テラーノベル
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💗視点
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始まりがあれば終わりもある
付き合い当初に報告して
取り敢えず公私混同しないなら、とのお達し通り、仕事は仕事としてきちんとこなしてきたつもり
街中でちゅうしてるとか決定的な何かがなきゃ噂で止まるし、実際、酔った席でメンバーとちゅうしても笑いのネタで終わってるから、案外バレないもんなのかもね
まぁ、うちは普段からメンバー同士が仲良くて、距離も近いからなぁ
別れても、公私混同しなきゃ何とかなるでしょ
皆には気まずい思いさせちゃうかもしれないけどさ
なんて、思ってた
別れてから3日目
俺はずっと薄いカラーの入った眼鏡をかけて過ごしてた
ふとした時に蓮との思い出を振り返って、つい泣いちゃう事があって…まぁ、最終的にはあのキスシーンが浮かんで消えて、なんか心ん中がぐちゃぐちゃになるんだけど
異変は不意に泣けてくるだけじゃなくて
気付けばシャチをお腹に抱きながら、ぼーとしてたら何時間も経過してたり、ショートスリーパーで3、4時間で回復する俺が昼も夜もやたら眠かったりと、心が身体にも影響しているようだった
それが顔、とくに目に出ちゃってたから、なるべくそれを隠すための眼鏡だ
ラジオのスポンサーが眼鏡屋さんだから丁度宣伝にもなるしね
目の調子が悪くて、て理由をつければ番組にもよるけど、結構許される
俺らの仕事は強いライトにさらされるから、光過敏症を発症する人も多い
昔はサングラスかけてるだけで「生意気だ」「ガラが悪い」とか言われてたけど、今は理解を示してくれる人も多くて助かる
今日はYouTubeの撮影で
全員とまではいかないけど、メンバーと一緒の仕事だからさ、別れた報告はしといた方が良いかなぁって思ってた
収録メンバーは深澤とあべちゃん、こーじ
場所は鎌倉のあるお寺
時期が時期なら紫陽花がめっちゃ綺麗でさ
敷地も広いから巡るのも自然を満喫出来ていいし、高台から見える景色も良いんだよね
自然や神聖な空気に触れて日々の疲れを癒そうって企画
あと、これからのSnow Manの活躍を願って
実力だけでなく神様、仏様にも見守ってもらおうってね
報告に関しては、ちょっと気まずいけどさ
隠しても意味ないし、今の状態で付き合ってるからって気を遣われて蓮と2人とかにされたらキツいし、正直、こーじと一緒なのも気が重かった
そんな俺を察してか
あべちゃんがずっと側にいてくれて
昔からさぁ本当に優しくて世話になりっぱなしなんだよなぁ
いつ報告しようかなぁって思ってたら、機材トラブルでちょっとだけ時間があいた
撮影許可のおりてるお寺近くの駐車場で
車ん中で待機中
カメラが回ってない事、回りにスタッフがいない事を確認して、口を開こうとしたら運転席にいたこーじがこっちを向いた
「さっくん、ほんまごめん」
狭い空間で必死に頭を下げるこーじに面食らっていると、助手席にいた深澤もこちらを向いた
その表情から、事の経緯を聞いたんだって分かった
俺の腕をあべちゃんが優しく掴む
あべちゃんを見ると
「ごめん。ふっかと照には俺が話した」
いやに神妙な顔してるから、俺は笑ってしまう
深澤や照はグループをまとめる上で中心として動いてくれるから、知っておいた方が良いとあべちゃんが判断したんだろう
「あ、じゃあ、俺も報告ね」
どういうか迷ってたけど、シンプルが一番なんだろうなぁ
「俺、蓮と別れた」
俺の発した言葉に
全員がびっくりして、目を見開いてた
「なっ…えっ、それやっぱ…俺の…」
こーじの顔がみるみるうちに雲って、青ざめていくのが分かった
「あぁ…まぁ、切っ掛けはね。でももう済んだ事だし」
後先考えなかったこーじも
俺なら許してくれるって勝手に思い込んでた蓮も
小さな事だと思いつつ、情けなくなるぐらい頭に焼き付いて離れない光景を見過ごせない俺も
原因なんてもんは、
どれか一つじゃなくてさ
始まりも終わりも色んな事が重なってるもんなんだ
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必死に吹っ切れてるフリする俺の言葉に
「…そんな…」
こーじはがっくりと肩を落としてた
俯きがちな視線には何が映っていたんだろう
「…そんなん…めめが、可哀想や…」
ぽつりと漏れた言葉はきっと誰に聞かせるつもりもなかった
ただ心の声が漏れた
そんな声色とトーンだった
それに逸早く反応したのは「康二!!」
あべちゃんだった
鋭い声に思わず俺の方が「うぉっ」変な声を出してしまったぐらいだ
前のめりになるあべちゃんをシートに押さえつけるように制止する
「だって…そんな簡単に、終わる…もんなん?そんな、想い、で…めめは…さっくんが大好き、で…」
言葉が途切れ途切れになっていく
こーじの目に涙が浮かび、ぽろぽろと頬を伝って零れ落ちていくのを見て、また、頭に浮かんでくる
涙を拭う指先
屈んだ蓮と、触れる唇
鮮やかに
色褪せる事なく
俺に、どうしろと?
