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拾われたあの日から、数十年もの時が流れた。時の中で、私は様々な経験をえて仲間を作っては、邪魔者を消した。一人で消せない敵がいれば、仲間と一緒に敵を倒し、最後にはその敵の身体を…どうしてそこまでして、倒したかったのか私には分からなかったがそんな事を考えるうちに時は川の流れのように止まることを知らず、あっという間に私は強くなった。強くなる代償として、敵対してた弱い小国がいなくなり、孤立する事が多くなり皆から警戒されるようになった。

「黒鷲のせいで、ヨーロッパの体制が危ういんじゃないか」

「黒鷲がヨーロッパ全体を支配するとしたら…」

そんな噂をよく耳にするようになったが、私としてはそんな噂話のような野望なんてない。気がついたら生き残ってたような存在なだけの私を棚に上げて、さぞ悪役かのように扱っている。

「噂を広めて何になるのだろうか」

遠くからお互いに私を見てくる者共を見て、そう思う日がよく出てくるようになった。


ある日、また各国で噂が広がっていた。耳をよく研ぎ澄まし聞くと、今まで聞いていた噂話ではなかった。

「フランス帝国がブルボン王朝を…」とか

「もしかしたら、こちらにも攻めてきて…」とか。…聞き覚えのある「フランス帝国」という名に初めて身体が反応した。身体が小刻みに震える。思い出した時の感激的な感情かそれとも…恐れなのか…たかが噂話でこんなに心と身体が揺れ動くことがあるとは。

「あの日以来だな…プロイセン。」

聞き馴染みがある声が背後から聞こえる。オーストリア公国だ。奴とはポーランド分割以来会わなかったが、奴から声をかけに来るとは思わず少し驚いた。

「珍しいな。貴様からそのような顔をするとは」

「私になにか用か?」

「用も何も…ただフランス帝国の噂についてお前からも意見を聞かせたいと思ってな」

くだらない事でわざわざ話しかけに来た奴は、相も変わらず少し鬱陶しいとは思いつつ、軽くあしらう様に答える。

「なんとも思っていない。たかが噂話…それだけで騒ぐ暇なんぞない」

「やはり、貴様らしい答えだな」

満足したのか、その場を後にした。でもまさか…そんな噂話が

現実になるとは…知らなかった。

神聖ローマ帝国がフランス帝国によって倒れ、その影響で弱い傀儡小国たちが餌食となり、残るは私とオーストリア公国、そして他の数国もの小国たちだけとなった。フランス帝国に立ち向かおうと、それぞれで協力して行動を起こそうとしたが、お互い考えの違いがあり中々ひとつになって倒す事ができず、最終的にはバラバラになって逃げ惑ったり、抵抗するために戦ったりとなった。

私は後者を選んだ。彼との約束を果たすために…必死に抗った。抗い、抗い、やられても重い傷を負っても抗い続けた。けれど…いくら戦ってもフランス帝国の勝利にしか向かず、体力も限界に近くなり、私には戦うという意思さえ無くなった。

動けなくなった脚が崩れ、後ろにあった小さな崩れかけた壁の後ろに背中を預けて寄りかかった。震える両手の手先と肩、荒野とかした戦場、味方が居なくなった絶望感、灰色とかした希望も見えない空…何もかもがあの日と同じなのに…私の心は違った。

「お、こんな所にいた。や、プロイセン」

馴れ馴れしく、私の名を呼んだのは…紛れもないフランス帝国だった。初めて身体が跳ねる感覚を知り、今までにない震えが身体中に広がる…

「そんな怯えなくてもいいんだけどな。大丈夫、君を生け捕りにしてその後で殺してあげるから」

目の前に敵わない敵がいて、手も足も出ないとはこの事か…そう実感しつつ死を覚悟したその時……



続く

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コメント

1

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なんかセンシティブ認定されてますが…読んでくれたら幸いです😭 (テスト期間で浮上できなかった)

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