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31
ポケモンセンター前――
???の青年がバトルを仕掛けようとした、その時。
志歩
「……待って」
一歩前に出て、静かに止める。
志歩
「今はやらない。準備もできてないし、ここでやる意味もない」
???
「へぇ……逃げるんだ?」
志歩
「違う。ただ、無駄なことはしないだけ」
一瞬の沈黙。
咲希
「ちょ、ちょっと志歩〜💦」
穂波
「でも、確かに今はまだ……」
一歌も頷く。
一歌
「うん。私たち、これからだから」
???の青年は少し考えたあと、ふっと笑う。
???
「……まあいいや。じゃあ次会った時、本気でやろうぜ」
そう言い残し、その場を去っていく。
⸻
そして――
4人はミヤマスザカシティを後にした。
一歌
「いよいよ、旅だね」
咲希
「うわー!楽しみすぎる!!」
穂波
「レオニシティまで少し距離あるけど、ゆっくり行こうね」
志歩
「無理しないペースで行くよ」
その足元では――
イーブイ
「イブイ〜!」
ピカチュウ
「ピカピカ!」
ヒトカゲ
「カゲ!」
フシギダネ
「ダネ〜!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
ポケモンたちも元気いっぱいに歩いていた。
自然に囲まれた道。
風が心地よく吹く中――
ガサガサッ……
咲希
「え?なに今の!?」
草むらが揺れる。
志歩の目が鋭くなる。
志歩
「……来る」
次の瞬間――
草むらから飛び出してきたのは、
ツタージャだった。
ツタージャ
「ジャー!」
一歌
「ツタージャ……!」
志歩はすぐに前へ出る。
志歩
「ツタージャ。ヒトカゲ、いくよ!」
ヒトカゲ
「カーゲ!!」
志歩
「ひのこ!」
ヒトカゲのしっぽの炎が揺れ、火の粉がツタージャへ放たれる。
ツタージャ
「ジャッ!?」
少しひるむ。
志歩
「今!」
モンスターボールを取り出し――
志歩
「いけっ!」
ボールがツタージャに当たり、光に包まれる。
カチン……
コロン……
カチ、カチ……
全員が息を呑む。
一歌
「……いける……?」
ピタッ。
ボールが動きを止める。
志歩
「……」
そして――
カチッ!
咲希
「やったーーー!!!」
穂波
「すごい……!」
一歌
「志歩……!」
志歩はボールを拾い上げる。
志歩
「……ゲット」
少しだけ、嬉しそうに呟く。
ボールを見つめながら――
志歩
「よろしく、ツタージャ」
ボールが小さく揺れ、応えるように光る。
⸻
こうして、
志歩は新たな仲間――ツタージャを手に入れた。
4人とポケモンたちの旅は、
さらに賑やかになっていく――!
レオニシティ――
高い建物と賑やかな人通り。
大きな街に、一歌たちは思わず足を止める。
咲希
「うわぁぁぁ!!なにここ!すっごい都会!!」
穂波
「人もポケモンもいっぱいだね……」
一歌
「……すごい」
志歩
「立ち止まってないで行くよ。まずはポケモンセンター」
⸻
ポケモンセンター内。
明るい光と安心感のある空間。
ジョーイ
「いらっしゃいませ。ポケモンをお預かりしますよ」
一歌
「お願いします!」
4人はそれぞれのポケモンを預ける。
機械にボールがセットされ、やさしい光に包まれる。
ピカチュウ
「ピカ〜…」
イーブイ
「イブイ…」
少し名残惜しそうにするポケモンたち。
一歌
「すぐ戻ってくるからね」
優しく声をかける。
志歩
「ちゃんと回復させないと、次動けないし」
数秒後――
ジョーイ
「お待たせしました。みんな元気になりましたよ」
ボールが返される。
咲希
「ありがとーございます!!」
⸻
ポケモンセンターを出て。
咲希
「ねえねえ!せっかくだし街見て回ろうよ!」
穂波
「いいね、必要なものも買いたいし」
志歩
「……無駄遣いしないならいいよ」
一歌
「ふふ、じゃあ行こうか」
⸻
レオニシティのショッピングエリア。
屋台やショップが並び、ポケモングッズや道具がずらりと並ぶ。
ピカチュウ
「ピカピカ!」
イーブイ
「イブイ〜!」
楽しそうに走り回る2匹。
咲希
「見て見て!このモンスターボール可愛くない!?」
穂波
「回復アイテムも買っておこうか」
志歩
「きのみもある。野生対策に使える」
一歌は少し離れた場所で足を止める。
そこには――
ひときわ人だかりができていた。
???
