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#ご本人様には関係ありません
柔太郎が熱をだしてから3日後ー
結局熱が下がらなかったらしい柔太郎は、俺が部屋に行った翌日に病院に行って点滴をしたらしい
そのおかげか3日前に見たときの彼よりも今日の彼は幾分か体調がよさそうに見えた
目の下のクマはまだ存在しているが、それも以前よりはマシになっているところをみると、休んでいる間一応ある程度の睡眠はとることができていたのだろう
太「じゅうたろ~う‼お前おらんかったからさみしかったでぇTT 体調はもうよくなったん?」
柔「迷惑かけちゃってごめんね。病院で点滴もしてもらったし薬も飲んでるから、もう大丈夫だよ。ありがと」
舜「謝ることちゃうよ。体調悪くなるんは誰でもあることやし。柔が元気になってくれたんやったらそれだけで十分よ」
太「ほんとそう!俺がボケても柔太郎みたいに笑ってくれる人おらんかったから、復活してくれてよかったわ~!」
勇「柔太郎が休んでる間、マジでずっとそれしか言ってなかったよな笑。でも元気になってホントよかった…。無理はすんなよ」
柔「ありがと、はやちゃん」
メンバーが次々に柔太郎に話しかけに行く
俺も行かなきゃ不自然なのはわかっているのに、俺から声をかけても気まずい雰囲気になってしまうんじゃないだろうかと思うと、柔太郎のほうへ行くことが躊躇われる
悶々と考えていると、柔太郎と目が合ってしまった
仁『っ…。』
どうしていいかわからず、目を逸らしてしまう
彼がこちらに向かってくる気配がする
内心慌てている俺の目の前に彼が立つ
柔「…仁ちゃん、お見舞い来てくれてありがとね。おかげで元気になったよ」
いつものような優しい声で俺に礼を言う柔太郎
逸らしていた目線を再度彼に向ける
その目は柔らかく細められていて、彼があのとき言った「元の俺に戻る」を実行しようとしているのかもしれないと頭の片隅で考える
仁『…いや、全然。よくなったんならよかった。…まぁ、無理しすぎるなよ』
そう伝えると一瞬、あの整った眉が歪められたがすぐに元の穏やかな表情を作って
柔「うん、仁ちゃんもね。すぐ無理しすぎるから。…おいちゃんなんだから、無理しちゃだめよ」
…ん?
俺が突っ込むよりも先に、俺たちの会話を聞いていたメンバーが笑いだす
太「確かに!仁人、体力ないからな笑」
勇「誰よりも喉とかちゃんとケアしてんのに、すぐ鼻声なるし」
舜「年上のはやちゃんより、すぐバテるしなぁ笑」
おいおいおい?
仁『おいちゃんはやめなさいよ。俺は普通!お前らがバケモンすぎんの!俺はもう三十路に片足突っ込んでるんだから!』
俺の返しがおかしかったのか、メンバーが手を叩いて笑いだしたり、太智なんて「笑いすぎてつった!」って言いながら腰やら腹やら擦ってるし
なんなんお前ら、マジで
…でも、こんな雰囲気になれたのも柔太郎の優しさがあったから
俺が気まずくならないように、いつもの雰囲気になるように、わざと俺をからかうような言葉を言ったのだろう
優しすぎる彼の優しさはいつだって俺を助けてくれる
彼が休んでいた3日間、というよりも柔太郎の部屋に行ったあの日、あの瞬間から俺の頭にはあの時の苦しそうな柔太郎の言葉や表情が残っていて
仕事は集中してこなすように努力をしたけど、それでも消えてくれなかった
ー仁ちゃんが俺のこと、俺だけを見てくれたらっ…!俺は…っ、絶対、仁ちゃんのこと、大事にするのにっ、泣かせたり、苦しめたりなんてしないのに…っ、ー
俺のことだけを見つめてくれて
俺だけを好きでいてくれる柔太郎
自分がどんなに苦しくても、俺のことを優先して考えてくれて
それがどんなに苦しいことか俺は知っている
そこに狂おしいほどの愛情が込められていることも
じゃあ、俺は…?
前は『勇斗が好き』
その想いだけだった
でも今は
勇斗のことよりも柔太郎のことを考えている自分がいる
風呂に入っているときも、ご飯を食べていても、寝ようとして目を閉じたときも
『柔太郎、体調大丈夫かな』
『冷蔵庫にいれたゼリーだけでも食べれただろうか』
『眠れたかな。少しでも寝れたらいいけど』
『いつから俺のこと好きだったのかな』
『俺のどこが好きなんだろう』
『俺が勇斗に抱えていたような想いを柔太郎も抱えていたんだろうか』
『本当に俺だけを見てくれるのかな』
『柔太郎と一緒なら幸せになれるかな』
『俺が彼の想いに答えたら、彼は笑ってくれるだろうか』
『俺も柔太郎には笑っていてほしい』
この3日間、ずっと考えていたのは柔太郎のことだけだった
そうなってくると答えはシンプルだ
ー俺は柔太郎が好き
その答えに行きついた途端、急に恥ずかしくなって顔や体に熱が集まるのが分かった
太「ん?吉田さん、なんか顔赤ない?」
舜「ほんまやね。じんちゃん、体調しんどい?大丈夫?」
違うのよ、全然ちがうの
お願いだからそれ以上騒がないでくれ、頼むから
赤くなってしまった顔を見られたくなくて俯く
勇「じんと?無理しなくていいよ。今日は俺らのYouTube撮影しかなかったはずだし、俺らもそれぞれドラマの撮影は落ち着いてるし」
だから!ちがうんだって!ほんとに!
だんだんと居たたまれなくなってくる
柔「…仁ちゃん、ごめん。もしかして俺のがうつっちゃた?病院行ったほうがいいかな」
申し訳なさそうな柔太郎の声につい顔を上げてしまった
仁『だからっ!ちがうんだって!…ちがうから…ぁの…ほんとに』
柔太郎のせいじゃないということだけは否定したくて、それだけは伝えたが、好意を自覚してから見てしまった柔太郎がいつもよりも何倍もかっこよく見えてしまって耐えられず、また俯く
困惑するメンバーと、何かに気付いたらしい柔太郎
柔「…じんちゃん、ちょっと俺と話そう?ね?」
俺の左手にそっと触れられた彼の右手
「こいつ、まだ熱あるんじゃないのか」と思ってしまうほどに熱くて
仁『…ここじゃやだ』
そう告げると、そっと触れるだけだった手が今度は強く握られる
そのまま俺の耳元に顔を近づけて
柔「…かわいすぎ」
俺だけに聞こえるようにそう囁く
その瞬間、顔やら頭から湯気が出てんじゃないかと思うくらい全身が熱くなる
柔「ちょっと、仁ちゃん借りていきまーす」
そう言って俺の手を強めに引きながら前をずんずん歩いていく柔太郎
俺の前を歩く彼は後ろから見ても嬉しさがにじみ出ているように思えて、俺も少しだけ嬉しくなってしまう
太・舜「はーい。いってらっしゃーい」
勇「…いってらっしゃい」
メンバーに見送られ部屋を出る
『この部屋に戻ってくるときには、彼と俺との関係は変わっているのだろうな』
茹だった頭でそんなことを考えながらー
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あわーーーーー 私はさのじんの人なのに美味しくいただきました 素敵なお話ありがとうございました
続き待ってました!新作楽しみにしてます😊