頭の中で何度も再生されながら
恋人として素知らぬフリをして
キスして
エッチして
普通に過ごせって?
「無理なんだよ」
どんなに好きでも
どんなに想っていても
「俺も、大好きなままだよ」
「だ、だったら!!」
「でも、無理なの」
そんなの続けていたら、俺は壊れる
心が、壊れちゃうんだよ
「食物アレルギーみたいなもんかなぁ」
諦めたように笑ったら、車内が静まり返った
俺、そんな変な顔してたかな?
深澤はじっと俺を見て、一つ溜め息を吐くと
「康二、ちょっと散歩しよっか」
悔しそうに唇を噛んで、泣いてるこーじの腕を叩いてから車外に出た
運転席にまわり、こんこんとノックをする
こーじは乱暴に服の袖で涙を拭うと、大人しくドアを開けて、降りていった
残された俺はあべちゃんから腕を離すと、深くシートに凭れて
「ごめんね、変な空気にして」
車のサンルーフを見ながら、あべちゃんに謝罪する
仕事前に有り得ないよね
公私混同しないって決めてたのに
「佐久間が謝ることじゃない」
あべちゃんも俺と同じように、シートに凭れて上を見た
サンルーフから見えた空は快晴で、雲一つ見当たらない
「本当に…別れたの?」
「うん」
「そっか」
「うん」
沈黙が訪れる
こんなに静かなのに、誰もつっこまない
不意に、あべちゃんの手が俺の手を握った
「慰めてる?」
「そうだよ。俺は、優しいから」
こっちは見ない
俺は、ふふって軽く笑って、その手を握り返した
俺は大丈夫だよ
そう言おうと思ったけど、嘘だから止めといた
「綺麗な空だね~」
「快晴ってさ、一円玉天気とも言うの知ってる?」
「一円玉?」
空とは関係なさそうなのに?
「そう。一円玉はそれ以上小さく崩せないでしょ?今みたいに雲が全くなくて、崩れる気配がないほど安定した状態ってことでそう呼ぶんだって」
ぼんやりと眺めながら、あべちゃんが落ち着いた口調で教えてくれる
別れ話を追及する事もなく
何事もなかったように接してくれる気遣いがありがたかった
「俺が番宣とかでクイズ出た時とかに出題されないかな」
「されたらいいね。俺はたまに佐久間から聞いた話で答えられる時あるよ、動物問題とか」
「えー、それ何か嬉しい」
こーじの事は深澤に任せて
俺はあべちゃんと他愛もない話をして、笑いあってた
こうやって
優しさに救われていくんだ
一人じゃなくて、良かった
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ただ普通に慰めるのではなく、そっと寄り添うように側にいる
うちのさっくんは阿部ちゃんの気持ちを知らないのでひたすら優しい親友感覚でいます
阿部ちゃんもそれを分かった上で、まったりした空気でいられるようにしている感じ
気象予報士なんでね
快晴蘊蓄を語らせてみました(笑)
コメント
4件
一円玉天気の話知らなかった!タメになる|•'-'•)و ふっかは何を康二と話すのかなぁ~ あとこのメンバー見て麦とろ食べたいと思った(感想とは)
瀬良さんの小説が凄すぎて、何だかこーじが嫌いになりそう🤣笑 ってくらいさっくんに感情移入してます… 別れた(フラれた)時の友達の存在、ほんと大事‼︎ わたしがさっくんならあべちゃんに惚れてしまうー💓💓