「……」
フードを被った人物。
どこか見覚えのある気配。
一歌
「……あの人」
その瞬間――
バチッ!
小さな電気が走る音。
ピカチュウ
「ピカ……?」
ピカチュウが警戒する。
志歩
「……なにか来る」
空気が変わる。
次の瞬間――
街の奥から悲鳴が上がる。
「きゃあああ!!ポケモンが暴れてる!!」
一歌
「……!」
4人は顔を見合わせる。
志歩
「行くよ」
一歌
「うん!」
楽しいショッピングは一転――
事件の予感とともに、
新たなバトルが始まろうとしていた。
レオニシティの通り――
空を裂くような鳴き声。
ムクホーク
「ムックーーー!!!」
暴れながら街の上空を旋回している。
人々
「危ない!!」
「ポケモンが暴れてる!」
その下で――
黒い装置を操作する怪しい影。
レオニ
「ロケット団!!!」
ムサシ
「その通り!」
コゴロウ
「この街のポケモンは全部いただくぜ!」
ニャース
「ニャーッハッハ!」
ソーナンス
「ソーナンス!」
捕まえたポケモンたちを袋に詰め、逃げようとする。
その時――
ムサシ
「げっ!ジャイボーイ!!!」
志歩
「……見逃さない」
すぐに状況を判断する志歩。
志歩
「一歌、ムクホーク出して!!私とツタージャで行くから」
志歩
「ヒトカゲ、穂波と咲希を守るんだよ」
ヒトカゲ
「カゲ!」
一歌
「わかった!」
モンスターボールを構える。
一歌
「ムクホーク!出ておいで!!!」
光が弾ける。
ムクホーク
「ムックーー!!!」
一歌
「お願い、あの子を止めて!」
志歩
「ムクホーク、ロケット団の所に向かって!!!」
ムクホークは大きく羽ばたき、空へ飛び上がる。
志歩
「ツタージャ、行くよ」
ツタージャ
「ジャ!」
2人はロケット団の方へ駆け出す。
⸻
一方――
ロケット団
ムサシ
「ちょっと!あいつら来たわよ!」
コゴロウ
「面倒だな!」
ニャース
「装置を強めるニャ!」
ムクホークの目が赤く光る。
ムクホーク
「ムッ……ク……!!」
志歩
「……操られてる」
志歩は冷静に指示を出す。
志歩
「ツタージャ、つるのムチ!」
ツタージャのツルが伸び、装置を狙う。
ニャース
「やばいニャ!」
バチッ!!
電撃で弾かれる。
志歩
「……簡単にはいかないか」
その時――
一歌
「志歩!!」
ムクホーク(味方)が上空から急降下。
一歌
「つばさでうつ!!」
ドンッ!!
衝撃でロケット団がよろける。
ムサシ
「きゃああ!」
コゴロウ
「ぐはっ!」
志歩
「今!」
志歩
「ツタージャ、もう一回!」
ツタージャ
「ジャ!!」
つるのムチが装置に直撃。
バキッ!!
