〜第二章 修学旅行編 〜
「来ました来ました修学旅行〜!」
学校の校庭に並ぶ私たちに冬雪菜は抱きつくように声をかける。
「楽しみだなぁ〜」
「楽しみね、」
私たちの班C班には、みりん、冬雪菜、私、輝くん、長谷川さん、高谷さんがいる。
そのうちの輝くんは私の好きな人でもあり私は恋のドキドキもあるのだ。
「先生が話しますよ、静かにしてください」
そんな私たちに長谷川さんは冷たい目で話しかけた。
「ちぇ、つまんないの」
冬雪菜と長谷川さんは水と油でピキっとした雰囲気を出している。
水と油と言えばみりんと高谷さんもだ。高谷さんは不真面目にも程があるというか。。度を越してるんだよね。それを見たみりんはなんと思うか…。想像するだけで背筋がこおる。ピキっとした悪い空気を耐えているのが私と輝くん。残り物みたいでなんだか気まずい。
長谷川さんの言う通り先生が話し出した。
長い先生の話も終わり、バスに乗車していく。 席はこうなった。
まず、班の中の最前列がみりんと長谷川さん。
これには一悶着あって…。
二人がイチャつけるために〜と冬雪菜と高谷さんペアが無理やり押してきて二人はとても気まずい顔をしていた。みりんも怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。その時に空気となってしまうのが私と輝くんでそこはそこで気まずかった。
話を戻すと、班の中の真ん中は私と冬雪菜。
これは他男子二人が2人でやろーぜと言ってたので私たちもなろっかという軽い感じで決まった。
最後の列は輝くん、高谷さん。
輝くんは少し苦笑いをしていた。
決してふたりは仲悪いってわけじゃないけど高谷さんのお世話役に疲れてるみたい。
バスに着席すると隣の冬雪菜はめをかがやかせていた。
「うわ〜超超楽しみ!」
冬雪菜はじたばたしている。
「ほんとにね〜楽しみすぎて爆発!」
そんなこんな話してるといつの間にかバスは出発していた。
「着きましたよ〜ここは鎌倉の高徳院です。
活動班で見学しましょう」
私たちが向かった先にはどどんとでっかい大仏が立っていた。
私はそのデカさに圧倒されていた。
「よし、みんな大仏見るよ〜」
みりんは早速みんなをまとめる。
「は〜?そんな勉強は後でいいっしょ、まずおみくじ引きたい〜」
「それな〜」
高谷さんと冬雪菜はいつもの不真面目モードが始まってみんなはあっ…と察した顔をしていた。みりんはゴゴゴゴとお怒り顔だった。
「あ〜もうムカつく!もう決めた!2人組に別れましょう 」
みりんの言葉にみんな時をとめた。
「はぁ、まず私は冬雪菜と組む。高谷さんとはゼッッッタイ組みたくない。」
みりんは高谷さんのことを激しい瞳で睨みつける。
「いや…そこまで言わなくても」
高谷さんは少しビビってる。
「高谷さん…いや高谷は長谷川さんと組んで」
みりんの呼び捨てにみんなが緊張感を出していた。…と、ということは…?
「残り物みたいになって悪いけど星野さんとこのはでお願いね」
私の胸はときめいた。
「はぁ…班で行動しろ言われてるのに出来ないのねぇ…。長谷川さん…高谷のことは頼んだよ」
みりんは腕を組んでため息をついた。
「佐藤さん、分かりました。高谷さん、おみくじはしてもいいですがお金の管理については自己責任ですからね」
「うげー、真面目クンと一緒かよ」
輝と組みたかった〜と言いつつも長谷川さんに近づいた。
「じゃあ…ペア活動開始! 」
「みり〜ん、良かったの?長谷川と組まなくて?」
あたし・冬雪菜はみりんとペアになってみりんと回っている。
「仕方ないでしょ、あんたが高谷とどうもイチャついてたからね。そのペアは離すっていうのは当たり前なんですぅ。」
みりんは口を尖らせて言った。
「てか、おみくじ引こ〜」
あたしはすぐ話題を変えたい人だから、てかが口癖になってるかもしれない。
「はぁぁぁ…そうやってす〜ぐ話題変えて逃げようとする…まずは、大仏をみましょう」
みりんはでっかいため息をついてからそう言った。
「もう〜しかたないなっ!」
私はみりんに近寄った。
「はいはい〜真面目くん〜」
俺・高谷 誠一郎は、長谷川を少しからかってみた。
「ホントは、佐藤と組みたかったかw?ざんね〜ん!」
俺は長谷川の顔を見て煽りの表情をした。
「うるさいです。そういう話は日中は受け付けません。」
「へぇ〜夜だったら受け付けてくれるんだ〜?じゃあ沢山質問しよっ!真面目くんだから正直だよね?」
「嘘つくほかないじゃないですか。」
長谷川は当たり前のような顔をしていった。
「お前…どうも佐藤のこと恋愛感情として見てなそうだな…」
「はい。そうですよ?」
真顔で即答で答えた。
「その話題はいいです。早く見学しましょう」
長谷川は少し怒りながらも俺の手を引いた。
心臓が飛び出るかと思った。まさかのまさか輝くんとペアになるなんて。
「良かったな、ようやくあのめんどい空気から逃れられて」
「だね…」
私・このはは輝くんと話した。
「とりあえず…大仏見てみる?」
「そう…だね」
私は緊張して話の内容が頭に入ってこなかった。
「これが…鎌倉大仏」
輝くんは目を輝かせていった。
「ド迫力だね」
本当にそうだった。圧倒されるようなデカさ。
偉そうなこの表情っぷり。
「そろそろ、他のところも見るか…」
輝くんがその言葉を発したそのとき――
「Excuse me! could you please take a photo?」
私の頭ははてなでいっぱいだった。
金髪で胸の下くらいまであってカールされてる女性と高身長で外国人でいうイケメンな雰囲気の男性が私たちの元に話しかけてきた。
でも何を言ってるか分からなかった。その様子を察したのか外国人の男性はカタコトで話し出した。
「ゴメンナサイ!シャシンヲシテホシイ!」
何となく伝わった気がした。
重いカメラを差し出してるから2人の様子を撮影してほしいんだ。
輝くんは咄嗟に手を出した。
「OK. マイファザーイズアフォトグラファー。~#.^^&…@ 」
途中から聴き取れなかったけど輝くんが写真のプロだということはわかった。
「テンキュー!」
輝くんはカメラをセットし大仏バックの2人の姿を撮影していた。
…私にも、何か出来ることは…
そんなことを考えてたら外国人のふたりは輝くんにお礼を言って去ってた。
私はどこか悔しかった。
「…私なんも出来なかった…」
こんな私がかいやまりをすくっていいの?
外国人の人のことを助けれないなんて…かいやまりも無理だよ。
すると輝くんは心配そうな目で見つめた。
「金田のなにかしたいって言うのは俺から伝わってきた。でも、気にする必要は無い。だってあんな重いカメラで外国人並みの写真を撮るなんて素人は無理なんだよ。」
輝くんはまあ俺は素人じゃないみたいないいかたになっちゃったけどと付け足していった。
輝くんの言葉に私は救われた。
輝くんは分かっていた。私が心の底から困ってる人を助けたいと思う気持ちを。
伝わってたんだ…。
なにかどこか安心している私がいた。
「C班集合!」
みりんの掛け声に気づいてみりんの近くに行った。外国人とあたふたしていたらいつの間にか時間をすぎていた。でも、それっていい経験なのかもしれない。
修学旅行ってこんなことも学べるんだな。
コメント
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続きが楽しみ😆✨️