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大阪の街に夕暮れがゆっくりと訪れていた。
三城真理亜(みき まりあ)は、重い気持ちを抱えながら叔母の三城真理恵(まりえ)と共にシェアハウスの前に立っていた。
三城真理恵(以下真理恵):「真理亜、お願い。しばらく私の代わりに管理人をやってくれへん?」
真理恵は少し疲れた表情で言った。彼女は昼間は会社員として働き、夜はこのシェアハウスの管理人を務めているのだが、今度数週間の出張が決まったのだ。
三城真理亜(以下真理亜):「えぇ!?私が?そんなの無理やよ!勉強もあるし、シェアハウスなんて怖いし……」
真理亜は声を震わせながら断った。記憶障害を抱えていて、幼い頃の記憶が一切ない彼女にとって、このシェアハウスは未知の世界だった。
真理恵:「分かってる。でもお願い。住んでるみんなもあなたと同じ高校生やし、私が話したら協力してくれるって言うてたし」
真理恵は真剣な目で言った。
しばらく沈黙が続いたが、最終的に真理亜は渋々頷いた。
真理亜:「……分かった、でもすぐ無理やって思ったらやめるで。」
真理恵:「良いわよ。ありがとう。」
中に入ると、7人の男子学生たちがリビングで談笑していた。
彼らはみんな、真理恵がそれぞれの事情で保護した子どもたちであり、このシェアハウスを第二の家として大切にしていた。
西畑大吾(以下大吾):「やぁ、君が新しい管理人さん?」
西畑大吾が真っ先に声をかけた。真面目そうな表情だが、どこか優しさを感じさせる。大吾は小学2年生の頃、親に虐待されたところを真理亜が助けてくれたという過去があったが、真理亜はその記憶がない。
真理亜:「はい……三城真理亜です。よろしくお願いします。」
真理亜は小さくお辞儀をした。
藤原丈一郎(以下丈一郎):「俺は藤原丈一郎。よろしくな。」
大橋和也(以下和也):「大橋和也や。気軽に和也って呼んでな。」
高橋恭平(以下恭平):「高橋恭平やで。イケメン担当や」
大西流星(以下流星):「大西流星や。よろしくな!」
道枝駿佑(以下駿佑):「道枝駿佑や。みんなのムードメーカーやで。」
長尾謙杜(以下謙杜):「長尾謙杜や。元気だけが取り柄や」
それぞれが自己紹介をし、和やかな空気が流れる中、真理亜はなんとか緊張を抑えた。
真理亜:「……みんな、よろしくね」
彼女は心の中で決意した。ここで新しい一歩を踏み出す、と。