装置が壊れる。
⸻
次の瞬間――
ムクホークの目の光が消える。
ムクホーク
「……ムク?」
一歌
「戻った……!」
ムクホークはゆっくりと地面に降りる。
ロケット団
ムサシ
「ちょっと!装置壊されたわよ!」
コゴロウ
「こうなったら撤退だ!」
ニャース
「覚えてろニャー!!」
ソーナンス
「ソーナンスー!」
ドカーン!!!
煙とともに空へ吹っ飛ぶ。
⸻
静けさが戻る街。
人々
「助かった……!」
「ありがとう!」
一歌
「よかった……」
志歩
「……最低限の仕事はした」
ツタージャ
「ジャ!」
ピカチュウとイーブイも駆け寄る。
ピカチュウ
「ピカ!」
イーブイ
「イブイ!」
一歌
「みんなもありがとう」
そして――
さっきのフードの人物が、遠くからその様子を見ていた。
???
「……やるじゃん」
小さく笑う。
???
「やっぱり面白いな、あの4人」
その姿は、いつの間にか消えていた――。
ロケット団が去ったあと――
静まり返っていた街に、少しずつ声が戻ってくる。
人々
「助かったよ……!」
「すごい子たちだ!」
そして――
パチパチパチ……
大きな拍手が広がる。
咲希
「えっ、えっ!?なにこれ!?」
穂波
「みんな……拍手してくれてる」
一歌
「……」
少し照れながらも、嬉しそうに笑う。
志歩
「……当然のことしただけ」
だけど、その表情は少しだけ柔らかい。
⸻
その時――
人混みがすっと割れる。
そこに現れたのは、
ギターケースを背負った青年。
鋭い目と、どこか余裕のある雰囲気。
???
「へぇ……」
一歌たちの前に立つ。
???
「君たちがLeo/need?」
一歌
「……え?」
志歩
「……誰?」
青年は軽く笑う。
イオリ
「私はイオリ。レオニシティのジムリーダーだ」
咲希
「ジムリーダー!?」
穂波
「この街の……!」
イオリ
「さっきのバトル、見てた」
腕を組みながら言う。
イオリ
「なかなかいい連携だったよ」
少し間を置いて――
イオリ
「だからさ」
ボールを取り出す。
イオリ
「試してみたくなった」
一歌たちをまっすぐ見て、
イオリ
「私とバトル、しない?」
⸻
バトルフィールド――
簡易的に区切られた場所に立つ両者。
志歩
「……やるよ」
一歌
「うん!」
咲希
「がんばってー!!」
穂波
「応援してる!」
イオリ
「2対1でいいよ。来て」
モンスターボールを投げる。
イオリ
「いけ、ルクシオ!」
ルクシオ
「ルクシオ!!」
志歩
「ツタージャ、行くよ」
一歌
「ムクホーク、お願い!」
戦いが始まろうとした――その瞬間。
ヒトカゲ
「……カゲ」
志歩
「?」
ヒトカゲの体が光り始める。
志歩
「……まさか」
光が強くなる――
咲希
「え!?なにこれ!?」
穂波
「進化……!?」
そして――
ヒトカゲ
「ガァァ!!」
リザードへと進化した。
志歩
「……リザード」
すぐにポケモン図鑑を開く。
志歩
「炎の力をさらに強めた進化形……か」
リザード
「ガァ!」
力強く地面を踏みしめる。
⸻
さらに――
ゼニガメ
「……ゼニ!」
咲希
「え!?ゼニガメも!?」
ゼニガメの体も光り出す。
咲希
「ちょ、ちょっと待ってーー!?」
光が弾ける。
ゼニガメ
「カメール!!」
穂波
「カメールに進化した……!」
咲希
「すごーーーい!!!」
⸻
イオリはニヤッと笑う。
イオリ
「いいね……最高に熱い展開じゃん」
ギターを軽く鳴らすように、ボールを構える。
イオリ
「じゃあ改めて――」
志歩
「……行くよ」
一歌
「うん!」
イオリ
「本気のバトル、始めようか」
⸻
進化した力と、
仲間との連携。
レオニシティのジム戦が――
今、幕を開ける!
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