先生は理仁さんしかいないから」
名前で呼んでしまったけど、その方が親しみを感じるだろうし、嬉しいよね。
「……あの、都田さん」
「もみじでいいですよ~。そんなかしこまらずに、もみじって呼んで下さいね」
「……では、もみじさん。今日は双葉……さんは一緒じゃないんですか?」
「私1人ですよ。双葉ちゃんは仕事なんです」
今、双葉のことなんて聞かないでよ。
目の前の私だけを見て。あなたのために朝から頑張って綺麗にしてきたんだから。
「そ、そうですか」
「あの子、普段は保育園に結仁を預けてるんですけど、いつも私に子守りを押し付けたりしてちょっと困ってるんです。私は自宅で小説を書いてるんで、結仁を見ることはできますけど……」
「結仁君はとても可愛いお子さんですね」
「会ったことあるんですか?」
「……ええ、一度だけ」
「双葉ちゃんは、家では私に何でも頼ってきて、なかなか一人暮らししようとしないし。あっ、でも、私は別にいいんですよ。私が役に立てればいいかなって思ってるんで」
ニコニコ笑顔、きっと理仁さんに刺さってるはず。
「もみじさんは、双葉さんを大切に思ってるんですよね? それとも、彼女に対して何か思うことがあるんですか?」
理仁さんの表情が少し曇った。
「ま、まさか! 私達は仲良しです。ただ、双葉ちゃんは……人前では優しいけど、2人になると私に冷たかったりするんで、最近ちょっと悩んでて。そんな時に理仁さんが優しくしてくれたから、私、嬉しくて。あの、良かったら、これから私の相談相手になってもらえませんか?」
理仁さんが側にいてくれたら、私は何でも頑張れる。
こんなイケメンを毎日見てたら、小説のアイデアも自然にどんどん湧いてきそう。本物のイケメンパワーはやっぱりすごい。
「すみません。あなたの相談相手には……なれません」
「ど、どうしてですか? 私、理仁さんのこと、好きになってしまいました。一目惚れしたんです。今もこんなにドキドキして……。だからお願いです、私の話を聞いて下さい」
うわ、つい告白しちゃった……
この気持ち、覚えておかないと。本物の「告白」、細かな心情までちゃんと描写したいから。
「もみじさん。それは、今ここでする話ではないので、改めて」
「だったら携帯番号教えてください。電話します」
「……わかりました。名刺をお渡しします。とりあえず今日は」
「嬉しいです! あ、私、入会したいんですけど、どうすればいいですか?」
「……ご案内します」
「私、理仁さんがインストラクターになってくれたら頑張れちゃいます」