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⚠バドエン
角名の言葉は、侑の心を、さらに傷つけた。
(角名…俺を、可哀想やと思っとるんか…?)
侑は、角名の優しさが、同情からくるものだと感じていた。治に嫌われ、角名に同情される。その事実が、侑のプライドを、粉々に砕いた。
「…帰ってくれ…っ…」
侑の声は、震えていた。角名は、何も言わず、ただ、その場を後にした。
その夜、侑は、また薬を飲んだ。今度は、いつもよりも多く。
「もう…っ…ええわ…っ…、」
薬を飲んだ後、侑は、意識が朦朧としながら、スマホを取り出し、治にメッセージを送る。
『おさむ、ごめんな…』
それが、侑の最後のメッセージだった。
翌朝。
侑が目を覚ますことはなかった。
治が、部屋に入った時、侑は、ベッドの上で、息絶えていた。
「侑…っ……?」
治は、侑の体に触れ、冷たくなっていることに気づいた。
その瞬間、治の頭の中で、何かが、音を立てて崩れ落ちた。
「ツム…!嘘やろ…っ!嘘や…っ…!」
治は、侑の体を抱きしめ、何度も何度も、その名を叫び続けた。
だが、侑は、二度と、その声に応えることはなかった。
侑の死は、稲荷崎高校に、暗い影を落とした。
部員たちは、誰も言葉を交わさず、ただ、静かに練習を続けた。
治は、侑が亡くなってから、何も食べることができなくなった。食欲は完全に失せ、ただ、虚ろな目で、侑の使っていたロッカーを眺めていた。
「治…」
角名が、治の隣に立つ。治は、何も言わず、ただ、虚ろな目で、角名を見つめる。
「なんで…なんで、あいつを…」
治の声は、掠れていた。
角名は、何も答えられない。
侑を救えなかった。
その事実が、角名の心を、重く、重く、蝕んでいた。
治は、侑の死後、バレー部を辞めた。
もう、バレーをする気になれなかった。
侑がいない世界で、バレーをする意味が、治には見出せなかった。
治は、侑の部屋で、一人、泣き暮らす日々を送っていた。
侑が使っていたベッドに横になり、侑の匂いのするシーツを抱きしめて、声を殺して泣く。
(ツム…俺も、そっちに…)
治は、侑の後を追おうとしていた。
だが、そのたびに、侑の笑顔が、治の脳裏をよぎる。
(あいつ…こんなこと、望んでないやろ…)
治は、侑の遺品整理を始めた。その中で、侑が送ってきた、最後のメッセージを見つける。
『サム、ごめんな…』
治の心臓が、再び、強く、締め付けられる。
「ごめん…っ…ごめん、侑…っ…」
治は、侑のメッセージを、
何度も、
何度も、
何度も、読み返した。そのたびに、治の心は、深く、深く、傷つけられていった。
数年後。
治は、高校を卒業し、料理の道に進んだ。
侑の好きだった自分のおにぎりを、
毎日、毎日…
作り続けた。そして、そのおにぎりを、侑の遺影に供えた。
「ツム、今日は、おにぎり、上手にできたで」
治の声は、優しい。だが、その瞳は、未だに、虚ろだった。
角名は、プロのバレーボール選手になった。
だが、彼のプレーには、どこか、虚しさがあった。勝っても、負けても、彼の表情は変わらない。
(侑…見てる?)
心の中で、いつも、侑に語りかける。
だが、その声は、二度と、侑に届くことはなかった。
侑の死は、治と角名の人生を、大きく狂わせた。
治は、侑を愛し、失った。
角名は、侑を救えず、失った。
三人の関係は、誰も幸せになれない、歪んだ結末を迎えた。
治は、毎日、侑の好きだったおにぎりを作り、侑の遺影に供える。
そして、静かに、一人で食べる。
そのおにぎりは、誰にも届かない愛と、後悔の味がした。
終
めっちゃバドエンでごめんね😭書いてる私もまじ心臓張り裂けるくらい苦しかった、(じゃあ書くな)
終わり書くのむずかった…、もっといい締めくくりがよかったな…
これが私の限界です…、
侑ごめんね、私切腹しますわ(?)
コメント
4件
まじもんで泣いちまってたぜ… テストで悪い点取って落ち込んだけどコレ見てどうでもよくなったわ(( バトエン😭😭めっっちゃ胸引き締められた🥲けどむっちゃ好き!!侑のこと好きだったのに…😭 うわぁぁぁハピエンもあったらめちゃめちゃ楽しみにしてる!!!(あったら絶対見る!!)